電力総研 水力あ れこれ(山陽日野川)
と はずがたりな掲示板(利 水スレ電 力スレ)
23.8.15運開
旭川の水発(主力現況篇)(25.7逍遙)[→全体篇

吉井川高梁川と 並ぶ岡山三大河川の一つ。雨の少ない山陽地方であるが小水力も含めそこそこ発電所は立地している。ここでは湯原ダムと旭川ダムに付随する主力発電所をレポ。下図には湯原運開前の勝山第一・第二の関連施設も記載した。
勝山第二は9.9MWもあって主力群の一つに数えても良い。

(源流)────湯原ダム(V=7,200万m3・H.W.L.=402.0m)・湯原堰堤発電所──湯 原第一発電所(26.6MW・45m3/s)─社口ダ ム(85.4万m3・EL.319.65m)─鉄山川【開発(案)】(湯 原引水社口引水)牧取水堰堤───勝山第一 発電所(3.9MW・6.12m3/s)─神庭川(勝 山第二水路橋)]新庄川新庄川取水堰堤]勝山第二 発電所(9.3MW・14.43m3/s)───湯原第二発電所(23.7MW・18.20m3/s・EL.148.1m)──(未利用落差 38m)中流部開発──旭川ダム(V=5,177.2万m3・H.W.L.=110m)─旭川第一発電 所(18.7MW・60m3/s)──旭川第二ダム旭川第二発電所(3.7MW・45m3/s・EL.61.5m)────(岡山市街)───(河 口)


~沿川風景~

(源流・朝鍋鷲ヶ岳)

<内海谷川>

(源流・内海乢(たわ)→山の向こうは日野川水系俣野 川・下蚊屋ダム)



湯原(ゆばら)ダム [便覧][岡山県][wiki]        
河川     旭川水系旭川
目的/型式     FP/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     73.5m/194.4m/219千m3
流域面積/湛水面積     255km2 ( 全て直接流域 ) /455ha
総貯水容量/有効貯水容量     99600千m3/86000千m3
ダム事業者     中国電力(株)・岡山県
本体施工者     熊谷組
着手/竣工     /1954
非越流標高 E.L.=405.5m
越流部標高 E.L.=394.0m
治水容量 15,500千m3 
発電容量 非洪水期には86,000千㎥(洪水期にあっては72,000千㎥)
常時満水位 E.L.=402.0m
制限水位
   E.L.=398.5m 7月1日~9月30日
 E.L.=401.0m 6月15日~6月30日,10月1日~10月15日
予備放流水位
   E.L.=398.0m 7月1日~9月30日
 E.L.=400.5m 6月15日~6月30日,10月1日~10月15日

中国電力(株) 湯原えん堤発電所[社 史]        
運開:1955.6(55.4?)(120kW)
河川維持放流型
認可最大出力:360kW      常時出力:260kW[72%]
有効落差:59.16m
水量: 常時 0.80m3/s
水車:横軸フランシス水車 出力500kW×1台(運開当時:横軸単輪単流渦巻フランシス水車 出力205kW×1台)

>旭川総合開発事業と電力供給事業の一環として1949年(昭和24年)に立案され、1952年(昭和27年)2月に着工となり、74億円の費用と 延人員260万人を動員して1955年(昭和30年)3月に竣工した。


基本観光はしない私だが,堰堤発電所を見る為に温泉街に入っていくと堰堤前で車輌通行止に。説明を読むとこの通行止めの先には砂湯という名の無料混浴露天風呂迄あった為,流石にひとっ風呂浴びることにする!

橋の上からの眺め。ダム堤体がちら見えしている♪その橋の様子

その手前に川原を使った無料駐車場があったので停めて更にアプローチ。

ダムが見えてくる。

石碑。流石にダムと発電所を優先したが5分程浸かってきた。いい湯であった。


ダム堤体と堰堤発電所
25.7

中国電力(株) 湯原第一発電所[水力] [社 史]       
運開:1954.11(23.4MW・1955.4に26.6MWに増強)
ダム水路式・調整池式 →中国地方最大で有効貯水量8,600万m3でも貯水式では無いのか!?
    認可最大出力:26,600kW      常時出力: 3,800kW[14.3%]
    最大使用水量:45.00m3/s[0.176]
    有効落差:74.37m
    水車:立軸単輪単流渦巻フランシス水車 出力17100kW×2台
    導水路:総延長1796.7m、主要導水路 圧力トンネル 口径4.60m、延長1796.7m
    放水路:幅8.00m×高6.52m、総延長508.9m
    流域面積:255.00km2
    取水:旭川[湯原ダム]402.00m
    放水:旭川[社口ダム]323.50m

遠景



社口ダム [岡山県](やしろぐち)(別称:神戸(こうど)ダム) [便覧][水力] [DB]        
河川     旭川水系旭川(湯原第一発電所45.0m3/s・ 323.5m)
目的/型式     P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     16.2m/75m/12千m3
流域面積/湛水面積     283.5km2 ( 全て直接流域・湯原ダム以下の流域:28.5km2) /24ha
総貯水容量/有効貯水容量     96.0万m3/85.4万m3
ダム事業者     中国電力(株)
本体施工者     アイサワ工業
着手/竣工     /1954
送水:湯原第二発電所(18.2m3/s・319.65m)
(貯水池) 最高水位     (m)       325.65
(貯水池) 最低水位     (m)       319.65
(貯水池) 利用水深     (m)       6.00

湯原第一の45m3/sを5h16分程貯めることが出来るスペック。

堤体。低い…が堤高16.2mでギリ,ダムである。

利水票

取水量18.2m3/sは兎も角,貯留量が消されている。。便覧上の諸元だ と85.4万トンであるが855,000m3(85.5万トン)と書いてあったように見える。

この辺の利水票には皆付いてた平面図や確認事項。維持流量0.85m3/s。湯原ダム地点での維持流量0.80m3/s より0.05m3/s多い。


ダム湖の様子は撮り忘れた…w


~鉄山川~        


【湯原ダム鉄山導 水】
4.3km程の導水で湯原ダムへ30.8km2の導水出来る。
 

【社口ダム鉄山導水】
下で検討する様に,湯原第二発電所と旭川ダムを直結したいと考えており,その場合,社口の 逆調整機能は不要となる。
容量が空いた分,鉄山川と羽部川の水を社口ダムに貯めることが出来る。社口ダムの満水位はEL.320m弱だから両河川の合 流部(EL.321.5m)はギリギリだけど丁度良い♪
ただし社 口ダムの地図上の標高が322mとかになってるので大丈夫やろかってのはある。まあ無視して計測してみる。距離は0.8km程で49.2km2と なる。まあまあだ。


まあ4.3kmで30lm2も結構広いので発電量の検討。
両導水の落差差を計算ると湯原第一の有効落差74.3m+湯原第二と勝山第一の取水位差319-293=26の合計100m程ある。
湯原導水:30km2*100m*9.8*0.1=2,940(発電量指数) 導水効率=2,940/4.3km=683.7
社口導水:49km2*26m*9.8*0.1=1,248.5(発電量指数) 導水効率=1,248/0.8km=1,560.6

発電量は2.4倍程湯原の方が高いが効率は2倍強社口の方が良さそうだ。
ただあんま取り過ぎると勝山第一の水源が足りなくなってしまうと云うのはある。







勝山第一発電所 旭川取水堰堤(牧堰堤) [場 所]        
取水位/取水量 293.79m/6.12m3/s

堰堤


中 国電力株式会社 勝山第一発電所[水 力][DB] [社 史][菊 政][うたかた] [ひろし][→全体篇]        
運開:1922.8(中国水力電気(株)・3.2MW) / 更新(水車取替?)1988.5
水路式・流込式
   認可最大出力:3,900kW    常時出力:0kW
    最大使用水量:6.12m3/s
    有効落差:78.48m
    水車:横軸フランシス水車 出力4100kW×1台
    導水路:総延長6393.5m[→水圧鉄管
    流域面積:347.80km2(社口D以下の流 域:64.3km2・湯原D以下の流域:92.8km2)
    取水:旭川[旭川取水堰堤(牧堰堤)]293.79m
    放水:旭川[勝山第二発電所]209.64m [→放水工]

勝山第 二発電所旭川取水堰堤[DB] [→全体篇(勝山第二発電所旭川取水堰堤)
取水量:7.80m3/s(勝山第一からの供給水量:6.12m3/s)
流域面積:369.7km2[直接:86.2km2](低落差側)

下流側からアプローチ。勝山第二の取水堰と勝山第一の水圧鉄管が見えてくる。工事中なのか?2本ある水圧鉄管を1本にしてるのか?工事が始まる前は2本 あったようだ(ス トビュウ)が,諸元によると少なくとも1988年の更新以降は水車は1台の様だが。。因みに1本は余 水吐ってこともよくあるがここでは脇に水路がある(地 理院)ので違う。湯原第一が出来た時に出力減らしたけど鉄管はそのまま残したとか?
25.7

~神庭川~[→全体篇

勝山第二発電所神庭川水路橋(仮称)
25.7




~新庄川~        

土用ダム[便覧] [wiki] [旭川全体篇日野川主力篇
目的     P(純揚水俣野川発電所(1,200MW←でけえ)上部貯水池)
有効貯水容量    670.0万m3
竣工   1986

岡山県企業局 寄水発電所[→全体篇][水 力]       
着工/運開 1990/1991.6.1
認可最大出力:1,500kW
最大使用水量:4.60m3/s
流域面積:88.2km2
取水:新庄川396.00m(取水堰河床標高:394.10m)
放水:新庄川351.40m

勝山第二発電所新庄川取水堰堤[DB] [ひろし]        
取水量:6.63m3/s
流域:106.8km2
取水:新庄川EL307.50m
送水:勝山第二発電所(高落差側)


中 国電力(株) 勝山第二発電所[→全体篇]       
運開:1944.11
水路式・流込式
   認可最大出力:9,900kW(+600kW)    常時出力:1,600kW[更新前データ?]
    最大使用水量:6.63m3/s[0.62](高落差(新庄川)側)/7.80m3/s[0.90](低落差(旭川)側)
    有効落差:128.30m(高落差側)/36.43m(低落差側)
設備(高落差側)
    水車:横軸フランシス水車×2台 総出力8000kW
設備(低落差側)
    水車:横軸フランシス水車 出力2410kW×1台
導水路:総延長3501.7m(低落差側)+約5.7km(高落差側[とは調べ])=9.2km
 流域面積:106.8km2(高落差側)/369.7km2[直接:86.2km2](低落差側)
取水:新庄川307.50m(高落差側)・旭川勝山第一発電所]209.64m(低落差側)
放水:旭川169.0m

建屋


上部水槽(高落差側と低落差側)



中国電力(株) 湯原第二発電所[水力] [DB]       
運開:1954(S29).11
ダム水路式・調整池式
    認可最大出力:23,700kW      常時出力:11,500kW[48.5%]←結構高め
    最大使用水量:18.20m3/s
    有効落差:159.20m
    水車:立軸単輪単流渦巻フランシス水車 出力15,700kW×2台(=合計314,000kW)
    発電機:立軸三相交流同期発電機 容量17000kVA×2台
    変圧器:屋外用三相油入自冷式 容量17000kVA×2台
    導水路:総延長11,502.7m[DB](銘板11495.3m)主要導水路 幅3.50m×高3.50m(断面積:12.25m2) 無圧トンネル、 蓋渠、水路橋
    放水路:総延長190.5m
    流域面積:283.50km2
    取水:旭川[社口ダム]319.65m
    放水:旭川148.09m

現行23.7MWの湯原第二発電所であるが,水車の出力が31.4MWもある。増 強を睨んでいる!?
水車の出力が過大な発電所の例として揖保川水系の安積発電所,やや小さいが 気田川の豊岡発電所などが思い浮かぶ。増 強が可能であろう[→開発





(真庭市街[久世])

(目 木川合流135m)

133m

【中流部開発】    
上から下迄開発されてる旭川であるが,中流域に未利用落差がある。現行で湯原第二は逆調整後の運用だと思われるが,この未利用落差を使い切ると旭川ダムで 結局旭川第二ダムを逆調整池として利用すれば良いということになる。
湯原第二を水車能力いっぱいの31.4MW迄上げて(若しくは水車を新設して発電機/変電所上限の34MW迄上げる!?),湯原第二放流水を取水して目木 川辺りでも取水して旭川ダム湖畔で発電する発電所を建設すると良さそう。

[増強私案]湯原第二発電所[→現行諸元
出力:31,000kW[+7.3MW]
水量:23.8m3/s[+5.6m3/s]
放水位:149.09m

この位の水量は既存の導水路で増やせるのではないかと期待している。

こ の辺(EL148m)に取水堰建設して取水。132km2程の新規水源(勝山第二取水域以下の流域)が得られる。湯原第二が24m3/s(増強 後)・勝山第二が14.43m3/s,新規水源が13m3/sでざっくり50m3/s程度は確保出来そう。(流域面積は608km2なのでそれ程盛り過ぎ ではない。)



[新設私案]真庭発電所
出力:10,600kW[+10.6MW]
水量:50m3/s
落差:25m
導水・放水:7.2km
取水:旭川[湯原第二発電所23.8m3/s(勝山第二14.43m3/s)]・目 木川河 内川 148.0m
放水:旭川[旭川ダムこ の辺115m]




~備中川~

稜線の西側は高梁川水系小坂部川


(備 中川EL.117m)…美作落合の落合って旭川と備中川だったのか。。

旭川ダム(再) [岡山県](あさひがわ)(旧称:旭川第一ダム) [便覧][wiki]        
河川     旭川水系旭川
目的/型式     FNWP/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     45m/212m/146千m3
流域面積/湛水面積     1140km2 ( 全て直接流域 ) /421ha
総貯水容量/有効貯水容量     57382千m3/51772千m3
ダム事業者     中国地方整備局
着手/竣工     2020/
満水位:110.0m

>完成当時は旭川第一ダムと呼ばれていたが、約3㎞下流に逆調整池として旭川第二ダムが建設されて以降、旭川ダムと呼ばれるようになった。 [wiki]←逆に意味が解らんw

岡山県企業局 旭川第一発電所[水 力]       
    昭和29(1954)年2月:運用開始
ダム式・貯水池式
    認可最大出力:18700kW      常時出力: 2800kW
    最大使用水量:60.00立方メートル毎秒
    有効落差:36.40m
    水車:立軸フランシス水車×2台 総出力23000kW
    流域面積:1140.0平方キロメートル
    取水:旭川[旭川ダム]110.00m
    放水:旭川[旭川第二ダム]73.00m

旭川第二ダム[訪 問記][観光センター][場 所][DB]        
旭川ダム逆調整池
 (主要取水設備) 型式             取水堰
  (主要取水設備) 材質             コンクリート
  (主要取水設備) 高さ     (m)       12.00
  (主要取水設備) 堤頂長     (m)       147.00
  (制水門) 型式             ローラ・ゲート
  (制水門) 門数     (門)       1
  (制水門) 径間(口径)     (m)       4.98
  (制水門) 高さ     (m)       4.75

堤高が12mとダム扱いされてないので便覧にも掲載無し。お役所仕事ほんま腹立つわ~,,
また貯留量(有効貯水量)とか現地に見に行かなあかん。。

岡山県企業局 旭川第二発電所[水 力][DB]        
運開:1954.11
ダム水路式・調整池式
    認可最大出力:3,700kW     常時出力:1,100kW
    最大使用水量:45.00m3/s
    有効落差:9.95m ←ちいせえw
    水車:立軸カプラン水車 出力4000kW×1台
    導水路:総延長1326.8m
    流域面積:1167.0平方キロメートル
    取水:旭川[旭川第二ダム]73.00m
    放水:旭川61.50m





(岡山市街)




(河口=児島湾)