電力総研 揖保川水系
とはずがたりな掲示板(利 水スレ電 力スレ)

安積発電所現地調査(20.9.19)と妄想   
揖保川中流篇 安積発電所篇 引 原川篇 揖保川上流篇

【発電所諸元】 
【現況篇】~沿川風景~
三方川取水ダム[揖保川]4.56m3/s→[深河谷川]0.17m3/s┐
西谷取水口[引原川]3.95m3/s→[谷川]0.22m3/s→安積発電所8.9m3/s,5.6MW→[揖保川]
【開発篇】
増強策 安 曇発電所増強策(+4.3MW)新神野発電所新設(案)(+5.9MW)


安積発電所基本諸元   
発電所名
(場所)

社名 運開 形式 出力 使用最
大出力
有効
落差
水車 集 水・放水 その他備考
最大 常時 取水
(標高)
放水
(標高)
集水面積
安積発電所
(宍粟市一宮町安積)
水力
関 電
DB
関電 1939[兵庫県営]
水路式・流込式 5,600kW
(+600kW)
1,450kW
[29%※]
8.90m3/s※
71.00m※ 立軸フランシス水車×2
計9,920kW
三方川取水口(246.4m)
深河谷川(245m)
谷川(244m)
西谷取水口(251m)
揖 保川
(168.5m)


増強策
※:出力5,000kWと記載のDBより
神野(かんの)発電所

DB
水力
関電
1923
水路式・流込式
1,190kW
(+190kW)
308kW
[25.9%]
10.20m3/s
14,61m
S型チューブラー水車
出力1260kW×1台
揖保川147.412m
揖保川

372,7km2

※4:安積発電所の謎(再掲)   
水力.com(と いうか出典もとのDB) で は有効落差71.0m,最大使用水量8.9m3/s,最大出力5,000kWとなっているものの,水車の項が「立軸フランシス水車×2台 総出力 9920kW」となっていて明らかに過剰である。嘗てに比べて出力半減でもしたのであろうか?それにしても昨今の風潮で河川維持流量捻り出すにせよ半減は やり過ぎであろう。引原ダム建設に伴う拡張計画が頓挫でもしたのであろうか?改修があったのかも知れないがその記述もなく不明である(DBの誤記の可能性もある。また現行8.1mWに対して10.0MWの水車を持ってる豊岡発電所を一寸思い出す。余力はこちらの方が上である)。

更に,水力.comの最大発電容量5,000kWに対して関 電の記述で は少なくとも現在では5,600kWになっており,逆に或る時期に増強された様だ。(余談だがこの関電の記述だと谷川が水谷川となってる→現 地の標識では正しく「谷川」とある。因みに水 谷川は一筋上流であるので別称等ではないと思われる。)発電 効率で見ると有効落差71.0m,最大使用水量8.9m3/s,最大出力5,000kWで80.7%,同じく5,600kWで90%にもなってしまう(水 車の効率は最大でも 85%程度,最近は87%程度迄改善されている様で ある。現地訪問で最大使用水量が最大でも8.9m3/sらしい(各取水施設の水利標識標の取水量の総和が水力さんの安積発電 所の最大使用水量)のは判明 しているので有効落差を各種設備を改善して増やしたか?

~沿川風景~

三方川取水ダム[場 所]    
取水量:4.56m3/s
取水河川:揖保川(福知川との合流点)

ダムの様子
堰はすべりやすいので,という注意書きがあるが,これはゴム引布製起伏堰(ファブリダム・風船ダム)と云うやつである。水害が多発してこうなったとのこと [→DB]。
20.9

入口



水利標
起伏ゲートってのが例の風船ダムの事である。


取水ポイントより一寸川 下側にある施設。詳細不明。→初期の私は詳細不明とか書いてるけど多分これは沈砂池。

とまれここから地下トンネルで送水開始である。

深河谷川(ふ かたにがわ)[河川コード8606060042] [場 所]    

地上取水施設全景(笑)

水利標

堰堤と水量
まあ瞬間的に見ただけで判断出来ないのは百も千も承知だけどざわざわと水量豊富に沢を水が駆け下って行った。0.17m3/sの倍ぐらい取水しても大丈夫 そうには見えた。


<引原川>

西谷取水口[DB]      
  (主要取水設備) 高さ     (m)       3.00
  (主要取水設備) 堤頂長     (m)       38.26

この調査行を決行させたのがこの西谷取水口の情報であった。
水 力発電なんで標高の高いとこから低い方へ必ず辿れる訳だからと生来の楽天さと行き当たりばったりさと面倒くさがりで殆ど調べずトライしたが此処は最後迄見 つからず諦めかけて戸倉峠を目指そうとした時に旧道(息子が好き)を見付けて咄嗟に入った(ささやかな)市街地のど真ん中[場 所]でのまさかの邂逅と相成った。おお,逢いたかったぞ。
とはいえ既に日も落ち,明るいものの写真を撮るには厳しい状態。

水利標
21.9
堰堤の様子


谷川    
岩がごろごろの谷川(固有名詞である)の様子。

この川の脇にこぢんまりとした取水施設が。
よく見ると堰が木製である!とは言え梯川の堰で畳を見た後なので驚きはそれ程ないw

水利標が見当たらないなあと探すと道(橋)を挟んで反対側(下流)にも設備があり,水利標も無事発見。

水利標

引原川と三方川(揖保川本流)が合流する所に安積発電所はあった。山の上から鉄管が麓の発電所に伸びてるのが見 える。R29を北上して一旦安積橋で三方川(揖保川)を亘ってから安積の聚落へ入ってみた。
聚落のごちゃごちゃした路地を辿ると聚落の外れの発電所の周りに着いた。正 面は更に外れの方にあったが,国道を安積橋の方へ曲がらず,三方方面の県道を直進すると先ずこの正面に辿り着けるようだった。

安積発電所    
関西電力(株) 安積発電所[水力][DB
兵庫県宍粟市一宮町安積
運開:1939.4[兵庫県]
水路式・流込式
認可最大出力:5,000kW→5,600kW   常時出力:1,450kW (29%)
最大使用水量:8.90m3/s[0.31]
有効落差:71,00m
    水車:立軸フランシス水車×2台 総出力9920kW ←異様にデカい水 車が用意されている。
    導水路:総延長11,933.3m 放水路:総延長 506.5m ←5MW程度と云っては失礼だけどその規模で12km近い導水路を持って居る♪
    流域面積:288.7km2
    取水:揖保川[三方川取水ダム]・深河谷川、引原川[西谷取水口],谷川 245.583m ←DBによると主要設備は引原川であった。
    放水:揖保川 (放水位:不明)

遠景

発電所正面と上部水槽と水圧鉄管(と放水用暗渠の上と思われる空き地)

変電施設

放水設備の暗渠付近(丸石埋めた舗装部がそれと思ったが地 図上ではズレてるかな?丸石は堤防でその横の空き地の下に暗渠が埋まってるっぽい)
20.9
放流口の様子
22.4
揖保・引原両河川がここで合流。此処から下流の様子はこちら参照


【開発 篇】増強案検討      

まあDB の水車の定格が9920kWってのを信じて(ホントかよ!?嘘くせえwまあ時折明確な誤記が散見されるDBではある。。)水を持ってくるだけで増 やせるとする。

①揖保川本流(引原川から北側は三方川?)の一本東側,染河内川から導水する。揖保川を渡る鉄管(orサイフォン) が必要。
染河内川の向こう側は市川水系の小田川である。
導水距離:?
流域面積:21.2km2


②同じく西谷取水口から数百m西に伸ばして斉木川より導水
流域面積:89km2

③現在3.95m3/sの取水量の西谷取 水口の取水量を増やす。
流域面積:129.3km2・内引原ダム流域は現状の57.5km2に赤西導水17.0km2含 めた72.2km2で5.0m3/s。残りの57.1km2で新規取水。の8.9km2含めて138.2km2
降雨量:1700~1900mm程度
含めた138.2km2や引原ダム放流水の5m3/s等を考慮に入れて10m3/s程欲しいかな。


④三方川取水ダムでの取水量の再検討
流域:149.2km2
こちらはダム(貯水池)は無いが水量は西側よりやや多めの1,900mm~である。矢張り10m3/s程は取りたい。


の染河内は一寸遠いのでなしとしても②③④を併せると20m3/s近く行けるのではないか。
但し9.9MWに必要な水量は15.7m3/s程度なので両系統から最大8m3/s程取れるとして必要に応じて吐水口から流す事にする。
問題は導水管の容量であるが必要に応じて拡幅する必要があるのかも。もし導管を増強するなら将来は20m3/s・12,600kW程度を睨んだ余裕を持っ て準備しておくと良いだらう。

[増強私案]安積発電所
水路式・流込式
出力:9,900kW[+4.3MW]
水量:15.7m3/s[+6.8m3/s]
有効落差:71.00m
水車:立軸フランシス水車×2台 総出力9920kW
取水:揖保川[三方川・深河谷川]・染河内川・引原川[谷川・西谷・斉木川]
放水:揖保川172m

<未利用落差25m>

神野発電所取水堰147m

神野発電所
 最大出力     (kW)       1,190
  常時出力     (kW)       308
  最大使用水量     (m3/s)       10.20
  有効落差     (m)       14.61
  取水位     (m)       147.412
  放水位     (m)       不明
  水系名             揖保川
  河川名             揖保川
  級別             1
  流域面積     (km2)       372.7
  発電形式             水路式
  発電方式             流込み式
  当初運転開始年月     (西暦年.月)       1923.09

神野が10m3/s程取ってるけど,別に20m程度は取れそうである。
安積放流水を使って神野横で発電してみる

[増強私案]新神野発電所(or神野発電所2号機)
出力:5,900kW[+5.9MW]
落差:35m
水量:20m3/s
流域:
導水:4.7km
取水:揖保川[安積発電所・揖 保川引原川出合168m]・高 尾川→川風景] 170m
放水:揖保川[神野発電所]131m