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20.12.06運開
利根川水系片品川②

片品川は群馬・栃木・福島の3県境の黒岩山 に源を発し、流域面積673.1km2、幹線流路延長60.8km、平均河床勾配1/37の利根川の左支川です。とねさぼう

片品川は山の北側の向こうは檜枝岐,阿賀野川流域檜枝岐川(伊南川)である。東側 の向こうは川俣ダム,鬼怒川流域である。

流域の水量(m3/s)は面積(km2)に対して3%程度(私の経験則の10km2で1m3/sの法則に対してで云うと30%)と極めて小さくなっている が,1200~1600mm/年の割りと小雨地帯であることが大きな理由っぽい。とは言え30%は一寸小さすぎで50%位はあっても良さそうな気もするけ ど。。
本項では片品川の流域の中では降雨がそれ程少なくは無い地域,概ね薗原ダム以上を扱う。たわたわさん製作の概念図が便利 である。根利川の発電所の位置だけ一寸疑問だけど。
薗原ダム以下のその1はこちら

調べていく内に3つのダム建設構想が引っ掛かった。いずれも行革の流れの中で中止になってしまった。
薗原ダム
出 典: Wikipedia
…利根川上流ダム群の一つで…、ダム群の中では藤原ダム(利根川)・相俣ダム(赤谷川)に次いで三番目に建設されたダムである。

ダムの目的は第一にカスリーン台風時の出水を基準とした計画高水流量にも耐えられる利根川の洪水調節である。ダム地点で計画高水流量(毎秒2,350トン)を毎秒800トンカットし、他の 利根川上流ダム群と連携して伊勢崎市八斗島(やったじま)地点における計画高水流量(毎秒17,000トン)を毎秒3,000トン程度カットする。…ま た、不特定利水については、利根川沿岸地域の農地1,200haに対し、慣行水利権 分の用水補給として最大で毎秒70トンを供給する。

…薗原ダムには上水道供給目的がないので、厳密には首都圏の水がめとは見なされない。…

戸倉ダム計画

利根川水系のダムの中では比較的規模の小さいダムであり、渇水の際にはダム湖である薗原湖の貯水率は低下しやすかった。このため独立行政法人水資源機構 (当時は水資源開発公団)は利水機能強化のために、薗原ダムのさらに上流にある利根郡片品村戸倉地点の片品川に高さ158.0mの重力式コンクリートダム(当初はロックフィルダム)であ る「戸倉ダム」を建設する計画を発表した。

総貯水容量 は92,000,000m3で薗原ダムの4倍の容量を有し、完成すれば利根川水系のダムでは奈良俣ダムと並ぶ堤高となり、全国の重力式コン クリートダムの中でも高さ1位となる予定であった。戸倉ダムは付け替え道路の工事を既に始めていたが、近年の公共事業再評価の波の中で水需要の減少という 要因も重なり、上水道が供給される最大受益地である東京都の石原 慎太郎知事が事業からの離脱を表明。事業参加の可否を検討していた埼玉県・千葉県の各知事も東京都の動きを受け相次いで事業からの参加撤退を表明した。こ れにより建設費財源が確保できなくなり、2003年(平成15年)に水資源 機構を所管する国土交通省は正式に建設中止を表明した。この後ダム建設現場では建設前の環境に戻す植生工事などを行って、ダム建設は未完の まま終了する。

また、片品川流域では同じく水資源機構によって支流に2基の大規模多目的ダムを計画し ていた。一つは泙川に建 設を計画していた「平川ダム」(ロックフィルダム・堤高146.0m)で、もう一つは栗原川に建設を計画していた「栗原川ダム」(ロックフィルダム・堤高 160.0m)である。何れも総貯水容量が 40,000,000m3と薗原ダムの倍の貯水が可能で、栗原川ダムは利根川水系では最も堤高が高く、かつロックフィルダムでも全国三番目 の堤高となるような大ダムが計画されていた。だが、戸倉ダムと同様に水需要の低迷で下流受益地からの事業参加が見合わされ、平川ダムは2002年(平成14 年)に、栗原川ダムは2004年(平成16年)に計画が中止となった。 (強調はとはずがたり)


税金の無駄遣いの阻止に果たした民主党の攻勢を私は評価するが,人口減少時代に過大な人口増で過大な水道需要見積もって巨大ダム事業で天下りを確保しよう としてるから事業に対する信頼が失墜したのである。更に原発事故でレジームは変わったのである。ロシア危機も畢竟エネルギーが武器となっているの である。原発みたいなまやかしでない純日本国産エネルギーの水力発電をメインに据えて計画を再開すべきであろう。水道みたいな人口減少時代に何時迄も大量 に確保する時代錯誤は終わったのである。発電と治水に絞って計画を再編して強力に実行していくべきであろう。中止になったのを奇貨に,自然エネルギーを活 用出来る筋肉質で力強くSDGsな経済に再生を図るべきである。


場所・河川
目的
堤高
堤頂長
総貯水量
有効貯水量
流域
湛水面積
その他・備考
戸倉ダム[便覧
片品川・戸倉地点
FNW
158.0m
530m
9,200.0万m3
8,700.0万m3
72km2
200ha

平川ダム
平川・

146.0m

4,000.0万m3




栗原川ダム
栗原川・

160.0m

4,000.0万m3






~沿川風景~

(源流・黒岩山)

東京電力RP(株) 戸倉発電所[水力
運開:1962.10
認可最大出力:8,800kW 常時出力:1,600kW (18.2%)
最大使用水量:6.24m3/s(66%)
有効落差:164.20m
流域面積:94.5km2
導水路:総延長10210.0m
取水:片 品川(1173.80m)笹 科川(1175.2m)硫 黄沢・他
放水:片 品川(1001.20m)

発電所の目の前の渓谷に巨大なサイフォンを建設する必要があるが,2.96kmの導水路建設で車 沢から上部水槽へ導水可能。更にEL1330m程で導水路建設することで長 イ沢からも導水出来てこれで合計8.5km2(ちいせえw)



東京電力RP(株) 栓ノ滝発電所[場 所][水力
運開:1941.12
認可最大出力:2,800kW→5,600kW[+2.8MW]   常時出力:900kW
最大使用水量:4.70m3/s→6.5m3/s
有効落差:73.08m→106.08m
水車:出力2840kW×1台
発電機:1台
導水路:総延長4340.0m
流域面積:115.2平方キロメートル
取水:片品川、笹科川(1000.72m)
放水:片 品川(922.07m)

上流の戸倉と栓の滝は綺麗に連檐しているけど,栓の滝と下流の鎌 田発電所片品川取水堰899.4m迄の間に23m程の未 利用の落差がある。また上流の戸倉の最大水使用量が6.24m3/sに対して4.70m3/sしか使用して居らず過少である。下流の方が古 い発電所の場合に時折発生する事案である。
地下化と共に900m程延長して放水口を標高差23mを稼ぐ。
戸倉の取水後,栓の滝の取水までの流域は30.8km2ある。戸倉の比率6%を使うと1.85m3/sの未利用の水量がある。これくらい強化して倍増するのもい いではないか?



小川

東京電力RP(株) 丸沼発電所
運開:1939.2
最大出力:4,300kW 常時:860kW
水量:1.88m3/s
落差:283.4m
領域:17.6km2 (10.7%)
取水:小川(菅沼)、仁加又川 1729.27m
放水:小川(丸沼)1427.88m


東京電力RP(株) 一之瀬発電所
運開:1937.12[上毛電力(株)]
最大出力:10,700kW 常時:860kW
水量:4.73m3/s
落差:281.30m
領域:30.4km2 (15.6%)
取水:小川(丸沼)[丸沼ダム]→大尻沼 1406.3m
放水:小川1109.7m


東京電力RP(株) 白根発電所
運開:1954.3
最大出力:10,300kW 常時3,400kW
水量:6.00m3/s
落差:204.46m
領域:46.3km2 (12.9%)
取水:一之瀬発電所、小川、清水沢、赤沢、他1109.5m
放水:鎌田発電所895.85m


大滝調整池
場所:779.3m
取水:
送水:幡谷発電所?


東京電力RP(株) 鎌田発電所[水力]
所在地:群馬県利根郡片品村東小川
運開:1954.3
水路式・調整池式
認可最大出力:11,600kW 常時出力:2,400kW
最大使用水量:12.00m3/s
有効落差:111.07m
水車:出力11900kW×1台
発電機:1台
導水路:総延長8227.5m
流域面積:214.9平方キロメートル
取水:片 品川、小川(白根発電所)、車 沢、他899.25m
放水:小川(大滝川)779.85m

幡谷発電所片品川取水堰
場所:775.2m

塗川

塗 川網 沢川取水堰
流域面積:49.6km2
 


東京電力RP(株) 幡谷発電所[水力
所在地:群馬県利根郡片品村幡谷
運開:昭和 2(1927)年11月[所有:??]
水路式・調整池式
認可最大出力:9000kW  常時出力:3500kW
最大使用水量:11.13立方メートル毎秒
有効落差:95.333m
水車:2台 総出力9300kW
発電機:2台
導水路:総延長7923.9m
流域面積:289.7平方キロメートル
取水:片品川775m、小川(大滝調整池?)、塗川778.7m網沢川777.7m他777.86m
放水:片品川[千鳥発電所取水堰]677.33m

東京電力RP(株) 千鳥発電所[たわたわ
運開:1927年
出力:2,200kW
水量:?
落差:?
取水:片 品川(676m)[幡谷発電所放水口]677.33m
放水:片 品川(644m)岩室発電所取水堰]649.40m

岩室発電所片 品川取水堰ダム が好き
取水位:649.40m?
取水量:13.92m3/s[平川と合算なのか別々なのか気になる所。差し当たってこの値は岩室の使用量に等しい]
送水:岩室発電所

~泙(ひら)川~
泙川綜合開発
岩室PS平川取水口に向けて発電を検討する。最奥部では1500m超の場所もある。

結構,支流が輻輳している









栗原川でいまいちだったので水量が期待出来ない以上高度を稼いで見る。

三重泉沢
取水:1261.1m
流域:9.4km2


滝ノ沢
取水:1264.1m
面積:3.0km2


大立沢…泙(ひら)川より一本北側の支流
取水:1264.7m
面積:2.4km2


[構想]奥泙(ひら)川発電所
出力:3,700kW[+3.7MW]
落差:552m
放水:707m
導水:8.1km(0.46)
流域:2.4+3.0+9.4=14.8km2→0.8m3/s(5%)


岩室発電所泙 川ダムダムが 好き
取水位:649.40m?
取水量:?
流域面積:74.0km2
 



~栗原川~

栗 原川(753m)で 流域:35.0km2从って水量は取れても2mってとこ。ここから薗原ダム(584m)に放水しても2.8MW程度。不可不可。
もっと高度を稼ぐ。


[改訂版構想]栗原川発電所
出力:4,000kW[+4.0MW]
水量:1.4m3/s
落差:347m
流域:27.1km2
取水:栗 原川栗 原川支流900m
放水:薗原ダム548.6m




薗原(そのはら)ダム[便覧][水力
河川     利根川水系片品川
目的/型式     FNP/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     76.5m/127.6m/173千m3、減勢工延長:123.5m(内、副ダム敷幅34.5m)
流域面積/湛水面積     606.9km2 ( 直接:493.9km2 間接:113km2 ) /91ha
総貯水容量/有効貯水容量     20310千m3/14140千m3
ダム事業者     関東地方建設局[国土交通省関東地方整備局管轄]
着工:1959.4 / 竣工:1965.9 or 66.2 or 66.3
標高
     天端標高:566.500m
  常時満水位標高:564.000m(サーチャージ)
    越流頂標高:558.000m
 夏期制限水位標高:550.00 m
   最低水位標高:543.50 m
コンジット中心標高:533.000m
利水放流管中心標高:522.000m
 副ダム越流頂標高:505.000m
     河床標高:494.000m
   水車中心標高:404.0 m
流域面積:607.6km2 (直接:493.9平方キロメートル 間接:113.7平方キロメートル) (3.3%)
取水:片品川・高 沢川根 利川
放水:白沢発電所(20m3/s)・片品川

・F…治水容量1,414万m3を利用し、ダム地点の計画高水流量2,350m3/sのうち800m3/sの調節を行う。
・N…利水容量(洪水期300万m3、非洪水期1,322万m3)を利用し、既得用水の安定化及び河川環境の保全等のための流量を確保
・P…ダム水路式で最大出力22,600kWの薗原第1発電所(現白沢発電所)を新設して発電を行うとともに、下流に平出ダムを築造して逆調節池とし、最 大出力5,200kWの薗原第2発電所(現利南発電所)を新設して発電を行います。さらに片品川支川根利川から最大 6.0m3/sの流水を薗原ダムに導水し発電を行います。

東京電力リRP(株) 岩室発電所[水力
所在地:群馬県沼田市白沢町岩室
運開:1915(T4).7[利根発電(株)]
水路式・調整池式
認可最大出力:19,600kW  常時出力:10,500kW (53.6%)
最大使用水量:13.92m3/s (33.4%)
有効落差:158.31m
水車:出力20100kW×1台
導水路:総延長10247.2m
流域面積:416.5km2 (3.34%)
取水:片 品川泙 川(ひらかわ) 649.40m
放水:上久屋発電所、片品川 475.66m