水力いろいろ 富士川 早川
 22,1,17作成
芝川・潤井川の水力発電[24.12訪問](→芝川篇)
~潤井川篇~

芝川町の存在や流域面積・水量からこの辺の富士川の支流は兎にも角にも芝川だとのイメージがあるが,富士市の中心部を富士川が流れてないのと同様,芝川も かなり隅っこを流 れている川でこの辺の川といえば富士宮中心市街から田子の浦に流れ込むのは潤井川である。富士市は今の富士駅が中心駅みたいな顔をしているが,元々あんな 場所は辺鄙な加島村で富士郡の中心地は吉原宿であった。その加島と吉原の間をこの潤井川は田子の浦に向かって流れているのである。

ということで潤井川は富士川の支流ではない様に思えるが,農業用水っぽい名前の大堰川を介して繋がっているからか,富士川水系に組み込まれている。富士の 湧水で水量が豊富なのか潤井と水が潤ってる感じの名前も好ましい♪
上流は大沢川となってて富士山最大の崩落地,大沢崩れを源流としているようである。

調べて見ると[→出典: wiki] もともと田子の浦で流れ込むのは沼川で潤井川は沼川の支流だそうである。また潤井川第一発電所の取水地付近に星山放水路があって水を富士川に流してて,大 沢崩れを発生源する土石流による災害に度々見舞われていた沿川の災害抑止に大いに役立っているそうだが,これをきっかけに沼川水系を富士川水系に組み込む 事にした様だ。放水路建設をきっかけに神戸川が斐伊川水系に組み込まれたのと同じか。詰まり古くからの上流からの流入のせいで組み込まれているのではなく 近年の下流の災害防止対策をきっかけとした分流で組み込まれたということらしい。上流ではなく下流,流入ではなく分流と理由は真逆であったがまあ本来の水 系は別というのはあっていた。

大沢崩れを源流としているので上井出付近のR139との交叉付近では涸れ川となっているよう(→ 地理院) だが,wikiに拠ると「源流部は大沢崩れを源とする大沢川と呼ばれ、普段は水が枯れている。上流域は現在でも芝川から取水した用水や生活排水が流れ込む ことで形態をなしているため水量が少なく、以前は富士宮市の大中里地区を流れるあたりまでは飢渇川(きかつがわ)と呼ばれた。そしてそこから下流を潤井川 としていた」とのことで水量豊富な印象の潤井川とはまた別の顔をしているらしい。

24.12に現地を訪問,その順序通り下流より遡ってレポをする。大堰川はさしあたっては芝川篇に残してある。


発電所一覧(①~⑯の情報は2018年 12 月 現在)
No
発電所名 事業者 利用河川等 出力(kW)
水量
(m3/s)
落差
(m)
備考
最大
常時(対最大常時比)

大棚(おおだな) 東京発電(株)
芝川
五斗目木川(ごとめきがわ)
630kW
450kW(71.4%)
5.00m3/s
15.65m
既設小水力
[1]
猪之頭

芝川
4,000kW
2,200kW(55%)
10.00m3/s
50.13m

[2]
足形

芝川
1,900kW
1,500kW(78.9%)
7.43m3/s
30.91m
放水:内野発電所
[3]
内野

足形PS
1,700kW
1,400kW(82.4%)

29.10m


白糸
芝川 650kW
225kW
4.17m3/s
24.24m
既設小水力・放水:猪の窪川(芝川合流部)
[4]
狩宿(かりやど)
芝川(白糸[24.12訪]・音止) 1,700kW
1,700kW(100%)
4.16m3/s
50.0m
常時=最大→水量増やせる筈

半野(はんの)[24.12訪]
(横手沢?→)半野川[24.12訪] 200kW
34kW(17%)
0.83m3/s
34.50m
既設小水力

熊久保 王子エフテック(株)
〃 /原川(はらかわ) 420kW

1.113m3/s

〃 放水:大堰用水(大堰川)

小水力発電設備 白糸滝養魚場
湧水(半野川)
19.8kW


約3.5m
https://rief-jp.org/ct10/105353
[5]
大倉川
東京発電(株)
大倉川
1、900kW
1,500kW(78.9%)
2.37m3/s
100.15m


観音橋
芝川
970kW
150kW(15.5%)
1.67m3/s
72.03m
既設小水力
[6]
東原
王子エフテック(株)

965kW

4.035m3/s

〃 →ただし『ふじのみや探検第28号』で は
何故か小水力にカウントされず

的場第二

大堰(おおぜき)川 270kW/420kW[EJ
3.06m3/s

既設小水力

的場第一


250kW

1.948m3/s


[15]
新的場[GM] /的場?[EJ]


703kW[EJ]




猫沢(ねこさわ) [24.12訪] 東京発電(株)
猫沢(ねこざわ)川 [24.12訪] 400kW

1.66m3/s
33.35m
〃 ・ねこ「さ」わPSにねこ「ざ」わ川なのか?
[7]
北原 [24.12訪]
芝川・猫沢PS [24.12訪] 1,100kW
740kW
5.56m3/s
25.77m


青木[24.12訪]
大堰(おおぜき)川[24.12訪] 840kW
840kW(100%) 1.39m3/s
75.90m
既設小水力

大鹿窪(おおしかくぼ)

芝川
770kW
560kW(72.7%)
5.57m3/s
16.87m
既設小水力
[8]
鳥並
中部電力(株)
芝川
1,200kW
950kW(79.2%)
8.348m3/s
16.88m
放水:西山PS
[9]
西山

鳥並PS
2,100kW
1,600kW(76.2%)
8.125m3/s
30.22m
放水:長貫PS/芝川
[10]
長貫

芝川・西山PS
3,400kW
1,600kW(47.1%)

50.55m

[11]
芝川
王子エフテック(株)
芝川、久保川、小久保川
1,500kW
965kW(64.3%)
4.17m3/s
47.09m


芝富 中部電力(株)
芝川,長貫PS? 630kW
520kW(82.5%)
11.408m3/s
7.43m
既設小水力

富士宮マイクロ
水力発電設備
王子マテリア(株)
富士工場?
湧水



既設小水力・https: //www.jstage.jst.go.jp?
[※]








[12]
潤井川第一[24.12訪問] 王子エフテック(株) 潤井川[24.12訪問] 1,360kW
890kW(65.4%)
4.90m3/s
34.85m
中水力
[13]
〃 第二[24.12訪問]
[24.12訪問] 4,200kW
2410kW(57.4%)
10.52m3/s
50.0m

[14]
〃 第三[24.12訪問]
〃 ・潤井川第二PS[24.12訪問] 2,600kW
1,970kW(75.8%)
11.13m3/s
31.32m


本門寺第一(内野)
三峰川電力(株)
北山用水
120kW



新設小水力・三峰川電力

本門寺第二(上井出)


140kW



〃 ・ 〃 

しずぎんアクアエナジーパーク
家康公用水発電所
東京発電(株)

158kW


23.8m
〃・約11.0GWh/年
19運開・21.10リニューアル・NHKTBS静 銀

富士山本門寺堀発電所
(N法)富士山スマート
エナジー

9.9kW

0.4m3/s
4.75m
〃 N 法:NPO法人



3.潤井川[24.12訪問]

王子系列の一部水力発電所は日本発送電から中電所有に収まってるのに潤井川の下流三つの発電所はいずれも戦前運開なのに王子エフテック所有になってるのは どん な経緯??

24年年末の帰省時,文具に興味ありの息子が吉原にあるペンネ19マルウチと いう文具屋に行きたいと云いだして,吉原と同時に芝川・潤井川の視察を決行することに。
ペンネ19は古い宿場町の吉原に良くフィットした雰囲気のいい文具店で息子が1時間ほど夢中で文具を漁ってる時,二階に併設されてるセルフカフェで仕事し つつ富士宮近傍の水発の下調べをしてゆったりと過ごした。
1時頃出発。先ずは潤井川第三を目指す。入山瀬駅の裏手付近にあるらしい。
この辺は鷹岡本町という地名で旧富士市を形成した鷹岡村はこの辺か。(発電所は対岸で富士宮市となる。)

[14]王子エフ テックス(株) 潤井川第三発電所[水 力
静岡県富士宮市山本
運開:1925.10
水路式・流込式
   認可最大出力:2,600kW→3,070.0kW[+470kW]    常時出力:1,970kW[75.7%]→?
    最大使用水量:11.13m3/s → 増なし?
    有効落差:31.82m
    水車:立軸フランシス水車×1台、横軸フランシス水車×1台 総出力2600kW
    導水路:総延長898.7m
流域面積:164.7km2
取水:潤井川(第二取水口)、潤井川第二発電所57.76m
放水:潤井川(龍巌淵付近) 25.95m

建屋・放流点[場 所
24.12

川は溶岩でゴツゴツしていてその脇に発電所があった。この溶岩を龍巌淵というらしい。

建屋近景と看板

水圧鉄管。低い。。有効落差30mも取れるの?って感じだが,屈折してて更にその奥の上の方に上部水槽があるようだ[→G 空撮]。


再エネ認定標識


Q1:疑問
水力DB由来と思われるデータとしては2.,600kW[→諸元]だが,再エネの認定標識だと3,070kWと なってる。
使用水量を増やしたか水車の交換で出力が増えたか可能性としては後者が高そうであるが,,(→解)

余水吐?[こ こ


r176沿いに放水路があるようだ。[ス トビュウ地 理院

[Q2]その先の流込先は不詳。2方向に水は行ってる?(→未解明)


さて,潤井川左岸を北上していく。王子エフテックの工場の敷地みたいなところをゆく。水が綺麗。


暫く行くと潤井川第二発電所につく。

潤井川第二発電所と第二取水口と新東名

地図


王子エフテック(株) 第二取水口[場 所
取水量:11.128m3/s

Q4
潤井川第二発電所の直下にあって潤井川第三発電所向けの取水設備が第二 取水口という名前の様でどうもずれがあるような。。(→解)


看板


利水票


水門諸元


沈砂池なのか?上流の潤井川第二発電所の放流水と潤井川の水を併せている感じ?[場 所


A1:
Q1の答えであるが,ここでの調査より,潤井川第二の使用水量が10.52m3/sに対して第二取水口での取水量が 11.128m3/sということのようである。潤井川第三の11.13m3/sの様なのでどうも使用水量は変わらず(使用水量は小数第三位四捨五入で記 入)で水車の交換等で出力増加と推定できそう。

水量は豊富でここでの取水量を増やせば潤井川第二の発電容量をもう一寸増やすことは可能っぽい?

この取水口に発電所から流れ込む水路



[13]王子エフ テックス(株) 潤井川第二発電所[水 力
静岡県富士宮市山本
  運開:1925.9
  水路式・流込み式
    認可最大出力:4,200kW→4,490kW[+290kW] 常時 出力:2,410kW→?
    最大使用水量:10.52m3/s →増なし?
    有効落差:50.00m
    水車:横軸フランシス水車×2台 総出力4200kW
    導水路:総延長3366.9m
    流域面積:105.8km2
    取水:第一取水口(潤井川) 111.35m
    放水:第二取水口(→潤井川第三発電所)、潤井川57.96m

正門


建屋


再エネ認定標


さて再び上流へ向かう。
次の目的地は潤井川第一発電所である。潤井第一の放流水は潤井川の方へ流れてきて逆サイフォンで川を潜り対岸に送水されていた。



[24.12訪][12]王子エフ テックス(株) 潤井川第一発電所[水 力
静岡県富士宮市山本
運開:1925.9
  水路式・流込式
    認可最大出力:1,360kW  常時出力:890kW
    最大使用水量:4.90m3/s
    有効落差:34.85m
    水車:横軸フランシス水車 出力1360kW×1台
    導水路:総延長1637.4m
    流域面積:105.8km2
    取水:第一取水口(潤井川)111.35m
    放水:用水路(これ)74.62m

潤井川第一発電所建屋

富士宮の教育委員会が建てた標柱。水は公民館の北側で取水とかいてあった。公民館を探せ!である♪

横の水路。普通なら余水吐といいたいところだけど,どうやら現地では余り把握してなかったが発電所の水は用水に使われるので発電所が停止且つ農業用水使用 時に使われる水路の様である。


発電所の放水路(画面右手)と水路(画面左手・恐らく発電所停止中に使われる水路)


逆サイフォンの対岸には水門があって発電所の放流水と併せて水を確保する構造の様であった。

水門

合流部


用水下流方面遠望

A4.
この疑問(Q4)の解はつまり,潤井川第一発電所は下流の第二・第三と連檐しておらず分流を使った発電所と言う事の ようである。
そのせいか,ここは増強はされずの様であった(再エネ認定標が掲出されてなかった様であった。)
更には潤井川第一発電所から潤井川への放水路は確認出来なかった。ここで水を無為に川に流すことはないということの様だ。

Q3.
この先の用水路の名前などは不明。

Q7
直ぐ北側に取水堰あり。ただ標高も合わないし公民館も見当たらない。坂の途中から川を覗き込んで撮影。

取水堰?[場 所

A7
その坂を登り切った所には発電用の水路があった。やはりさっきのは発電とは無関係のようだ。ただどこに送るかなどは 不明。

発電所水路[こ こら


余水吐?[場 所
もう一寸規模がでかくて分水工みたいな機能もありそうだっが,,


遂に下流の第二取水口に対して第一取水口に到着!


第一取水口
取水量:13.91m3/s(→第一発電所4.90m3/s・第二発電所10.52m3/s・合計15.42m3/s)

全景


利水票と水門の塔?[場 所


取水口と水門



Q6
先程の余水吐(分水工?)含め王子エフテックの右岸側 第一取水口で取水された水は右岸を流されてるが,左岸側にも取水口があって農業用水に使われているようであった。こちらは慣行水利権なのか特に標識は見当 たらなかった。用水名などは今の所不明だ。

Q5.
此処での取水量よりも第一・第二の両発電所最大使用水量の和の方が1.51m3/s程多い。他にも取水先があるのか無いのか?
現時点では不明。近くには農業用水もあってもっと上流部で取水し星 山放水路を水管路で渡って来ていて[→地理院]この辺ではレベルはほぼ同じになっていたが。。


星山放水路水門
そしてその直ぐ直上に水門があって,こちら側が分流で直進が本流っぽい流れになっていたが,元々川はここで彎曲しており,直進が後から建設された放水路,星山放水路であった。

そしてこの星山放水路水門・潤井川本流水門で仕切られて水が溜まってる部分は星山放水路水門減勢池というらしい。

多少水は溜まってたが堰から本流の水は流されてない様だ。



2.大堰(おおぜき)用水(大堰川)

芝川の水を潤井川に導水する大堰(用水)である。・

⑨東京発電(株) 青木発電所[水力][静岡県
静岡県富士宮市青木
運開:1911.10
水路式・流込式
    認可最大出力:840kW   常時出力:840kW[100%]←!
設備利用率:72.3% (2009~2017 年年度実績) ←最大=常時(↑)とはいえ流石に100%ではないんだなw
    最大使用水量:1.39m3/s
    有効落差:75.90m
    水車:横軸フランシス水車 出力840kW×1台
    導水路:総延長322.0m
    流域面積:156.7平方キロメートル
    取水:大堰川276.99m
    放水:大堰川196.52m


[※]こ こ[→地理院],大堰用水の東原発電所の一寸裏手辺りの潤井川沿い。実 態は不明ながら発電所マークが。現地 の様子はこ んな感じ[→すとびゅう]

的場第二発電所上部水槽[] [地 理院

⑦王子エフテックス (株) 的場第二発電所[水力
静岡県富士宮市上条
 水路式・流込式
    認可最大出力:270kW
    最大使用水量:3.06m3/s
    取水:大堰川[東原発電所4.035m3/s]
    放水:大堰川

王子エフテックス (株) 的場第一発電所[水力
静岡県富士宮市上条
 水路式・流込式
    認可最大出力:250kW
    最大使用水量:1.948m3/s
    取水:大堰川
    放水:大堰川


大堰頭首工[
河川:芝川EL.393.1m

東原発電所沈砂池[] [地 理院]→す とびゅう(2015.1)には大堰頭首工改修工事との看板が見える。

東原発電所上部水槽[] [地 理院

[6]王子エフテック ス(株) 東原発電所[水 力][場 所
静岡県富士宮市上条
 水路式・流込式
    認可最大出力:965kW
    最大使用水量:4.035m3/s
    取水:芝川[大堰頭首工
    放水:芝川[的場第二発電所3.06m3/s]

正門前はこんな感じらしい。

何が立ち入り禁止だゴラァ!

大人しく敷地を開放しなさい! pic.twitter.com/wjsKMoli8O

— とらべらー@ダム、隧道、廃墟、城跡等を徘徊中 (@Traveler_dam) May 3, 2024