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関門連系増強 中国電力の送電罔

四国の送電罔

昨今の日本の再生エネ電力導入の隘路は東北北海道の風力を首都圏へ,九州の太陽光を関西へであるからその観点から四国の送電罔も眺めて見る。西日本だから 架台もとい課題は九州の太陽光発電電気の関西への送電分ということになる。

発電所<火力及び原子力水力> 送電罔  本四送電線<本四連系線中四幹線> 九四連系線



1.四国の発電所
1-1<火力発電所一覧>
四 国 電力の火力発電所は、 石炭火力発電所が2箇所、石油火力発電所が1箇所、石油・ガス火力発電所が1箇所の合計僅か4箇所。
こ れらの総出力は379.7万kW(=3,798MW=3.8GW)で、四国電力全発電設備に占める割合は、約5割とのこと。
他 の電力会社と比べても非常に小規模であることが解る。単独では系統電力への連系に制約が掛かるのも蓋し当然である。

火 力発電所一覧表(H22.8.1現在)

発 電所名 所在地
出 力
(MW)
ユニット名
単機容量
(MW)
運開
熱効率
使 用燃料
そ の他・備考
四国電力
阿 南発電所 徳島県
阿南市
橘町
幸野 1,120
1号機
2号機
3号機
4号機
(125)
220
450
450
1963.7(2002.4)
1969.1(2011.12)
1975.5
1976.12

  重油・原油
阿南発電所は新徳島発電所として建設。隣接し て橘湾発電所がある。
阿南発電所1号機は長期計画停止中・2号機は2011年12月に運転再開。
電発:売電先→関電 1400MW

橘湾発電所
橘湾火力発電所
小勝 700 1号機
700


石 炭

電源開発
2,100
1号機
2号機
1,050
1,050



四国電力
西条発電所

愛媛県
西条市喜多川
406
→800

1号機
156
→500
1965.11
→2022予

石 炭木質 バイオマス(混焼率2%以下)

→USC
元々石油火力だったものを1981~1984 年に石 炭に変更した。
2022年運開予定で1号機のリプレースを計画
(バイオマスはどうなるのかね?)
2号機
300
1970.6
石 炭木質 バイオマス(混焼率3%以下)
四国電力 坂出発電所 香川県坂出市
番の州

1,446

(1号機 GT)
(34)
1970-2007

コークス炉ガス
1・2号機を石油・コークス炉ガス燃料から LNGへ転換中。
隣接してLNG基地が建設された。
コークス炉ガスは隣 接する三菱化学のコークス工場からのものと思われる。
コークス炉は引き続き3・4号機で利用される。

コークス炉ガスはCCに向かないのかな?

それにしても北陸や中国,北電等と同様に地方の弱小旧一電にとって最新鋭のLNGCC式は投資負担が重いことを示唆している様に見える。
1号機 195
→296
1971-2007
→2010.8.1
57%
[L]
重油・コークス炉ガス
→LNG
汽力
→CC
2号機
350
(→289)
1972-
→2016.8予


重油・コークス炉ガス
→LNG
汽力
→CC
3号機
450
1973-

重油・原油コークス炉ガス
汽力
4号機 350 1974-
2010.3燃転

重油・原油・コークス炉ガス
→LNGコークス炉ガス
汽力
坂出LNG(株)
坂出LNG基地
緑 町
18 万kL*1基 2010.3.25



四国電力70%、コスモ石油20%、四国ガス10%
四国電力
伊方原発

890
(2022)
1号機
566
1977.9-2016.5

原子力
PWR
廃炉作業中
2号機
566
1981.8-2018.5

PWR
廃炉作業中
3号機
890


PWR
2016.7再稼働

合計


4,687







全 火力発電所が使用燃料の取り合わせが異なっている。
坂 出にLNG基地設置,LNG化が行われている。

1-2<水力発電
四国地区水力発電所一覧表
http://www.safety-shikoku.meti.go.jp/skh_d8/08_toukei/26_toukei/suiryokuichiran.pdf

設置者名 発電所名 発県名 ダム名
区分
総貯水
容量
m^3
有効貯水
容量
m^3
水系名 河川名 流域面積
km2
使用水量
m2/s
有効落差
m
最大出力
/常時出力
MW
ダム高
m
使用開始年月 その他
電源開発(株) 長山 高知 平鍋ダム
ダム水路式
調整池式
424万
98万
奈半利川 奈半利川 233.40 40.00 107.86 37.0/11.4 38.00 1960年7月

二又 久木(くき)ダム ダム水路式
調整池式
294万
134万
147.00 45.00 188.90 72.1/15.4 28.00 1963年1月

魚梁瀬 魚梁瀬(やなせ)ダム
ダム式
貯水池式
1億462.5万 7,250万 117.10 50.00 85.10 36.0/4.2
115.00 1965年6月

早明浦
ダム式
貯水池式


吉野川 吉野川 472.00 65.00 76.00 42.0/4.8 106.00 1972年2月
約129GWh/年
電発計
4 地点
187.1


電発の水力発電所は,九州の石炭火発で定められてた様に四国と九州の間でやりとりがあ り,これらの発電所の発電電力の一定量が関門連系線経由で九州へ枠が確保されて いるのであろう。四国と九州の間に直接の系統接続はなく,もともと四国と中国を結ぶのは瀬戸大橋ではなく大三島経由の中四幹線だったが系統的には奈半利川 ~西条~今治~竹原~新広島~新山口~北九州という経路であったし。

2.四国の送電罔
九州の太陽光発電を如何に関西に持っていくかが課題である現状で 南九州・東九州のの太陽光発電の抑制分を日向幹線で大分に運んでそこから伊方へ九四連系線の建設を提唱させて貰ったが,その観点から送電罔も見る。
以下で見るように今の所空いている様であるけど九 州から四国に 渡った電気が中四幹線・本四連系線・紀伊水道連系線等を通じて関西に3000MWとか容量大丈夫やろか? 一応空きはあるようだが勿論これも中電が空きがあるとなってるが実際に大量の潮流を流すとなる と話は違ってくるのと同じであろう。。

先ず伊方1・2号機(1132MW)も廃止になって伊方から讃岐迄その位は空いてる筈である。
紀淡海峡連系線はwiki に拠ると現行250kV1,400MWだが,500kV2,800MWに増強出来る様である。 電発の契約を見るとなんと阿南2100MW中,関電向けが1400MWであり,阿 南の分で全部占めている。。増強が必要である。 その増分1400MWの程度の九四連系線を建設出来そうである。
一体どの位建設費が掛かるのであろうか?
また讃岐から先は 東岡山・西淡・紀北と3方向へ電気送れるからな。余裕は更にあるであろう。
原発の再稼働が進んでベース電源が余剰の九電であるから松島や松浦の計3000MWの電力の一定部分は四国を経由してベース電源が足りない北陸へ送電して も良いかも。

出典:四 国電力(187kV以上系統空容量マップ)

空き容量表(2020.7更新)
No.
送電線名
電圧
回線数
設備容量
(100%*回線数)
運用
容量値
運用容量
制約要因
空容量
その他
当該設備
上位等考慮
1
四国中央西幹線
500kV
2


熱容量
760MW
760MW

2
四国中央中幹線
500kV
2
6,580MW
2,060MW
安定度限界
710MW
710MW

3
四国中央東幹線
500kV
2
6,580MW
2,060MW
安定度限界
500MW
500MW


本四連系線
500kV







4
阿波幹線
500kV
2
6,580MW
3,290MW
熱容量
750MW
750MW

5
阿波南幹線
500kV
2
5,732MW
3,290MW
熱容量
750MW
750MW


阿南紀北直流幹線
DC250kV
2
1,400MW




送電線の設計耐圧は500kV
この電圧に昇圧すると送電容量は2,800MWになる

大元の起点的存在となってゐる伊方原発の1・2号機の計1132MWが廃止され全体的に余裕のある状況のようである。
基本,九州から四国を経由して本州に送ることを考えているのであるけど連続して空き容量は500MW程有るようだ。
東予変電所~讃岐変電所の隘路を解消すれば700MWを連続して送れそうである。麻変電所から三島変電所まで,県をまたく送電線でも建設して負荷を緩和するとかどうであろう??
若しくは東予~三島~井川~讃岐の187kV系統との間で位相調整変圧器でも設置して潮流を調整して増強できないのかな??