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関門連系増強 四国の送電罔
中国電力の発電所と送電罔
発電所 送電罔 再エネ接続

昨今の日本の再生エネ電力導入の隘路は東北北海道の風力を首都圏へ,九州の太陽光を関西へであるからその観点から中電管内の送電罔も眺めて見る。西日本だ から課題は九州の太陽光発電電気の関西への送電分ということになる。


2.中国電力管内の送電罔  

 まあ今の所東北電力や北海道電力等と比較して十分空 いている様であるけど九州から中国に 渡った電気が実際に3~5GW程の大量の潮流を流すとなると話は違ってくる様である。

出典:中国電力(pdf)

2.再生可能エネルギー電力の接続に就いて
出典:中 国電力(2017.3)

風力発電
■2017.2末時点で接続済および接続申込済は約560MW,接続検討申込済は約1000MW
■接続検討申込済は至近1年間で大きく増加している。一方,今後は風力適地が減少することを考慮して,将来的な追加導入量は1000MW程度を想定→中国 電力が考える中電管内の風力賦存は2,520MW程度
■上記により,風力の指定ルール導入量を+1500MWとして算定


太陽光発電
■2017.2末時点で接続済および接続申込済は約6,230MW,接続検討申込済は 約2,500MW
■ 接続検討申込済は継続的に増加している。一方,今後の認定取消などを考慮し て将来的な追加導入量は1000MW程度を想定
■上記により,太陽光の指定ルール導入量を+3000MWとして算定


中国電力エリアの太陽光発電が「出力制御枠」に到達、今後の接続は無補 償に
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1807/17/news036.html

中国電力管内の太陽光発電設備の接続および接続申込済み量が「30日等出力制御枠」である660万kW(キロワット)に到達。今後接続を行う場合は無補償 の出力制御への同意が必要になる。
2018年07月17日 09時00分 公開
[長町基,スマートジャパン]

 中国電力は2018年7月11日、太陽光発電設備の接続済みおよび接続申込済み量が「30日等出力制御枠」である660万kW(キロワット)に到達した と発表した。このため、同年年7月12日以降に、同社送配電系統への太陽光発電設備の接続契約申し込みを行う場合、指定電気事業者制度のもと、年間360 時間を超えた無補償の出力制御への同意が必要になる。

と云う事で今後は下げ代以下に成りそうな時は関電への連系線使って一生懸命送電して出力抑制リスクによる再生エネ電源投資の抑制を避けつつCO2フリー発 電の増加を期せねば成らない。

3.関西中国間連系線の運用容量について
https://www.occto.or.jp/iinkai/unyouyouryou/2016/files/h28_3_2_kansaichugoku.pdf

出典:中国電力2016年9月16日

と云う訳で,関西中国連系線の運用容量である。
現在およそ4000MW程の様である。そう簡単には行かないのは承知の上で云わせて貰えばもう1本ぐらい幹線引き通して6000MW位に出来ないものか。 関電に送り込める様にしておけば出力制御も当面は大丈夫である。

関西中国間連系線の現行運用容量
冬と夏で同期安定性の限度値が高まるのは何故?発電量が増えて稼働してる発電機が高い事が有利に働くってことか?

■2016年度の運用容量は,関西中国間連系線2回線(1ルート断)故障による電圧安定性限度値で決定しているとのこと。

関西中国連系線の電圧安定性の考え方
■関西中国間連系線のルート断事故時は,健全ルート側の潮流増加により無効電力消費が急増するため,主要系統の電圧が低下する。
■主要系統の電圧が大幅に低下すると,大規模停電に至るおそれがあるため,電圧を安定的に維持できる連系線潮流の最大値を運用容量に設定している。




と云う事で,もう1本となると山陽道筋と中国道筋にそれぞれ1本有るので最後は山陰道筋であろう。安易だけどw

出典:中国電力(pdf)
上の図等を見るに日野変電所から新鳥取変電所へ通じるL39・L40を昇圧の上,増強がいいだらう。この境目の猪俣川ダムは揚水発電ダムのようである。
新岡山から日野への容量が一寸心配だけど今も需要地岡山・倉敷方面へ松江方面から流れてる様なので日野か ら関西方面へ流すのはそんなに問題にならないであろう。場合によっては日野の処理能力を上げる必要が出てくるのかな?

いずれにせよここら辺から関西方面を眺めて見る。関電の施設名は推定。喜撰山などと並ぶ関電自慢の揚水発電の奥多々良発電所(R)木辺りに繋ぐのが良さそ うである♪更にはその近くの大河内線(12)辺りも使えそうである。大河内も揚水発電所である。
太線は500kV線。
出典:関 西電力(pdf)

奥多々良木発電所(出力などはこちら参照)は朝 来市の山奥にある(こんな レポも)。新鳥取(変)(此 処)迄ざっと70キロ程度か。大河内も同じく揚水発電所で此 処。南寄りになるが西よりになって結局山崎開閉所(此 処)へ繋ぐ方が安上がりかも。其れを云えば新鳥取変電所ではっはなくもっと西寄りになるが南寄りになる箇所で分岐しても良いかも知れぬ。
番号
系統名
電圧
(kV)
回線

系統
制約要因
空 き容量
その他
中国電力
当該設備
上位系等考慮
L39
俣野川線
220
2
熱容量
550
395

L40
新鳥取線
220
2
熱容量
975
390


関西電力
電圧
(kV)
回線

運用容量
制約要因
設備容量
(100%*回線数)
運用容量値

11
播磨北線
500
2
熱容量
6,580
3,290

12
大河内線
500
2
熱容量
6,580 3,290
22
奥多々良木線
500
2
熱容量
6,580
3,290

容量ががら空きなのは稼働率がそれ程高くない揚水発電故かもしれない。
発電所名
社名
認可出力
(MW)
揚水動力

容量
運開
上部水系・場所 備考
下部水系・場所
大河内発電所
関電
1,280


1992.10
市川水系太田川

市川水系犬見川
奥多々良木発電所
関電
1,932


1974.6
市川水系市川及び油谷川

円山川水系多々良木川
猪俣川発電所
中電
1,200



岡山県新庄村

鳥 取県江府町
関門連系増強の検討結果を見るこ の4000MW(4GW)増送時の問題箇所(赤 線) 及び5000MW時(赤 線橙 線) を何とかしなくて は成らんと云う事のようだ。。岡山以西の同期安定性が厳しいようだが,これは送電線を増強すれば良いと云うものでも無いらしい。

周波数や 電圧を安定させる装備が必要ということになる様だが,この図だけ見るに岡山以東へ送る分には送電線の増強は要らないとも読める。まあ風力発電とか中国山地 に作るとすると新山口~西島根~日野間の安定性増強は不可避となりそうではある。