運開:20.11.26
阿知川・阿智川下流篇(23.7下流訪問)
1.概況 2.現況と増強(上流篇[清内路発電所・黒川堰堤・横
川堰堤・園原堰堤・本
谷堰堤・昼神発電所・駒場堰堤・大沢川]・下流篇[駒場発電所(諸元)・三
穂堰堤・湯
川沢堰
堤・三穂発
電所(諸元)・阿知川堰堤・阿知川発電所(諸元)])
3.開発(3-1:
奥阿智第一発電所[+3.85MW]・奥阿智第二発電所
[+7.15MW]・清内路発電所[+5.7MW]・
奥黒川発電所[+3.3MW]・昼神発電所増強案[+6.1MW]・3-2:三穂・阿知川発電所リブレース[+15.6MW])
~沿川風景~
この日は泰阜ダムを
見学してから米川を逍遙し,阿知川に取り付いた。先ずは最南端の阿知川発電所である。場所とし
ては余り交通量が多くない癖に若番ってこともあって古くから徹底的に整備されて快適(だけど山の中をくねるので速達性は無い・昨今の400番台・500番
台の国道もそこまでカネ掛ける心算なら大反対である)なR151
の立派な橋の下にある。
橋の南詰めから降りる細い道がある。途
中から分岐する道があり,此処が阿知川発電所の取水堰への唯一の車道の様だが封鎖されていた。
釣り下がってる札に面白い情報が。(拡大)
阿知川流域の主な堰堤が全部載ってるぅ~♥(;´Д`)はあはあ
下流から阿知川堰堤・湯川沢堰堤(グーグルの情報あってるんだな。すげえ)・三穂堰堤・駒場堰堤・園原堰堤・横川堰堤・本谷堰堤・黒川堰堤である。
建屋を見下ろす。
発電所への通路
この先は全面通行止めで通り抜け出来ませんとあったので橋がありそうだったが引き返して三穂に向かう。途中阿知川の堰堤も対岸から臨めるかも知れない。(ス
トビュウは普通に通過している。通行止めになったの最近?)
中部電力(株) 阿知川発電所[水
力] ▲
運開:1923(T12).1
水路式・流込式
認可最大出力:810kW 常時出力:720kW[88.9%]
最大使用水量:5.57m3/s[0.26]
有効落差:18.52m
水車:出力860kW×1台
導水路:総延長1013.3m、主要導水路 幅2.00m×高2.18m、延長812.6m
流域面積:213.0km2
取水:阿知川[阿知川堰堤]393.31m
放水:阿知川(天竜川EL.357.3m[泰阜ダム(EL.355m)])372.57m
①流域面積に対して使用水量が少なく,最大出力に対して常時出力の比率が高く,詰まりは豊富な水を全く使いこなせていない状
況である。
②また直ぐ下の
泰阜ダムの満水位に対して17m
程の未利用落差がある。
③また直ぐ上の三穂発電所の放水位414mに対して21m程の未利用落差が
ある。
三穂発電所放水位414mで取水位して泰阜ダム取水位の355mで放水すれば有効落差50m程は取れて,流域面積も200km2程あるので20m3/s程
取ると水車効率87%で8,500kW程の発電所を建設可能である。水路延長3.1km
三穂発電所の使用水量も大したことないので纏めてリプレースした方が良いかも知れない。その場合阿知川の三穂取水口から泰阜ダム湖畔迄7.8km2程。湯
川からの取水は出来なくなるが,南岸(右岸)の相沢川・河内川・鴬巣川等から取水は出来る。後程検討してみる。
結局堰堤は道路脇の茂みに阻まれて見えなかったが途中余水吐っぽいのは見えた。[こ
こ]
阿知川発電所 阿知川堰堤[場
所] ▲
コンクリート取水堰
堰堤高:4.31m/堤頂長58.35m/スライドゲート2門
取水量:5.57m3/s
流域面積:213.0km2
立石発電所[→諸元] ▲
暫くすると立石発電所が見えてくる。
カーナビには立石発電所とあったのですっかり情報を忘れてた私は現地では途中迄立石発電所と思い込んでいたが,昔の名前で現在は三穂発電所という名前であ
る。
現地では今でも地名の立石発電所と呼んでるのかも。
大正浪漫溢れる建屋が現れた(運開は昭和5年であるから昭和産まれだった。。)。左手の見切れてる看板が放水口である。
ちょろちょろと水は流れ出てた。後から湯川沢堰堤や三穂堰堤でみた水量より少ない気がするんだけど。。
三穂発電所(旧称・立石発電所)[水力][DB]
▲
中部電力(株)
運開:1930(S5).3[不明]
水路式・流込式
認可最大出力:6,000kW 常時出力:3,100kW[51.7%] →常時が結構高い。最大水量少なすぎる!
最大使用水量:8.06m3/s (290立方尺毎秒)[0.44]
有効落差:94.55m
水車:出力3581kW×2台
導水路:総延長3360.5m
流域面積:184.5km2
取水:阿知川[駒場発電所]・木槌川?・湯川[これ?(地
理院・G)]
(DBには取水設備3とあるので木槌と湯川は推定)515.20m
放水:阿知川[阿知川発電所]414.88m
近景
木
槌川は兎も角湯
川は取水してるっぽい(→調
べてみるとある!・写
真)と思うんだけど水力さんには記載無し。現地訪問では懸案の湯川ばかり気になって存否が不明の肝心の木槌川をすっかり失念していたw
さて,このレアものの湯川沢堰堤を目指して接近する。う~ん,,一寸入り込める雰囲気では無いなあ。。
と諦めきれずにもう片方のどん詰まりまで行ってみても似たような雰囲気で断念。次をどうしようかとクルマの中で地図とカーナビを交互ににらめっこしていた
その時,奇跡が現れた。
にこやかに歩きのおっちゃん登場。クルマ駐めてたのですみませんと軽く挨拶。と,思い立って,そこの湯川にダムありませんか?ダム巡ってるんですけどと説
明すると,クルマをおじさんの敷地に止めてそこを降りれば良いと細い道を示してくれた。滅茶苦茶感謝である!
さて,山道を小走りにかなりずんずん下っていくとやがてダム様のものが現れた。堰堤が見えてくると直ぐに地平になり,米川堰堤で見
かけた中電の標柱と似たような色(形は違う)の標柱も現れた。
ダム湖(堰堤池)は狭くて,植物も生い茂ったり自然豊かな感じw
湯川の左岸(東岸)には三穂発電所へ送水する取水施設があった。
天端は特に表示は無かったがチェーンが張ってあったので立入を遠慮しておいた。
対岸にも自然に溶け込んだ小径があったりして地元の山作業のひととか使ってても可怪しくは無い雰囲気。
堤体。
振り返れば湯川西岸に三穂堰堤からの放水口もあった(放水はしていた)。
湯川沢堰堤[G]
▲
天竜川水系阿知川支流湯川
取水量:8.06m3/s(湯川沢堰堤~三穂発電所間に取水点が無いとして)
流域:184.5km2(直接9.8km2・間接174.7km2[阿知川])→湯川の調節流域はとは推計・久
米川との流域境界が曖昧。。
三穂堰堤[DB]
▲
堰堤高/堤頂長: 9.50m/74.00m
取水量:7.791m3/s(280立尺毎秒・三穂発電所の使用量は8.06m3/s
(290立方尺毎秒)なので最低湯川では0.215m3/sは取水する訳か・→利水標)
流域面積:174.7km2→湯川の流域から逆算
(主要取水設備) 高さ (m) 9.50
(主要取水設備) 堤頂長 (m)
74.00
(制水門) 型式
スライド・ゲート
(制水門) 門数 (門) 2
橋を渡ると先ずは余水吐が現れた。水は流れていない模様。
満蒙開拓平和記念館の傍にある。
この辺の地図は地理院は不正確でグー
グルの方が正しい。
余水吐と同水路トンネルの分岐付近
水路・満水であろう。
23.7
坑口
余水吐
堰堤の方に歩いて行くと沈砂池出るとことと本流上の制水門の両方が見えてくる。
沈砂池
利水標
制水門とダム湖面
堰堤
手前
DBには制水門が2門とあるが3門あるようにみえる。。
先ず連檐する駒場発電所の放水路が現れる。
発電所は直ぐ向こう側にある。
川の様子
駒場発電所[水力]・
[地
理院] ▲
中部電力(株)
運開:1937.10[不明]
水路式・流込式
認可最大出力:5,600kW 常時出力:2,700kW[48.2%]
最大使用水量:7.235m3/s[0.517]
有効落差:92.00m
水車:出力5800kW×1台
導水路:総延長4464.2m
流域面積:140.4km2
取水:阿
知川[駒場堰堤(昼神発電所放水)]606.71m
放水:阿知川[三穂堰堤(三穂発電所取水)]507.16m
正面
上流篇へ(駒場ダム・大
沢川堰堤)