電 力総研 水 力あれこれ(九 州)
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21.7.1運開

白川の水力発電とダム

緑川の隣りに白川がある。赤白黒が揃う益田川支流と双璧かも。

あちらは木曽川の支流の支流であるがこちらは1級河川同士の並びである。地名に?黒川がある他,緑川の支流には赤井川もある。

沢山のダムが簇生してた緑川に比較してこちらはややささやかであり九電の黒川第一(これが一番巨 大)・第二第三(ここに黒!?)と チッソの白川の計4箇所(と後は小水力) だけである。とはいへ相互に連檐しており良く水を活用はしている様だ[水力


早速下流から見て行く。

(河口・有明海)

(熊本市街)
実は結構急峻な流れで鹿児島本線付近は7mなのが藤崎宮脇で15m,3号線BP付近で23m,九 州自動車道付近で37m,みらい大橋付近では57mとなる。 そしてその後平坦になるかと思いきや,空 港大橋付近で80mとなる。空港大橋付近は豊肥本線で云うと肥後大津。ここまで電化もされている都市近郊的な区間である。一番下流の黒川第三は立 野駅の西側だから結構近い。黒川第三の放水位が157,13mなので二個ぐらいは発電所開発出来 そう。

[私案]白川第一発電所
出力:9,000kW[+9.0MW]
水量:30m3/s
落差:36m
導水:8.8km
取水:白川(岩 坂・阿原目付近)85m
放水:白川(神 園山北側)45m

[私案]白川第二発電所
出力:12,800kW[+12.8MW]
水量:28m3/s →取水も沢山有りそうなので一寸減らす。
落差:55m
導水:4.9km
取水:白川[黒川第三放水口付近]160m
放水:鳥 子川101m

九州電力(株)黒川第三発電所[DB]
水路式・流込式
 最大出力:2,800kW  常時出力:2,100kW
最大使用水量:  18.00m3/s
有効落差:  19.10m
流域面積:     386.6km2
当初運転開始年月     (西暦年.月)       1922.03
現行施設運転開始年月     (西暦年.月)       1981.02
水車:立軸カプラン1台2960kW
取水:白川[黒川第二11.13m3/s・白川9.4m3/s] 178.20m →黒川第二は黒川第一からのみで白川からの取水は無さそうだけどこちらは堰 もある(農業?用水が分岐してる)様子だし取水可能っぽい
放水:白川157.13m

黒川第二の放水量と白川の放水量の放水量の和よりも少量しか使っていないばかりか,黒川第二も黒川第一の全放流量を使えていない。黒川第一と白川両発電所 の水量を併せると30m3/s程度は使えそうで,その場合4,600kW[+1.8MW]程度に出来そう。2台目をフランシスで造ると運用に巾が出せそ う。

黒川第二も第一の水をフル活用するとすると第二・第三とも10m3/s程度の増強になるのでばらばらに造るよりは第一の放流水を受けて第三の放水位程度で 発電する黒川第三発電所2号機でも黒川第四発電所でも良いのでそちらの方が良さそう。

[私案]黒川第四発電所(or立野発電所)
出力:4,500kW[+4.5MW]
水量:12m3/s
落差:46m
導水:2.4km程
取水:黒川第一(10m3/s)・白川(2m3/s)207.00m →黒川第二は白川から取水している様子がないがこ の辺に取水工造って取水したい。未利用水域が29.1km2程あるので2m3/s程取れそう。
放水:白川157.13m

こちらはフランシスで造り,既存ルートの第二・第三のカプランと使い分ければ運用に巾が出せそうである。

九州電力(株)黒川第二発電所[DB]
水路式・流込式
 最大出力:2,100kW  常時出力:1,300kW
最大使用水量:  11.13m3/s
有効落差:  22.70m
流域面積:     383.0km2
当初運転開始年月     (西暦年.月)       1918.11
  現行施設運転開始年月     (西暦年.月)       1975.05
水車:立軸カプラン1台2200kW
取水:黒川第一(20.30m3/s)207.00m
放水:白川・黒川第三(19.10m3/s)179.12m

約20m3/sの第一・第三に挟まれて10m3/s強しかない第二。20m3/sに倍増すると4,100kW[+2.0MW]程度は見込めそう。

JNC(株) 白川発電所[DB
最大出力:9,000kW   常時出力:4,400kW
最大使用水量:9.40m3/s
有効落差:116.53m
流域:161.0km2
導水路:総延長3,078.1m
水車:横軸フランシス 4,640kW
当初運転開始年月     (西暦年.月)       1914.11
現行施設運転開始年月     (西暦年.月)       1997.08
取水:白川(308.10m)      
放水:白川(184.28m)      

~黒川~
九州電力(株)黒川第一発電所[DB]
水路式・調整池式
 最大出力:42,200kW  常時出力:11,600kW
最大使用水量:  20.30m3/s
有効落差:  244.90m
流域面積:     383.0km2
当初運転開始年月     (西暦年.月)       1918.11
  現行施設運転開始年月     (西暦年.月)       1975.05
水車:横軸ペルトン・立軸フランシス計2台44,500kW
取水:黒川・下野谷川[計5箇所]462.00m
放水:白川[黒川第二]204.65m


黒川取水堰459m
黒川と下野谷川に計5箇所有るらしいってのがDBの記述なんだけど この堰以外は下野谷すらみつからん。。
川そのものも此処以降は流れが緩やかで新開発出来そうな発電所・取水堰候補地はなし。



チッソ・白川取水堰:308.10m
流域:161.0km2
取水量:9.40m3/s
取水位:308.10m

此処に向けて発電したい。黒川よりは標高が低い様子でポテンシャルがある。以下で検討する。

~白水高原~
南阿蘇村にある高原である。もともとそういう地名があった風では無いので新しく捏造した地名っぽくはあるけど,白水高原でいいのに長ったらしい珍奇な名前 付けて気持ち悪い駅が南阿蘇鉄道にあった(地震の影響で営業休止中だが未だある)が,要するに地下水が滾々と湧き出る清水の里でそれをアピールしたかった 駅名の様で,今回それを利用した小水力発電が運開したようだ。
あんな長ったらしい名前付けても湧水の里だとは水力発電に興味持つ迄認識して貰えない(名水の地なんて日本中にある)んだから諦めて営業再開時には普通の 名前に改称して欲しい。まあ事情が繋がって個人的にカタルシス(?)は得られたけど。
なお白川本流の水を使うのでは無く湧き出る農業用水を利用するので本流の発電の邪魔はしてないし本流から取水しても大丈夫であろう。

南阿蘇水力発電所[く まもと温暖化対策センター][セキュ リテ][西日本新聞] [朝日新聞
南阿蘇水力発電(株)(株主:5法人・4個人)
最大出力:199kW
水量:?(0.66m3/s程度?)
有効落差:36m
導水路:約1km
着工/運開:2020.1/2021.4
スキーム:FIT売電。売電収入は年間4600万円の見込み。このうち400万円は利水料(用水の使用料や管理委託料)として、地元農家でつくる久木野村 土地改良区(567人、580ヘクタール)に配分される。
経緯:小水力発電をめぐっては県とNPO法人くまもと温暖化対策センターが県小水力発電研究会を設け、2009年から事業候補地を検討。県内36カ所の候 補地から第1号として南阿蘇村久木野地区を選んだ。2013年に5法人と4個人が南阿蘇水力発電株式会社を設立、14年に事業認可された。日本大震災後に 太陽光発電施設が急増して送電トラブルが生じていたほか、16年の熊本地震などの影響で着工が遅れ20年1月になった。南阿蘇水力発電株式会社に参画して いる熊本利水工業によると、小水力発電は南阿蘇村に続いて大津町と山都町(2カ所)でも設置が予定されているとのこと。
出典:く まもと温暖化対策センター
ちょっと上流の川 が十字になってる辺り(ggl空撮)からも取水出来ると良さそうだけど此処らでも部分的に372.2mと取水工よりも低い標高になってる箇所があ る。。けどまあ行けそうではある。
水量倍増ぐらい出来るのでは無いか?少なくとも1.0m3/s程度に出来て300kW位には出来そう。


11.0km程導水するとEL436m・ 流域70.4km2に至る。

湧水が豊って事は火山灰で水が滲み込んでしまうということであるが,一帯は湧水が豊かであり,この上流にある高森でも高千穂への国鉄線延伸のトンネル工事 中大湧水事故が起きて工事が中断しそのまま今でも毎分32トン,詰まり利水マニア的には0.53m3/s,の水源となった湧水トンネル[南阿蘇鉄道]も あるし,まあ水が吸い込まれてしまって取れない地帯ってことはなさそう。
寧ろ安定的に滲み出してくれてそうである。6.0m3/s程度期待しても良いのではないか?

[私案]西阿蘇発電所
出力:6,100kW[+6.1MW]
水量:6.0m3/s
落差:124m
導水:11.0km
取水:白川436m
放水:白川[白川発電所]308m