電 力総研 水 力あれこれ(九 州)
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21.6.25運開

緑川の水力発電とダム

チッソ(株)[現JNC]と九州電力(株)と熊本県企業局が競って電源開発している[水力]。 熊本県中部の緑川である。直ぐ北側には白川もある。

最上流の南北源流が2600mm程度振ってて期待出来る。
出典:九 州地方整備局

(河口)

~加勢川・屋形川~

天君(あまぎみ)ダム〔農 業土木試験場報告1965〕〔便覧〕
河川     緑川水系矢形川
目的/型式     F/重力式コンクリート
堤高/天端標高     39m/EL123m
計画満水位EL.121.  50m (満水深36. 50m)
流域面積/湛水面積     14.7km2 ( 全て直接流域 ) /15ha
総貯水容量/有効貯水容量     1661千m3/1340千m3
ダム事業者     熊本県
着手/竣工     1961/1970

1965年の論文だけど未だ熊延鉄道(1964.3末廃)が描かれている♪



~御船川・八勢川・七滝川 ~

七滝第二     チッソ(株)[DB
運開/改修:1938.03/1987.05
水路式・流込み式
出力:2,800kW 常時:1,600kW
水量:3.47m3/s
落差:100.29m
水車:横軸フランシス1,480kW*2
導水路:総延長1,997.1m/692.3m
流域:  99.0km2
取水:八 勢川御 船川(七滝川)162.73m
放水:八 勢川55.71m
   

七滝第一    チッソ(株)[DB
運開/改修: 1938.03/1990.02
水路式・流込式
出力:1,600kW 常時:700kW
水量:1.53m3/s
有効落差:127.33m
水車:横軸フランシス1,680kW*1
導水路:総延長1,848.4m
流域:40.2km2
取水:328.79m
放水:193.71m
   



新甲佐発電所から発電所が連続する緑川電源地帯の心臓部となる。
新甲佐からもう一発,発電出来ないかな

[私案]下甲佐発電所
出力:4,900kW[+4.9MW]
水量:35.0m3/s
落差:17m
導水:3.9km
取水:緑川[新甲佐発電所]44m(蓋渠orサイフォン)
放水:緑 川25m

新甲佐発電所  九州電力(株) [九電][DB
運開:2019.8.2
所在地     熊本県上益城郡甲佐町大字安平字上原892番
最大出力     7,200kW 〔+3,300kW〕
 最大使用水量     35.0m3/s 〔+15.7m3/s〕
有効落差     24.46m
年間発電電力量     約30,000MWh〔+6,000MWh〕
流域面積:436km2
取水:緑川[塚瀬ダム]72.00m[更新前データ]
放水:緑川43.68m[更新前データ]

甲佐発電所=廃止   九州電力(株)[DB
運開:1951.08
水路式・流込式
  最大出力     (kW)       3,900   常時出力     (kW)       1,500
  最大使用水量     (m3/s)       19.30
  有効落差     (m)       25.10
水車:立軸カプラン4,300kW*1台
  取水位     (m)       72.00
  放水位     (m)       43.68
  流域面積     (km2)       436.0
年間発電電力量      約24,000MWh

流域面積436.0km2に対して使用水量を19.30m3/s(44%)から35.0m3/s(80.0%)に約倍増の増強しても発電量は24GWh/ 年から30GWh/年と1.25倍しか増えないのか。。。
詰まり19.30m3/s以上流れてる時間の発電が6GWh/年って事になる。フル稼働7.2MWで833時間20分分,一日平均して2.2時間と云う数 字か。勿論フル稼働では無いだろうし6~8月は雨降りっぱなしで冬はからからって事もありそうであるが。目安としては面白い。

塚瀬ダム
ぐ るっと探訪〕〔場 所〕[DB
貯留量:14.2万m3(再 開発前)
取水:緑川[緑川第二発電所放水口?]

さて緑川ダム関連の領域に入っていく。逆調整池の機能も果たしていると思われる船津ダムには緑川第二・第三発電所が付随しているが,両方ともダム式だけど 後補の第三より放水路で下流にながす第二の方がダムよりにあるらしい。通常こういう場合は秋葉ダム等放水点に発電所造ると第三の方がダムに近くなるけどダ ム直下で放水の第三の方がより下流側に位置してる形になってるのに注意。
出 典:熊本県

緑川第三発電所〔熊本県〕 〔DB
熊本県企業局     ダム式     調整池式(河川維持流量式で流込式ではないのか?)
運開:2001.04     
最大出量:540kW 常時:110kW
最大使用水量     (m3/s)       3.40
  有効落差     (m)       20.20
  取水位     (m)       112.00
  放水位     (m)       90.55

>緑川第三発電所は、船津ダムから放流される水を有効に活用するため、維持流量をそのまま河川に流すのではなく、維持流量をベースに船津ダムからの 無効放流分を上乗せした発電計画により建設しました。[熊本県]

無効放流分ってのがよく解らないけど単なる維持流量発電所では無いと云う事らしい。素晴らしい。


緑川第二発電所〔熊本県〕 〔DB〕
熊本県企業局 ダム式・調整池式    
運開:1970.04                                  
最大出力:6,100kW  常時出力:
最大使用水量:20m3/s
有効落差:
    発電機台数:1台
    発電機容量:6,800kVA
    発電機電圧:6,600V
    水車形式:立軸渦巻カプラン水車
    回転数:毎分400回転
取水:緑川[船津ダム]112.00m
放水:緑川[塚瀬ダム]72m

船津ダム〔便覧〕 〔熊本県
河川/所在     緑川水系緑川/下益城郡美里町
目的/型式     P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     25.5m/175m/41千m3
流域面積/湛水面積     377.8km2 ( 全て直接流域 ) /30ha
総貯水容量/有効貯水容量     2495千m3/1070千m3
ダム事業者     熊本県企業局
本体施工者     西松建設
着手/竣工     1967/1970
取水位(m)E.L. 105.00
満水位(m)E.L. 112.00
利用水深(m)4.00
事業費:578百万円



緑川第一発電所〔熊本県〕 〔DB
熊本県企業局 ダム式・調整池式    
運開:1970.11                                         
最大出力:28,500kW  常時出力:1,900kW
最大使用水量:55m3/s
有効落差:60.00m
    発電機台数:1台
    発電機容量:31,700kVA
    発電機電圧:11,000V
    水車形式:立軸単輪単流フランシス水車
    回転数:毎分200回転
取水:緑川〔緑川ダム〕171.60m
放水:緑川〔船津ダム〕110.60m

出 典:熊本県


緑川補助ダム
http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranA/All.cgi?db4=2666
左岸所在     熊本県下益城郡美里町畝野(→こ れか?場所はこ こ)
目的/型式     FNAP/ロックフィル
堤高/堤頂長/堤体積     35m/244m/347千m3
ダム事業者     九州地方建設局
着手/竣工     1964/1970

便覧には通常時には上流側に水は無いようだとあるがイ ベント広場になってるらしい。ダムが決潰しかねない時に流し込む位?

緑川ダム[便覧]        
左岸所在     熊本県下益城郡美里町洞岳
河川     緑川水系緑川
目的/型式     FNAP/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     76.5m/295.3m/367千m3
流域面積/湛水面積     359km2 ( 全て直接流域 ) /181ha
総貯水容量/有効貯水容量     46000千m3/35200千m3
ダム事業者     九州地方建設局
着手/竣工     1964/1970


九州電力(株) 大井早発電所[DB] [場 所]     
水路式・流込式
取水力:3,200kW 常時:1,400kW
最大使用水量     (m3/s)       11.80
有効落差:    33.38m
流域面積:    320.6km2
取水:緑川[津留発電所・内大臣川発電所]・千滝川204.40m
放水:緑川[緑川ダム]166.99m

~千滝(せ んだき)川~

大井早発電所
千 滝川取水堰EL=206m

200m程の落差・4.7kmの導水距離で10.6km2ある。
千滝の上で425m・下で410m

出来れば千滝の上から取水したい(それ程高名な滝という訳でも無さそう。)

1m3/sで発電すると1,700kW。小さいか。。

お隣,五老ヶ滝川から取水してしまうと下流の津留笹原取水堰に打撃を与えてしまう。
この五老ヶ滝川にも滝があるがその手前に小学校の国語の教科書だったと思うが出てきた通潤橋が!!!!
今で云うサイフォンの原理が出てくる。自分が利水発電マニアになるとは夢にも思わずよく解らんなと流してたけど此処で繋がるか~。

五老ヶ滝川と併せて笹原川取水堰にぶち込むか?笹原川の項で検討してみる。



JNC(株) 津留発電所[場 所][DB] [国 交省DB
最大出力     (kW)       10,700
  常時出力     (kW)       4,500
  最大使用水量     (m3/s)       8.63
  有効落差     (m)       147.58
  取水位     (m)       364.19
  放水位     (m)       205.07
取水:笹 原川大 矢川?緑 川(2[DB]or6 [国 交省DB]箇所)
放水:緑川[大井早発電所]

チッソ緑川発電所が緑川ダム建設で水没するに伴う現物補償でチッソに譲渡されたそうな。[送 電鉄塔の見える場所]
緑川電力や九州製紙(八代に今もあり嘗て坂本にあった工場を経営[wiki]) なんかも絡むらしい。興味深い。

~笹原川~
津留発電所笹原川取水堰


~五老ヶ滝川~
438m付近で取水すると28km2程。
365m付近へ2.8m3/s放水しても落差69mで1,600kW。千滝川の流 域より1m3/s増やしても2,100kW
更に千滝よりは観光地っぽい(山都町内にある数ある滝の中で最大級の滝[熊本ガイド])ので水量減も心配。

より上流から取水して水量を減らしながら落差を確保が検討課題=未







~内大臣川~

JNC(株) 内大臣川発電所[場 所
取水:内大臣川
放水:緑川[大井早発電所]

JNC(株) 目丸発電所



発電所名:鴨猪水力発電所(かもしし)
事業者名:九電みらいエナジー㈱
出力(kW):1990
開始年月:平成30年9月

~大矢川~


笹原川取水堰(笹原取入口)(チッソ・津留発電所)[ダムご飯
取水量:3.20m3/s

九州電力(株)横野発電所[DB
 最大出力     (kW)       1,550
  常時出力     (kW)       200
  最大使用水量     (m3/s)       4.30
  有効落差     (m)       45.50
  取水位     (m)       410.87
  放水位     (m)       362.35
流域面積     (km2)       71.4
  発電形式             水路式
  発電方式             調整池式

(仮称)大矢川取水堰[場 所
[横野発電所・津具発電所共用??]

横野滝直上から取水してる九電・横野発電所の導水路だが,地理院地図だと導 水管が分岐して一部が下流に繋がってるように見えて,この導水管を伝っていくとJNC(チッソ)津留発電所に至る。電力土木技術協会のDB の津留の取水堰2箇所だと大矢では取水せず緑川と笹原となる(但し国 交省資料だと6箇所も!)けど津留の取水位364mであり,横野の放水位362mとほぼ同じ(放水位は水の一番低いところ取水位は一番高い所を記 述するのでこうなる事はありがり)で横野発電所の放水を直下で津留が取水してるのを書き間違えた可能性が高いか?(地理院は地下の導水路の記述にはやや弱 い所があって十津川第一の栗平辺りの導水路も間違えたり下小鳥の放水路が描かれてなかったりしてる。)

と決着着いたかと思ったけど
>この付近には津留への水路が横野への水路を跨ぎ越している所もある。[送 電鉄塔の見える場所]
とのこと。どこの事だ?!

竜宮滝発電所
九州電力(株)
流込式     2015.03     
200



発電所名:清和発電所(せいわ)[aika][国 交省][場 所]
事業者名:山都町
出力(kW):190
水量:2m3/s
取水:緑川(砂防ダム)
流域:42.5km2(推計)
取水位:422m(推定) 放水位:409m (推定)
開始年月:平成17年4月

発電所が生まれた背景
http://j-water.org/result/case08.html

青葉の瀬にある既存の砂防ダムを利用し、約300m下流で発電します。発電した電力は公共施設(清和文楽劇場や道の駅など)で使用されています。
発電所は、電力会社と電力の売買契約を結んでいます。発電量が不足する時は買電し、施設を利用しない夜間および休刊日などは売電しています。
当時の担当者の話では、当初近隣の公共施設まで自営線を引いて送電し余剰売電を行う計画であったが、工事費が相当の額に上ることが明らかになったので、発 電所単体で系統接続し売電のみを行うよう変更したそうです。
周辺施設の年間電気料金1千数十万円程度に対して、売電収入が九百数十万円程度ということであり、公共施設での電力自給という方針にそったものになってい ます。



42km2で2m3/s取れてるのでまあ参考にはなるけど折角424mに2m3/sあるなら津具の取水口手前364m迄直送したかった。
まあ417mぐらいから直送すればいいんだけど。