水力あれこれ  相模川桂川  中津川・宮ヶ瀬ダム
とはずがたりな掲示板 ( 電 力スレ 利 水スレ )
22.7.5完成
相模川水系道志川・秋山川の水力発電

平塚で相模湾に流れ込む相模川は相模随一の大河であり,上流には幾つかの水力発電所が存在している。

道志川には道志ダム,牧野川には牧野取水堰が神奈川県の手で建設されていて道志第一~第三発電所で発電の後。相模ダムに流入し更に下流の相模発電所,津久 井発電所などと連檐しているようである。

出典:神奈川県

~道志川~

道志ダム[神奈川県] [水 力
型式    重力式コンクリートダム
堤高    32.8m / 堤頂長    74.0m
    流域面積:112.5 平方キロメートル
    湛水面積: 0.142平方キロメートル
湛水面積    0.142km2
総貯水容量    152.5万m3
有効貯水容量    616.1万m3
常時満水位:EL314.0m      最低水位:EL309.0m

給水:道志ダム発電所(0.4m3/s)・道志第三発電所(2.4m3/s)・道志第一発電所(9.0m3/s)・宮ヶ瀬ダム(20.0m3/s道志導水 路[地 理院])

また流域面積が道志ダムより狭く貯水量は大きい宮ヶ瀬ダムに最大20m3/sの大量の水を送れる仕組みになっているようだ。そして更に最大40m3/sで 道志川へ 戻す仕組みも実装しているそうだ。なかなかシステマティック♪
出典:国交省

道志ダムの満水位314mに対して宮ヶ瀬ダムは常時満水位の286.0m(洪水期制限水位275.5m)[神奈川県]だからそ れなりに落差はありそうだが洪水期中心の運用だと常時は大したことないし洪水時は濁流で発電しづらいしまあ道志導水路に発電施設がなくてもしゃーないのか な…。冒頭の図によれば道志ダムからは寧ろ相模湖に送っていて,しかも後に見る諸元に拠れば結構デカい規模の発電所である。
宮ヶ瀬ダム上流から取水して道志ダム湖畔で発電しても水はこの導水で返せば良いからやってもよいかも。(→検討の結果宮ヶ瀬ダム湖畔での案を得た。)





出典:いずれも神 奈川県



ダム図面
出 典:神 奈川県


道志ダム発電所[神奈川県] [水 力
発電所型式     ダム水路式
最大出力     50kW
年間発電量:279.435MWH
最大使用水量    0.40m3/s
有効落差     18.50メートル
水車     横軸プロペラ 発電機     横軸三相誘導×1台
運転開始     2006年12月
    取水位標高:314.00m
    水車中心標高:295.60m
     放水位標高:294.00m

道志ダムでは、下流の河川環境保全のために、1979(S54)年より奥相模湖の水を電動ポンプで汲み上げダムの直下に放流してきたが,2006 (H18)年には、この放流設備を電動ポンプ方式から自然流下方式に改良し、併せて遊休落差を利用した最大出力50kWの小水力発電所を建設したとのこ と。
行って来いだから50kWとは言えそれ以上の価値がある発電所である。


神奈川県企業庁 道志第二発電所[水 力
 運開:1955.5
ダム水路式・調整池式
    認可最大出力:1050kW      常時出力: 990kW
    最大使用水量:2.00立方メートル毎秒
    有効落差:66.45m
    水車:横軸フランシス水車 出力1050kW×1台
    導水路:総延長1622.2m
    流域面積:112.5平方キロメートル
    取水:道志川[道志ダム]314.00m
    放水:道志第四発電所245.43m

道志ダムから引き出された導水管は後補の維持水量用の道志ダム発電所をダム直後直ぐに岐けて暫く下った後,道志第二と道志第一に分ける事になる。

神奈川県企業庁 道志第四発電所[水 力
運開:2010.2.15
水路式・調整池式
    認可最大出力:59KW
    最大使用水量:2.00m3/s
    有効落差:4.15m
    水車:横軸プロペラ水車×1台
    流域面積:112.5平方キロメートル
    取水:道志第四発電所
    放水:道志川

後付けで道志第二発電所の放流水に発電所を付加した様だ。
比較は烏滸がましいけど佐久間ダム・佐久間発電所と佐久間第二発電所の関係みたいである (笑)


鮑子(あびこ)取水堰[nobuhito] [横 浜市
目的:W(横浜市上水道・青山沈殿池経由で川井浄水場へ)
取水位:EL約150m
取水量:172,800m3/日


~秋山川~

牧野取水堰[神奈川県] [こ こ?
型式     重力式コンクリート堰
堤高     5.8メートル
堤頂長     32.7メートル
取水位:226.2m
給水:道志第三発電所

廃止された水力発電所の取水設備として残されていたものを、整備し再活用をおこなったものだそうな。なかなか(・∀・)イイ!!


神奈川県企業庁 道志第三発電所[水 力
運開:1982.4
水路式・流込式
認可最大出力:1,000kW    常時出力:200kW
 最大使用水量:2.40m3/s   常時使用水量:0.73m3/s
    有効落差:55.00m
    水車:横軸フランシス水車 出力1000kW×1台
    導水路:総延長1715.0m
    流域面積:46.9km2
    取水:秋山川[牧野取水堰]226.20m
    放水:秋山川[相模ダム]168.15m



神奈川県企業庁 道志第一発電所[水 力
運開:1955.5
ダム水路式・調整池式
認可最大出力:10,500kW    常時出力:  0kW →典型的な尖頭型の発電所に見える。使用できる水量増やしたい
最大使用水量:9.00m3/s
有効落差:134.67m
    水車:立軸フランシス水車 出力10500kW×1台
    導水路:総延長5180.9m
    流域面積:112.5平方キロメートル
    取水:道志川[道志ダム]314.00m
    放水:秋山川[相模ダム]169.20m


~中津川~

宮ヶ瀬ダム[国交省] [便覧
サーチャージ水位及び常時満水位 EL286.0m. 最低水位 EL206.0m. 非洪水期利水容量 183,000,000m3. 流水の正常な機能の維持. 22,200,000m3.
河川     相模川水系中津川
目的/型式     FNWP/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     156m/375m/2000千m3
流域面積/湛水面積     213.9km2 ( 直接:101.4km2 間接:112km2 ) /460ha
総貯水容量/有効貯水容量     193000千m3/183000千m3
ダム事業者     関東地方建設局
着手/竣工     1971/2000

詳しくはこちら

~相模川~

相模ダム[便覧
河川     相模川水系相模川
目的/型式     WIP/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     58.4m/196m/174千m3
流域面積/湛水面積     1128.5km2 ( 直接:1016km2 間接:112km2 ) /326ha
総貯水容量/有効貯水容量     63200千m3/48200千m3
ダム事業者     神奈川県企業庁
着手/竣工     1937/1947