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23.9.21運開

新木曽ダムと寝覚発電所・改

なんだか完璧に利用し尽くされてる印象の木曽川だけど結構未利用な水が多い様だ。

出典:国 交省


勿論,これは本流に河口堰がある位で殆ど本流の流れが発電に使わ れてない長良川も含む数値であるし木曽川本体のみを取り出せばもっと比率は高くなりそうだけど,大雨の日に見た木曽川はなかなかの迫力で あった。

雨の直後の桃山発電所取水堰堤の様子。

木曽福島堰堤(寝覚発電所木曽川取水堰堤)


また揖斐川は上流に絶対的エース徳山ダムが完成し,長良川も支流に内ヶ谷ダムなんかを建設中である。

一方で寝覚発電所[→木曽川]は木曽ダム・木曽発電所が出来る前の絶対 的要石として木曽川と王滝川の合流点に鎮座して,大きめの発電容量と王滝川・木曽川双方からの取水で頑張って居る。

現代では木曽ダム[→木曽川]が三浦・牧尾の貯水池の水を木曽発電所か 寝覚~大桑発電所群かに振り分けをする重要ジャンクションとして君臨してはいるのだが,木曽ダムは木曽川上流の水は貯めら れないし,その存在感に反して意外に貯留量も少ない(V=184.4万m3)。

木曽ダム[→木曽川]
目的/型式     P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     35.2m/132.5m/45千m3
流域面積/湛水面積     578.9km2 ( 全て直接流域 ) /42ha
総貯水容量/有効貯水容量(貯留量): 436.7万m3/184.4万m3
ダム事業者     関西電力(株)
着手/竣工     1963/1968
取水:王滝川
送水:分 水工108.41m3/s[木 曽発電所60.00m3/s・寝覚発電所48.41m3/s]・牧尾ダム(揚水・三尾発電所)

木曽ダム直下に新木曽ダムを造り直して膨大な貯留量を持つ調整池が欲しいとは常々思っては居たけど木曽ダムの満水位339mで造るとギリギリ,木曽福島堰堤直下にある住宅地(こ の辺:地 理院G 空撮(のみ) が水没してしまうのである(後は概ね大丈夫そうなのに惜しい)。5m位の防水壁造ればまあ解決しそうなんだけど,そこまでやるかどうかって のはあった。

一方の嘗ての絶対的要石(寝覚PS)の方と云えば,過大な設備を遊ばせてる印象がある。

関西電力(株)寝覚発電所[→木曽 川]
運開:1938.9(大同電力)
ダム水路式・流込式(→ 木曽ダムから取水しててしかも常時出力0kWなのに流込なんか。。)
認可最大出力:35,000kW  常時出力:0kW
最大使用水量:65.80m3/s
有効落差:64.29m [▲4.59m]
水車:2台 総出力 42,000kW
発電機:容量20,000kVA×2台。周波数は50・60Hzの双方に対応→東電へ供給も可能!?
流域面積:985.0平方キロメートル
取水:
 ・木 曽川(740.9m・17.39m3/s):総延長2280.6m
 ・王滝 川[木曽ダム](739.5m・48.41m3/s) :導水路総延長4535.8m
 ・小 川(739.5m・3.90m3/s):導水路総延長1811.3m
放水:木曽川[上松発電所48.65m3/s→桃山発電所 37.57m3/s ・須原発電所36.17m3/s](670.62m)

先ずは常時出力が0kWと 云う点である。木曽発電所が優先されてこちらは尖頭需要対策ということを示唆している。
更に使用水量が下流の発電所へ向けて漸減していくという点である。しかも下流に逆調整池らしきものは存在していないので寝覚で大量に発電したら読書ダムま で水は捨てざる得ない。。


本稿ではこれらを解決する為に木曽ダム直下に満水位を730m程に下げた新木曽ダム建設を検討してみる。

こちらを寝覚発電所専用として,しかも遊休気味の寝覚の発電所の一台の有効落差を下げる形で対応してみる。

こ の辺だと143m程の堤頂長で川を塞げて満水位EL.730mで湛水面積35.7ha程取れそうである。
利用水深を20mとしてV= 450万m3程取れそうである。(EL720mで20.0ha・EL710mで7.1ha程であった)

流域面積はガッチリ水を貯める味噌川ダム(S=55.1km2)・牧尾ダム(S=304km2)より下流側で557.5km2もある♪

この流域を新木曽ダム(案)(V=450万m3),木曽ダム(V=184.4万m3),常盤ダム(V=66.4万m3)[→王滝川]の合計V=700.8万m3で支えるのである☆

一応,味噌川ダム(V=5,500.0万m3)で18.3km2牧尾ダム(V=6,800万m3)で西野川方面209.8km2km2の導水を 検討・提唱してるのでそれが実現したと仮定すると329.4km2となる。

<現行>
ダム名 流域面積 有効貯水量 1km2辺り貯留量 摘要
三浦ダム 73.5km2 6,160.0万m3  83.8 直接:69.5 km2・間接4.1km2
牧尾ダム 230.5km2 6,800万m3 29.5 上流全域:304km2(三浦ダム含む)
味噌川ダム 55.1km2 5,500万m3 99.8
常盤ダム・木曽ダム 274.9km2 250.8万m3 0.91
なし(新木曽ダム) 282,6km2 0.0万m3
0.0
読書ダム
1066,9km2
267.7万m3 0.25

山口ダム
192.7km2
126.4万m3 0.65

   
<施策后>
ダム名 流域面積 有効貯水量 1km2辺り
貯留量
摘要
三浦ダム 73.5km2 6,160.0万m3  83.8 直接:69.5 km2・間接4.1km2
牧尾ダム 501.6km2 6,800万m3 13.55
間接:西野川導水:209.8km2(直 接:24.8km2・間接:185km2) 小川導水:61.3km
味噌川ダム 73.4km2 5,500万m3 74.9

常盤ダム・木曽ダム・新木曽ダム 329.4km2 700.8万m3 2.1

読書ダム
723.0km2
267.7万m3 0.37
新木曽ダム・小川導水分控除

三浦ダムと味噌川ダムの安定感大きいな~。
牧尾ダムの負担は重くて,読書ダムも同じくで,更なる救済が欲しい感じかな~。牧尾ダムに関しては西野川ダムを構想はしている♪読書ダムに関しては須原堰 堤や伊奈川堰堤など。

さて,いずれにせよ,この新木曽ダム450万m3を水源に下流の開発を考えて行く。


[私案]寝覚発電所
ダム水路式・調整池式
認可最大出力:35,000kW(1号機: 17.5MW・2号機14.7MW)[▲2.8MW] 
最大使用水量:65.80m3/s
有効落差:64.29m /54.0m
水車:2台 総出力 42,000kW
流域面積:985.0平方キロメートル
取水:
1号機・木 曽川(740.9m・17.39m3/s)王滝 川[木曽ダム](739.5m・48.41m3/s)・小 川(739.5m・3.90m3/s):導水路総延長1811.3m…37.9m3/s
2号機;木曽川[新木曽ダム]730m  … 37.9m3/s
放水:木曽川[上松発電所48.65m3/s→桃山発電所 37.57m3/s ・須原発電所36.17m3/s](670.62m)

落差を下げた分2号機の出力は2.8MW程減ってしまうが水の有効活用の為には已むを得まい。
この水を活用して上松発電所(8.0MW・常時0.0MW)・桃山(25.6MW・常時0.0MW)・須原(10.8MW・常時0.0kW)と常時使用水量を確保していきたい。

常時はそれで良いが,少なくとも上松の使用水量48.65m3/sは無駄なく使い切りたい。。(多分滅多にないであろう寝覚の65.80m3/sよりは頻 度が高そう。)
勿論,それ程水が余って 無く水を全部木曽PSに送って寝覚・上松が眠ってる時は最大37.57m3/sを上松で取水出来るのでちゃんと取水して下部の発電所に送ってはいると思う のでまあ良いんだろうけど(但し桃山・須原の常時出力も0kWなので水が維持流量的な水準よりも少ないときも年間一定日数あるのかも知れない),寝覚・上 松が目醒めて猛然と活動を開始した時 (と勿論降雨出水時)に上松で水を捨てざるを得なくなっているのが非常に勿体ない。どちらもそんな頻繁には起きないのだけども上松の放水口(上松堰堤)で 一寸ばかり水を貯められるようにして置きたい所である。


上松発電所放流口地点で取水可能量を検討する為に専任?で取水可能な面積を計測してみる:71.5km2[A]。(作成 時期が古くて新木曽ダム(案)がないので
一寸広めになってしまっている。新木曽川ダム以下だと70km2弱か。)

東側は比較的降雨量が少ない(1,500~2,000mm)ので5.7m3/s程 度期待できそうな堰堤か?

寝覚の最大使用水量65.85m3/sから桃山の最大使用水量37.57m3/sを引くと28.25m3/sピーク時に水が貯まって行くことになる。上松 の最大使用水量48.65m3/sだとすると10.08m3/sである。
15.0m3/s程度を4時間程持たせるには21.6万m3程あれば良い。
今既存の桃山取水堰堤(仮称:上松堰堤)の下に新たに萩原堰堤(仮称)を建設。満水位を250m程度にすると24.6ha程の貯水池が出来る。
利用水深3mで単純計算で75万m3程期待出来そう。まあ実際には満水位249m程度に抑えて,一寸底に向けて狭くなるとして60万m3ぐらいかな~。

流域はこの位置だと下流の萩原沢・肥沢からも取水出来そうで,80km2もある。


[私案]萩原堰堤
場所:木曽川630m
流域:80.0km2
間接:萩原沢・肥沢
貯水量:60万m3

水が豊富でこれでも捨てる場面が多いとなると導水路を伸ばして萩原609m付近迄水路伸ばして尖頭用の発電所とか作れるかも知れない。H=37m,Q= 15m3/sでP=4.7MW程度には出来る。