電 力総研 水 力あれこれ(木曽川)
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王滝川概況 西野川(増強現況) 王滝 川・御岳 木曽川上流 木曽川 中流 愛知用 水等 黒川
22.7.18運開

御岳発電所と取水堰,西野川・開田高原など(22.7)

6.24の木曽川上流・王滝川支流域の電源開発の着手(結局,西野川と黒川の開発と相成った)を きっかけとして御岳東側の開田高原,西野川(御岳東側裾野なのに何故か西野。開田高原西野はこ の辺みたいなので,末川とかあっち側を東側とみての西野なのか?)辺りへの関心が昂ぶり,そぞろ神のものにつきて心をくるわせ、道祖神の招きにあ ひて、取るもの手につかず僅か3週間程で現地に飛ぶ事になった。私の行動力もなかなかである♪

さて,この地を支配するのは勿論,御岳発電所であ る。運開は戦争末期の1945.6下旬であり,日本の 敗色は誰の目にも明らかになり,市民への無差別攻撃である国際法違反の米軍の空爆が地方都市も焼け野原にしつつあった時期である。
この時の取水点がどの範囲かは現時点で私としては不明であるが19箇所もの取水罔は松尾川ダムには及ばないものの執念としては十二分であり,昭和天皇の一 撃講和論の地獄は明らかであるが,当時としては麻痺状態の国内産業の中で全資材が欠乏するなか,大規模な発電所をこの時期に運開させた大日本帝国の執念を 感じざるを得ないのである。

>この時[S20の運開時]の取水点がどの範囲かは現時点で私としては不明である
と書いたがwikiに拠ると当時は1号機のみ22.2MWの運開,導水路も一部のみで,混凝土(コンクリート)の巻立ても上松同様省略とのことだそうな。上松では1945.3頃にはセメント が殆ど入ってこなくなって工事を中止したけどこちらは意 地でも(セメント無しでも)工事を続行した様だ。

>建設命令では第1期工事として最大出力4万4,000キロワットの設備を1944年(昭和19年)11月末までに竣工させるよう求められた [5]。太平洋戦争中のため労力・資材の不足に悩まされたが、竣工期日半年後の1945年(昭和20年)6月30日より1号機のみ、出力2万2,200キ ロワットにて御岳発電所の運転を開始した[5]。この段階で完成していた導水路は一部に留まり、完成部分も大部分がコンクリート巻立てを省いた状態であっ た[5]。 [wiki


~御岳発電所~

関西電力(株) 御岳発電所(王滝川はこちらも参照) [wiki] [水 力][DB
運開:1945.6,29[運開時:日本発送電・22.2MW]
改修:2003.4…1号機ランナー交換,2004.5…2号機ランナー交換
最大認可主力:68,600kW  常時出力:16,560kW[24.1%]
最大使用水量34.4m3/s[82.5%]
有効落差229.00メートル(1・2号機)または229.21メートル(3号機)
総流域面積:416.1km2
    1、2号機水車:立軸スプリッターランナーフランシス水車×2台 総出力47600kW
      3号機水車:立軸フランシス水車 出力25000kW
導水路/流域面積
王滝川線:総延長17234.0m、主要導水路 幅3.90m×高3.90m、延長16814.9m /137.5km2→西野川流域・小俣川流域・総流 域より引き算
小俣川支線:総延長4242.7m、主要導水路 幅1.90m×高1.90m、延長4001.4m / 47.5km2→とは計測
西野川線:総延長12685.7m、主要導水路 幅2.58m×高2.58m、延長12490.6m /231km2→牧尾ダムの記述により推計
 取水(下で詳細):王滝川[王滝川ダム](1044.0m)・下 黒沢濁 川小 谷沢(本谷川;wiki)・(小俣川導水路)・立 間沢堰堤(wikiのみ)千 沢(wikiなし?)・鈴ヶ 沢溝 口川大 又川樽 沢三 郎沢・(西野川導水路)
  西野川導水路:末 川(1037.5m)・西 野川管(く だ) 沢(wikiのみ)床 並沢(wikiのみ)鹿 ノ瀬川湯 川白 崩川白 川  小俣川導水路:鯎(う ぐい) 川小 俣川 合計19箇所[DBに は19箇所と明記されている。一方wikiに は20箇所と書かれている。御岳PSに取って後補で数ある取水口の一つに過ぎない王滝川ダムの項で御岳発電所を扱わざる得ないのは完全にwikiの項目の 立て方ルールのバグだ な。。]
放水:王 滝川(1,2 号機786.2m)(3 号機783.0m) [常盤ダム]

取水位が違うから1・2号機と3号機で別系統かと思ったが上部水槽は一緒だった。導水距離の差が違う感じか?また三方向に岐れてるけど最後の一つは余水吐 であった。


1・2号機建屋
22.7
1・2号機の水圧鉄管を納めていると思われる混凝土のボックス?と洞門


3号機建屋(遠景・画面左奥)と1・2号機の放水路

3号機水圧鉄管

余水吐
余水吐にしてはどん太い♪更にお猿の群れがいた。普段は水が流れてないだろうし居心地良いのか??

最大流量なんと34.4m3/s(最大流量に一致している)。1963年に日立造船(株)向島工場で建設されたものらしい。3号機が増設されたのがこの時 期なのか?御岳山の爆発その他で急遽発電が停止して放水が必要になったりする危険でも高まったのか??

余水吐の尖端(放水部)のなんかの施設。なんなんだ??


なかなか圧巻であった。
向かいの川は広くなっていてそのまま常盤ダムのダム湖になっていく。
22.7

さてここで早速課題である。DBには19箇所と明記されているが,水力さんは未確認と断り ながらも王滝川ダム以外に17箇所の取水地点を挙げており,合計 18箇所。惜しい。水力さんが正しいとして後一箇所不明なのである。一 方wikiには一箇所多すぎるか,二箇所多くて一箇所欠けてる可 能性がある。勿論DBの19箇所がミスの可能性も ある。→22.7末・国立公文書館を襲撃することにした。結局,wikiと認可(公文書)の記述が一致した。すげえなwiki。更には認可水量もあっさり 判明。公文書凄い。[TW]


水力
wiki
地理院
とは確認
認可
認可水量
備考
王滝川[王滝川ダム]





19.07

下黒沢





0.76

濁川





1.90

小谷沢(本谷川)





0.23
許認可では本谷川
鯎川(小俣川導水路)





3.23

小俣川(小俣川導水路)





0.97

立間沢





0.15

千 沢






どうやらここにはなさそう。
鈴ヶ沢





1.18
鈴ヶ沢取り入れ口[東大地震研彙報1985
溝口川





0.60

大又川





0.77

樽沢





0.52

三郎沢





0.27

(薮原)[地 理院][






偶々溜め池が水路上にあるだけで特に設備なし?
御岳発電所





34.4

白川





1.10

白崩川





0.19

湯川





1.09

鹿ノ瀬川





0.31
用水路みたいな小さいやつだったが…
床並沢





0.13

管沢





0.27

西野川[堰堤]





10.11

末川[取水口]





5.12







(47.97)
取水量合計
合計水量は47.97m3/sもある。王滝川ダム・西野川堰堤・末川取水口の主要3箇所で34.30m3/sとほぼ御岳発電所の最大使用水量 (34.4m3/s)である。
立派な余水吐があったが多くの水を捨ててしまってる様だ。(勿論,常時出力は最大出力の1/4程なので余水しないでフルに使えてる時間も多いのであろう)
水車の余力は未だ4MWあるのでその辺だけでも水圧鉄管太く出来ないものか。。
1・2号機は併せて44.4MWなのかな?1・2号機共用の水圧鉄管増設したりすると3.2MW程強化出来るかも。1.6m3/s程度の増強で良い?

現在では床面の巾2.7m,天端の高さ約3.3mの馬蹄形で厚さ20cmの混凝土でライニング(lining:内張り・裏張り・裏当て)されていて,極一 部の区間(王滝川ダム~下黒沢間の250mと7.5mの区間)では鉄筋混凝土で内巻され更に狭くなっているそうな。[東大地震研彙報1985
水力さん[恐らくDB由来]の導水管の表記と一寸ズレる?(より狭い?復旧後のデータか?)

また
>なお床面の標高は王滝川ダム付近で1038m,御岳発電所の水槽入口で1012mである。支流の下をくぐる部分ではごく浅くなっている所もある が,尾根の下では200~300mの深さに位置している。[東大地震研彙報1985
という表記も。水槽入口でトンネル床面がEL.1012mで王滝川の放水位がEL.786.2mで有効落差がEL.229m(いずれも1,2号機の値)と して逸失落差は▲3.2m程度?王滝川線が延長17.2kmもあると26mも勢い付けるには落差が必要なのか。。
また取水位は水面(一方,放水位は底部・片門ダムで)なので王滝川ダムでの 1044mって事は利用水深6m程度?
wikiに は
>満水位標高1,044.0メートルから1.6メートル以内の有効貯水量は20万9,400立方メートルに及ぶ(とは註:なんか興奮して書いてある が実際には大した量ではない。)
と云う表現もあったが。。

また王滝側では水路延長17.2kmに対して損失落差が26m(取水位に対しては32m),平均勾配1.5‰ (取水位に対しては1.8‰)なのに対して,西野側では水路延長12.7kmに対して損失落差が25.5m(末川なのか西野川なのか不明・またトンネル床 面位ではない)で2.0‰である。西野川の方が勾配がきついのか?まあいずれにしても道志導水路(3‰)と津久井導水路(1‰)の間 ぐらいの勾配なのかな?久々野発電所は取水位793.5m~790.5mに 対して導水距離11.1km・放水位649.5m・有効落差127.48mで 逸失落差は▲17m。概算の勾配は1.3‰程度。
以後,10km超の導水距離とか構想する時にはちゃんと気を付けんとあかんな。。

あと,矢張り生きた火山の御岳山であるので災害の話しには事書かない。。
こんな新聞記事も見付けた。
信毎御岳山噴火特集

王滝川支流に砂防ダム 土石流警戒、県も除石工事
https://www.shinmai.co.jp/feature/ontakesan/article/201410/02010052.html

 国土交通省は1日、噴火した御嶽山周辺で土石流などが発生する恐れが あるとして、山麓の王滝川の支流・鹿ノ瀬川(木曽郡木曽町)に砂防ダムを緊急的に設置すると発表した。林野庁も同日、同じ支流の濁川(濁沢川、同郡王滝 村)にある治山ダムで満杯になった石を取り除く工事を始めたと公表。県も同じ支流の湯川(木曽町)にある砂防ダムの除石工事に着手した。

 また、県建設部は1日の災害対策本部員会議で、木曽町と王滝村で土石流の発生に備えた避難勧告などの発令基準を設ける準備を進めていると明らかにした。 一定の降雨基準などを定める見通しで、2日に両町村と協議する。

 県砂防課によると、火山灰は水を含むと固まって水を通しにくくなり、斜面などから流れ込む水が勢いを増して土石流や泥流が起きやすくなる。同省中部地方 整備局の調査などで鹿ノ瀬川と湯川の上流域では降灰が確認されたほか、濁川でも降灰による濁りが生じている。

 このため同省は2日から、鹿ノ瀬川に砂防ダムの設置工事を始める。鹿ノ瀬川にはこれまで砂防ダムがなかったため優先的に設置することにした。現時点では 高さ4〜5メートルほど、容量2千立方メートルほどの規模を想定し、約1カ月で完成するという。

 林野庁は1日から濁川への重機の搬入や工事場所の選定を開始。さらに上流には土石流を検知するセンサーや監視カメラの設置も検討する。県は湯川にある高 さ14メートル、容量5万5千立方メートルの砂防ダムに埋まった石を、約2カ月かけて取り除く計画だ。

2014年10月 2日掲載

王滝川・牧尾ダム上流のダム 堆積土砂の撤去工事開始
https://www.shinmai.co.jp/feature/ontakesan/article/201410/30010600.html


 独立行政法人水資源機構愛知用水総合管理所(愛知県東郷町)は29 日、御嶽山噴火の火山灰などの噴出物で濁りが確認されている王滝川の牧尾ダム(木曽郡木曽町・王滝村境)上流にある2号貯砂ダム(王滝村)で、堆積した土 砂を撤去する工事を始めた。牧尾ダムは岐阜、愛知両県に飲料水や農工業用水を供給する愛知用水の水がめで、水質保全を図る狙い。

 貯砂ダムは、利水などのダムへの土砂の流入を減らす目的で設置されている。2号貯砂ダムは牧尾ダムの堰堤(えんてい)から7・6キロ上流にあり、水が灰 色に濁っている。同管理所は、堆積物の量を噴火前の土砂も含めて約5千立方メートルとみており、12月までに撤去を終える予定。その後も、濁りなどの状況 を見ながら必要に応じて撤去するという。

 29日は、重機が貯砂ダムに入り、土砂を取り除いた。移動した土砂は、水気を取った後、搬出する。

 国土交通省中部地方整備局(名古屋市)によると、牧尾ダムへは、王滝川の上流にある支流、濁川(濁沢川)から火山灰などを含む水が流入しており、濁りや 酸性化が確認されている。現在、水道用水などの取水に支障はないという。

 愛知用水総合管理所の牧尾管理所(木曽郡木曽町)、小河輝一所長(58)は「牧尾ダムに濁水が入る前に土砂を撤去し、ダムやその下流の水質をできるだけ 良いものにしていきたい」としている。
2014年10月30日掲載




早速,鯎川・王滝川上流・西野川流域を見て行く。但し本頁はメインは西野川である。王滝川側はこちら参 照

~王滝川上流~

王滝川ダム(→王滝川 の項参照)


下 黒沢

濁 川(→こちら参照)
噴火で大災害が起きたらしい。水力さんによると
>1984年9月14日の長野県西部地震によって御嶽山が山体崩壊(山津 波)を起こして濁川温泉が全滅したという痛ましい災害が起こった所で [水力]
とある。現地でも砂防ダムの建設が着工されている様で準備工事中っぽい雰囲気であった。

看板部分アップ

濁川砂防堰堤(仮称)
堤長:179m 堤高14m 放水路延長50m
補助スキーム:令和2年度(2020年度)国庫補助火山砂防(大規模特定)工事
発注者:長野県木曽建設事務所

砂防が目的(もっと云うと山津波や更には火砕流なんかも防ぐのかもしれないが)で,水を貯めるものではないのかも知れないが多少は水量も安定化するか な??

その脇に取水施設がある。

小 谷沢(本谷川;wiki)

~鯎川~

小俣川導水路と云う名前らしい(出典失念・wikiだ と鯎川導水路)。小俣川は鯎川の支流である上に鯎川からも取水しているので鯎川導水路の方が良かった様な気がするけど殆ど使わない鯎(うぐ い)の漢字を嫌ったのか?

鯎川に沿って林道も走っており支流奥で近 くに道も無さそうな小俣川は兎も角,鯎川取水堰には到達出来そうであるが未踏である。


小俣川導水路水道橋[場 所

高い所にトラス橋を架けて対岸に渡っている。高い所にあるのでサイフォンでは無さそうな。→色々調べてる内に引っ掛かった論文によるとやっぱサイフォン だって。。[東大地震研彙報1985
22.7

(小俣川導水路合流)


鈴ヶ 沢
林道御岳御厩野線に沿う。(→こちら参照)


溝 口川

大又川[] [こ れか?
県道御岳王滝黒沢線

樽 沢
鞍馬併用林道


三 郎沢



~西野川~

西野川とその支流末川で御岳発電所は15.23m3/s程取水している。
河川名
取水量
流域面積
その他
西野川
10.11m3/s


末川 5.12m3/s



西野川流域は現在御岳発電所の独壇場である。まずは御岳発電所が取り溢した水量を牧尾ダムで取りに行こう とするとこんな感じに。
流域面積:24.8km2 導水距離:5.78km
こんな感じとなる。それ程大きくないとは云え,流込式の発電所は出水時に安全の為取水を停止したりする事があるので,寧ろ出水時が書き入れ時のダム貯留用 の導 水は棲み分けが可能であるとも云える。
西野川側の御岳発電所の流域面積が185km2と推定されるので,これらはそのまま上乗せしても良い。白川・西野川導水の流域面積は209.8km2(直 接:24.8km2・間接:185km2)である。そこそこ取れそうではないか♪

まあ下で検討するダムが出来るなら不要かなと云う感じではあるが。

さて,22.7に訪問した際に,先ず目標になったのは西野川の取水口の調査であるが,その親玉の末川・西野川への到達は必達目標であった。此 処らである。まともな道は無さそう…汗
どうも距離的に近い県道20号上からではなく柳又の聚落から道が続いている様子。[G SV]だと此処迄入り込んでる。地 理院だとここか。

 斯くして,旧高根村の益田川源流を総嘗めにした後,快調に山を下り開田高原に入る。なかなかテ ンションのあがる開田高原の響きである♪或時期開墾が行われ た地名か。田と云ってもこの場合畑なのかもしれないけど田圃も無い訳ではなかった。
こんな効率の悪そうな場所でも造るから米が高くなるのだけど,ヒステリックに輸入を拒む米と違って,麦とか玉蜀黍(とうもろこし)は自由化させられてし まっててもっと安いし生産しても太刀打ち出来ない。とはいえ今回の調査行でちょくちょく玉蜀黍畑は見かけた。付加価値付けて玉蜀黍も生産していきたい。
一寸行き過ぎたが引き返し程なく柳又に到着。SVでも入っていない未知の領域に進入開始する。
先ずは西野川の勇壮な流れ(昨日から今日も一寸降雨あり)とぼろい橋(鉄橋だがなんか歪んじょる)が現れる。 木曽ダム辺り迄しか行ったことがないので初めて見る西野川である。
22.7

先日,買ったばかりの新車を四国の別府峡でパンクさせてえらい目にあったばかりなのでハラハ ラしながらも確実に未舗装の悪路を進むこと5分程,広場に出ると取水堰となんと先客に 関電のエンジニアさんの?コンパクトカーがある。流石に4WDの様だった。
半年程前に剣山スーパー林道でこの先4輪駆動必要と脅されたばかりでもあるので私も4駆にしたかったが,値段と燃費でまあ良いかなと回避をしたが,やはり 4駆にすればよかったか?!それにしても連休の中日の日曜なのに 何かあったのだろうか?


取水堰あるあるの吊り橋を渡って熊注意の看板にビビリながらも(熊鈴は携行)小さな起伏を越えると末川の取水設備と堰堤が現れた。



残念ながら利水標は無いらしい。。

末川取水口
堰堤と取水ゲート

制水門とそれに貼られてたプレート。正式名称は末川取水口の様だ。この後の調査で取水堰も現れるが命名の法則は不明。平成2年に新製されたばかりと云いた いとこだがもう30年も前かw (平成3年入学の私も浪人中だった。)
歳を取ると時間感覚が狂ってくる。昭和54年位迄はなんか最近と思える。まあ此処が運開と同時に完成してたかは疑問だが御岳発電所そのものは終戦間際の完 成であるし,終戦前後の低品質の鋼製ゲートを使ってて50年もしない内にぼろぼろになってきたのかもしれない。

堰堤

取水設備


西野川取水堰堤[仮称]
堤体面はそういえば撮れてなかった。。ここも自由越流。ゲートすらない。。

最初に見た場所よりも下流なのに水量がショボい気がするけど何故だ?吊り橋の上から上流を眺む。

画面右手の混凝土の設備が末川と西野川両方の取水設備の様だが,西野川用の取水口が見当たらないなあと現地では思ってたけど写真で見るとチロル式なのか。

拡大

流出土砂や砂レキが比較的少ない河川に適しているとされてい[→三重用水] る様だが現役の御岳山の麓でこんなんやって大丈夫なのか?

また向こう側の水飛沫は余水吐である。

沈砂池と余水吐。といいたいところだが余水吐が恰度ポールの向こう側で隠れてしまってる…orz
末川も西野川も水量は大した事なさそうだったのに取水して見ると滔々たる流れの水。

堰堤がちらっと写ってるやつを最期にお見せする。


さて近隣の取水堰を探す。地図だとこん な感じ。まず地名として柳沢・管(くだ)沢・床並を書き込んである。そして確認出来た取水口,末川・西野川・鹿ノ瀬川に(水 色丸)を打って地理院の地図で確認出来た地下水路を(水 色線)で引いてある。

水発趣味拗らせてくると名前の未詳な川も結構出て来るようになる。不便でしゃーないので勝手に名前を付けてみた(マウスオーバーで表示)。
wikiには管沢と床並沢の名が載っている(水力さんは記載なし)。現地でも管沢は近づけず,床並や鹿ノ瀬北谷も近づいたけど視認出来ず ではあったが,管沢に関しては西野川からの導水が管沢東沢迄描かれていて境界となっている管沢東沢には何らかの設備があると考えた方が自然なのかも知れな い。但しG 空撮でも特に何か映ってる感じもしないし,取水するなら東西両谷を併せた管沢川部で取った方が効率的な気はする。

床並川

取水口があるらしいが,ぱっと見は見当たらなかった。。

鹿ノ瀬北谷(仮称)


鹿ノ瀬川 小さな取水施設をr20の橋の上から確認!


湯 川 この上流にも取水口がある様だが未確認(めっちゃ薄いがこ れ[G]か?これだとするとこ こら辺[地理院]。もう近づき方が判らんw)。確かに川巾は広く取水出来そうだが岩礫磊々と云った感じ。


~白川~
白川とその支流で御岳発電所は1.29程取水している。
河川名
取水量
流域面積
その他
白川
1.10


白崩川 0.19





白川

ゲートがなくてコンクリートに囲われた部分あるのは西野川堰堤と類似的。

取水方式も西野取水堰と同じチロル式。


西野川堰堤にもあったけどKANSOテクノスなる会社の?作業小屋みたいなのが此処にも。関電の子会社かなんかで現場の管理業務でも委託されてる感じか。
詰め所と云ってもこんな所詰め込まれたくは無い感じであるが風雨は凌げそうか。またこの設備の名称が白川堰堤らしいことも確認出来る。


急流で可成りの勢いで水が駆け下りて来るが水量が莫大という感じでは無い。取水量の1.10m3/sもまあ妥当なのか。また大きな礫がゴロゴロしてるが, 大きいからチロルでも水路が砂で埋まったりはせずなんとかなってるのかね?それとも毎年の様に溝さらいでもしてるのだろうか?



白崩川
支流なので白川より後に置いたが,上流から記述している本頁的には先ずは白崩川の方で取水してから白川である。

白崩橋を渡る。此処はもう白崩川分岐後で渡ってるのは白川である。白崩川を渡る橋ではなく白崩川を遡る道の橋という意味あいなのであろう。

橋を渡った直後に畜舎があり(飼糧の上に山羊が乗ってたw),それを過ぎて暫くすると川に沿って遡り始める。

取水施設が現れた。

虻・蜂・蛇・蝮への注意を喚起している。
本当に今回の調査行では虻につきまとわれた。

金網越しに撮った取水設備。





開田高原電源開発

西又川


さて,御岳発電所の上の方,西野・末川堰堤地点でも結構な領域(230km2程)が上に残っている。

把ノ沢川を入れずに皆沢を入れて49.4km2。皆沢は遠いので外して代わりに水路の通り道の把ノ沢を入れてまあ50km2弱と云った所。


[私案]開田高原発電所or西野川発電所
出力:8,700kW[+8.7MW]
水量:5.5m3/s
落差:190m
導水:11km2(西野川堰堤~)
取水:把 ノ沢川西 野川[本谷・中ノ洞]・1250m
放水:西野川[西野川ダム(私案)] 1050m


【西野川ダム(案)】
開田高原発電所の下にちょっとしたダムを造りたい気がしている。規模感はこんな感じ。

利用水深:30mとしてEL.1020mとして面積を計算すると15.2haとなる。圧力トンネルにすると高低差は不要になる(排水用に微量の勾配は付け る)そうなので現状での落差との差が利用水深になるが,その辺が不明なので貯留量は保留。。


流域は153.24km2。末川と西野川の合計取水量15m3/sに対してなかなか適合的な数値を叩き出してきたなw
御岳発電所の取水位に併せてある甲斐があったと云うものである。
これがあれば上で検討した西野川・白川下流での牧尾ダムへの導水は二重投資になって不要であろう。

河川名
取水量
流域
摘要
鹿ノ瀬 川 0.31

床並沢
0.13

管沢 0.27

西野 川[堰堤] 10.11

末川 [取水口] 5.12


15.94m3/s



西野ダムでの取水量は16.0m3/sは行けそうですな~。



~王滝川~(こちらに移転)




牧尾ダム(→こちらに移転)

常盤ダム[場 所] [wiki]
堤高/ 堤頂長:24.00 m/111.89 m
流域面積    111.9 km²
湛水面積    27.0 ha
総貯水容量    1,288,000 m³ 有効貯水容量    664,000 m³
着手年/竣工年    1939年/1941年
取水:王滝川[御岳発電所(34.34m3/s)]783.0m 送水:常盤発電所(30.90m3/s)