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とはずがたりな掲示板 ( 電 力スレ 利 水スレ )
25.11.10訂補
22.6.18完成
21.6.19運開
伊豆半島の利水と再エネ電源

施設詳細は100kW未満の小水力と狩野川水系を除く。2008年現在では全て東電系の東京発電(株)の小水力を中心とした水力発電が稼働していたがその 後マイクロ小水力など開発も進んだ。

静 岡県の資料に伊豆半島の系統罔の図が載っていたので転載・引用する。
<伊豆半島地域における電気の流れのイメージ>
(資料)東京電力㈱提供
配電線に接続された発電設備の電力は、配電用変電所の同一バンク内に接続されている負荷により消費される。これは、電気事故等を回避するために、配電用変 電所のバンク単位で逆潮流が生じないようにすることが系統連携技術要件ガイドライン(資源エネルギー庁)で定められていることによる。イメージとしては、 地域で発電した電気は、地域内で使用されることになる。具体的には、家庭の太陽光発電施設で発電された電気は、配電用変電所の同一バンクに接続された配電 線網の中で消費されている。
東伊豆町営風車の設備容量は3基で 1,800kW であるが、ここで発電された電気は、6,000Ⅴの配電線に流されており、この配電線の範囲内、具体的には東伊豆町稲取地区に電気を供給している。平成 22 年度の東伊豆町営風車の発電量は、390 万 kWh で、一般家庭の約 1,150 軒分を賄っている。これは、東伊豆町の一般家庭の約 20%である。

逆潮流無しってのはなんでかと思ったら安全の為なのだそうな。配電罔の需要以上の発電を繋げたいなら高圧線でより上位の系統に連繋しろと云う事らしい。
またあ豆半島の再エネ電源の開発が進んでも域外への送電は出来無いということになる。


2008年度の施設一覧
発電施設
事業者
所在市町
認可出力
(kW)
設備利用率
発電量
(万kWh/年)
備考
白田川発電所
東京発電(株)
東伊豆町
2,900 61.1% 1,553 その後増強3,100kW
仁科川第一発電所

西伊豆町 100 73.6% 64 その後増強120kW
仁科川第二発電所


310
63.1%
171

仁科川第三発電所


520※
63.6%
290
水力だと450kW・東京発電だと530kW
梅木発電所

伊豆市 
685 73.8% 443
湯ヶ島発電所


1,600
37.3%
522
→狩野川
向原発電所


820
66.1%
475
→狩野川
落合楼発電所

100
50.0%
44
→狩野川
出典:「伊 豆半島地域のエネルギー事情」[静岡県]

~伊東大川~


発電所名:伊東市大川浄水場小水力発電所(いとうしおおかわ)aika
事業者名:(一社)地域発電推進機構
出力(kW):186
開始年月:2018年4月


発電所名:奥野ダム管理用発電設備(おくのだむ)aika
事業者名:静岡県
出力(kW):120
開始年月:2014年4月

CEF(株) CEF伊豆熱川ウインドファーム[CEF
運開:2009
総定格出力:15,000kW
年間発電量:6000MW(6.0GWhの誤りか?)
総面積    1,500,572㎡
稼働開始風速     3.5 m/s     Cut-in Wind Speed
稼働停止風速     25 m/s     Cut-out Wind Speed
定格出力風速     14 m/s  Rated Wind Speed
出典:CEF

出典:CEF


~白田川~

東京発電(株) 白田川発電所水 力
静岡県賀茂郡東伊豆町白田
運開:1927.1 / 水車改良:2015(+200kW)
水路式・調整池式
    認可最大出力:2,900kW →3,100kW[2015年]  常時出力:1,000kW[34.5%・2,900kW時データ]
    最大使用水量:2.07m3/s
    有効落差:179.29m
    水車:横軸ペルトン水車×3台 総出力2900kW→二輪四射二連ペルトン水車1台[2015年]
    導水路:総延長4981.1m
    流域面積:20.6平方キロメートル
    取水:白田川(堰口川)287.33m
    放水:白田川(堰口川)96.57m

結構落差がデカい。常時出力比は1/3超である。2014年の実績で設備利用率は60.6%と高め。この年は4月・5月に殆ど発電出来てないので定期点検 でもしていたのかも知れぬ。
東 伊豆町に拠ると2010年度実績の使用水量は39.9百万m3、発電量は14,581千kWh、設備利用率は57.4%とのこと。何故か県の資料 だと認可出力は3,100kWとなっている。
調べてみると2015年に出力増強したようだ。
建設・設備求人データベース
https://plant.ten-navi.com/news/7234/
東京発電が「白田川発電所」リパワリング工事を完了

2015年06月08日 20:00
出力2,900キロワットから3,100キロワットに増量

東京発電は6月3日、静岡県賀茂郡東伊豆町白田にある「白田川発電所」のリパワリング工事が完了したと発表した。

「白田川発電所」は昭和2年から運転を開始し、白田川と川久保川から毎秒2.07立方メートルを取水。約180メートルの落差を利用して、最大2,900 キロワットを発電していた。

東京発電は昨年8月から「白田川発電所」のリパワリング工事に着手し、各種設備の取り替えを行った。

これまでは単輪二射ペルトン水車を3台使って、最大2,900キロワットの発電を行っていた。今回の工事では効率を高めるために、二輪四射二連ペルトン水 車1台に取り替えた。

その結果、これまでと同量の水量・落差のままで、3,100キロワットへの出力増を実現。これまで3台だった水車が1台になったことで、巡視や点検などの メンテナンスの労力も大幅に削減できる。
今後も積極的にリパワリング工事を実施

今回のリパワリング工事により、東京発電が東甲信越エリアに保有する73か所の水力発電所の総出力は、18万5,200キロワットとなった。

今後も他の水力発電所のリパワリング工事を続ける方針で、2015年度から2019年度までに、同種のリパワリング工事を10か所の発電所で実施する計画 を立てている。


出典:静岡県

~河津(こうづ)川~


(一社)IZU・パワー※ 梨本発電所(なしもと)aika県建設業協会
着工/運開  /2020夏(予)
(旧梨元発電所:運開:明治期/操業停止:1972年)
水路式・流込式
出力:499kW
発電量:3.0GWh/年
河川維持流量:0.50m3/s(滝の景観に配慮)
有効落差:76m
水量:0.88m3/s
導水路:トンネル(1,250m)他
水車:水車は水量が減少しても発電可能なターゴインパルス方式
取水:170m
放水:90m

※:事業者名:一般社団法人IZU・パワー(伊豆で葬儀や介護、廃棄物処分などさまざまな事業を手掛ける「ひろせグループ(下田市)」の一般社団法人)


(株)ユーラスエナジーユーラス河津ウインドファーム[WF
所在地    静岡県河津町
総出力    16,700kW
 風車数    10基
運転開始    2015年5月   
単基出力    1.67MW
ハブ高さ    60m

東京電力RP(株) 東伊豆風力発電所[東電]…当社初のウィンドファーム
発電所所在地     静岡県賀茂郡東伊豆町[ひがしいずちょう]・河津町[かわづちょう]
建設開始     2009年10月/ 運開:
最大出力     18,370kW
単機最大出力     1,670kW
基数     11基
発電開始風速     3m/秒
発電停止風速     25m/秒
定格出力風速     13m/秒
風車中心の高さ     60m
ローターの直径     74m

>この河津ウインドファームと同じエリアに北西方向に並ぶように設置されている「東伊豆風力発電所」は東京電力によるものであるが、この 「ユーラス河津ウインドファーム」を運営するユーラスエナジーも東京電力のグループ企業だった(2022年に資本関係は解消された)。
>それぞれの風力発電所は別々の事業として実施されているが、風車の搬入道路や系統連系設備などは共有されている。また、風車も河津ウインドファームと同じアルストム製のものである。[WF

NEDO・早大 河津圧縮空気エネルギー貯蔵試験所(CAES)
実験期間:2018年から二年間(既に終了し、撤去済み)[ESREE]
出力:1,000kW(500kW*2)
容量:500kWh(最大出力で30分分)


出典:ITメディア

伊豆の山中に巨大な圧縮空気エネルギー貯蔵施設
――NEDOら、風力発電の出力変動を抑える実証実験を開始
2017/05/08 05:00
https://project.nikkeibp.co.jp/ms/atcl/news/16/042807397/?ST=msb&P=1

 NEDOと早稲田大学、エネルギー総合工学研究所らは、天候の影響を受けやすい風力発電の出力調整用に、圧縮空気エネルギー貯蔵システムを完成し、 2017年4月20日から実証試験を開始した(関連記事)。また4月27日にはこの施設の開所式が行われ、システムを報道陣に公開した。

河津圧縮空気エネルギー貯蔵試験所(CAES)
2017年4月27日/0 コメント/カテゴリ: 河津の地域情報 /作成者: スタッフ
http://kkmiya.com/archives/6498/

伊豆半島河津町には、風力発電機が21基あります。
東京電力㈱で11基、㈱ユーラスエナジーで10基すでに運転しています。
本日は、この風力発電施設の近くで『河津圧縮空気エネルギー貯蔵試験所』の開所式が行われ、出席してきました。

近くに行くと、高さ11.2m、52基の空気タンクがまるでミサイル基地のようにそびえたっています。一般社団法人エネルギー総合研究所様が東京電力㈱、早稲田大学と研究を進めており、今後2年間実証実験を行う、とのことです。

世界で初めての設備で、空気を圧縮し、高温・高圧の空気を作り高温の熱媒(油)と高圧空気に分離して貯蔵する。電気が必要な時、熱交換により高温・高圧の 空気を作り、これにより発電機を回転させることで発電する。風力の発電の出力が下がった時に補うもので、この施設は蓄電池の役割をします。

施設の出力容量は500kw X2 =1,000kwで、家庭の電気約250軒分です。貯蔵施設であり、排出物は水が少し排出されるだけと聞いております。風力発電、太陽光発電などの再生可 能エネルギーは発電変動があり、それを補うため電力会社では火力発電所の増設の必要があります。今後このようなエネルギー貯蔵設備が各所に設置される時が 早く訪れると思います。

 NEDOによる圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES)の実証事業の結果まとめ
2023年5月12日 最終更新日時 : 2023年12月19日
https://esree.co.jp/nedo_caes/

空気タンクの圧力は、高圧ガス保安法の手続きが不要な範囲の最高使用圧力を0.98MPa(運用上限:0.93MPa)。当初は、空気タンク圧力を 0.3MPaから0.93MPaの間で使用し、この間の充電量SOC(State Of Charge)を0%から100%としていた。しかし、実証試験を続ける中で、低SOCでは効率が非常に悪いことが判明し、試験途中から空気タンク圧力を 0.5MPaから0.93MPaの間で使用することに変更した。
実際に充放電を実施・試験したところ、充電効率は68.4%、放電効率は63.6%となった。これにより、簡易的に充放電効率を計算すると、
 68.4% × 63.6% = 充放電効率43.5%
となる。

充放電効率が低い数値になっているのは、以下が原因と考えられる。
【原因1】
圧縮熱の回収と発電前空気の予熱に市販の合成熱媒油を使用したが、低温下では粘度が高く熱交換性能が十分に発揮できていないため、①、②の状況となりロスが発生。
①充電:圧縮熱回収用熱交換器の空気冷却が足りず高温タンクへ流出。大気への放熱により空気が冷えて縮む分、圧力が低下。これをカバーするため運転時間が長くなり放熱ロスが拡大。
②発電:圧縮熱加熱用熱交換器の空気加熱が足りず低温で発電機へ吸気。仕様より密度の高い低温空気が流れるため、SOCの低下速度が速く運転時間が短くなり,吸気加熱ロスが拡大。
【原因2】
圧縮機の内部漏れすきまが増大(推定)

これとは別に、発電機・充電機(実証機)それぞれ単機での充放電性能計測結果に補正を行って求めた充放電効率は54.7%となった。

本体の運転速度の最適化、高効率化・圧縮機/発電機の高性能化、熱交換性能の改善を実施すると、充放電効率は,上記実証機と同一運転条件で,63.6%まで向上(高圧化は除く)すると推定される。

NEDOによるCAES実証の結果をまとめてきました。ざっくり言えば、
・小規模のプラントでの実証結果では50%程度の充放電効率だった。
・各種改善を加えて規模を大きくすれば充放電効率60%超が見込まれる。
・地下空洞で100MW・800MWh級のCAESを大規模に作れば、4万円/kWhを下回る可能性がある。
ということだと思います。




電源開発(株) 石廊崎風力発電所[電発
所在地:     静岡県南伊豆町
発電所出力:     34,000kW
風車発電機:     2,000kW×17基
営業運転開始:     2010年4月


~仁科川~

稼働率[出典:静岡県]
発電所
最大出力
常時出力(最大常時比)
水量
2008年
2015年
2016年
2017年
備考
仁科川第一
120kW
50kW(50%)
0.47m3/s
73.6%
78.5%
78.5%
77.3%
15年4・5月殆ど出力無し
〃 第二
310kW
261kW(84.2%)
1.39m3/s
63.1%
76.0%
80.9%
72.4%

〃 第三
530kW
250kW(55.5%)
1.95m3/s
63.6%
72.1%
62.2%
61.9%
16年11月殆ど出力無し


東京発電(株) 仁科川第一発電所[水 力
静岡県賀茂郡西伊豆町大沢里
運開:大正5(1916)年5月
水路式・流込式
    認可最大出力:100kW→120kW      常時出力: 50kW →ちいせえ
    最大使用水量:0.47m3/s→ちいせえ
    有効落差:31.53m
    水車:横軸フランシス水車 出力100kW×1台
    導水路:総延長1019.1m
    流域面積:20.8平方キロメートル
    取水:仁科川162.03m
    放水:仁科川126.85m



東京発電(株) 仁科川第二発電所水 力
静岡県賀茂郡西伊豆町一色
運開:1918.9
水路式・流込式
    認可最大出力:310kW    常時出力:261kW
    最大使用水量:1.39m3/s
    有効落差:29.10m
    水車:横軸フランシス水車 出力310kW×1台
    導水路:総延長1155.8m
    流域面積:38.6km2
    取水:仁科川105.02m
    放水:仁科川72.54m


東京発電(株) 仁科川第三発電所水 力
静岡県賀茂郡西伊豆町一色
運開:1920.4
水路式・流込式
    認可最大出力:450kW530kW or 520kW      常時出力:250kW
    最大使用水量:1.95m3/s
    有効落差:33.51m
    水車:横軸フランシス水車 出力450kW×1台
    導水路:総延長1191.5m
    流域面積:49.4km2
    取水:仁科川71.45m
    放水:仁科川32.7m