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2015.3.1作成
2016.4.28加筆
核燃料サイクルと再処理(原子力発電はこちら参照核燃料サイクルはこちら参照)
~再処理工場の疑問~

全くの欺瞞であるけど,原子力は"準国産エネルギー"と位置づけられていて,原子力発電はエネルギー自給率の向上に資することになっている。そして,これ また半分ぐらいは欺瞞の"エネルギーに乏しい我が国"に取って死活的に必要な,詰まりはまあ嘗ての満蒙並みの,地位を与えられているのである。

この議論に常にある前提は,燃料装填後比較的長期間に亘って利用出来る上に,核サ イクルが形成出来れば国内で循環出来るというリクツで何故か原子力が准国産エネルギーという自給 率を上げるファクターにカウントされてるって事である。そもそもウランの可採年数はそれ程少なくは無いのだけど諸外国で利用が進むと急速に下がる事が予想 される為,再処理をして核サイクルを形成しないと安定した燃料とは云えないとの事のようである。核利用が世界的に進めばウラン鉱山の開発も進むであろうし 可採年数は上がるであろうし,

>>2766等 見ると確かにウランの95~97%も再利用できるようだけど,燃料部分は3~5%あるウラン235でそれが燃料として使えるのは2%のウラン235+プル トニウムになるのだからウラン238は余る(再利用率が95~97%ってのは盛りすぎ)のではないか???ここんところ俺がよく判ってないんだけど燃料として発熱する訳では無いけど投入物としては必要と云う事か?
燃料のリサイクルの概要
http://www.kepco.co.jp/corporate/energy/nuclear_power/shikumi/cycle.html
ウラン燃料は発 電により全体の3~5%だけが使用され、95~97%は再利用できるウランかプルトニウムとして残ります。
そこで、使い終 わった使用済燃料(リサイクル燃料)を再処理して、ウランとプルトニウムを取り出し、再び原子力発電所で使用する流れを「原子燃料サイク ル」といいます。出典:関 電(電事連)
さてネットから資料を引用しつつ検討するが立場によって見方が全く変わるから引用部分を原発推進派原発反対派中立(?)てかwikipediaや報道と色分けする。

しかも肝腎の再処理工場(下図の様に核サイクルの要となる施設である)が英仏頼みで日本では六ヶ所に造ろうとしている(800t/年の計画)。現在は東海村に210t/年規模で実験施設がある が既に運用は中止している。六ヵ所村の施設が稼働すると現在日本が再処理を委託している英仏(アメリカは核不拡散の方針の下で再処理=プルトニウム生産に 否定的で直接処理の方針だそうで行っていない様である。)の 900t~2000tに比肩しうる規模になる様に見えるが東海村の施設は実績値で公称値を大きく下回る40t>>2767そ こそこ,しかも廃止が決まっており,六ヶ所村もトラブル続きで遅れに遅れているのは周知の事実である>>2768-2769
出典:電事連
そもそも下記表の様に転換工場は海外にしか無く,転換工場→ウラン濃縮工場→再転換工場→ウラン燃料工場→原発→再処理工場→転換工場の原発のメインのサイクルは国内で閉じていない。ウラン鉱山に隣接して造られるものなのか?
更には










出典:原子力辞典(高度科学技術研究機構)  
また福島原発の事故を起こした沸騰水型(BWR)用の燃料に関しては再転換工場の住金系のJCOが1999年に臨界事故(国内で初めて事故被曝による死者が発生)を起こしたのをきっかけに事業を廃止,再転換工場が日本国内に無く米国内の工場に委託している状況で沸騰水式はこの過程も海外に依存することとなった。少なくとも原子力発電というだけで国産エネルギーとは云えない筈である。

若し六ヵ所村の再処理工場とMOX燃料工場が完成すれば,原発(プルサーマル)→中間貯蔵施設(むつ市)→再処理工場(六ヵ所村)→MOX燃料工場 (六ヵ所村)→原発(プルサーマル)というサイクルが暫定的に出来る様であるが,これがどの程度閉じた環として経済的に回せるのか全く不明である。少なくともフルMOXで 設計されてるのは大間原発だけであり,函館市の反対する中,稼働を強行する気かも知れないけど,国産エネルギーとの位置づけは大間原発と六ヶ所村の再処理 工場の稼働能力範囲に限定すべきである。出来るかも解らない技術もカウントして良いならメタンハイドレートで天然ガス大国カウント出来るんちゃうかー。
エネルギー安全保障の為に大金掛けて良いとするならば,水力発電と太陽光発電と風力発電と蓄電池に大枚はたいた方がよっぽどリスクが少ないであろう。とまれ核サイクルに関してはこちらで更に検討してみた。

>>2778で御用学者とおぼしき専門家の先生がなんか云ってるけど,コストを無視すれば自然エネルギーミックスでも電力供給できるが問題は化石燃料同様コストである。同様に原子力もコストを無視すればと云う点は全く変わり なしである。莫大なエネルギーを発生させることが出来るので税金等込みでも低コストだと推進派は主張してきたが,何処迄カウントしているのか全く信用でき ないから議論にならない様な印象。原発が低コストなのは事故を一度も起こさずの前提で,再処理とかの技術欠如が無事解消され,有象無象の立地対策費なんか ないかの様な推進派の前提ではダメで,一度は起きたのだからそのコストを全部上乗せして,原子力関係の莫大な研究開発費,地元対策費を全部明白にして積み 上げて始めて議論が出来そうである。自然エネも公の負担した研究開発費や実際の補助金も積み上げて議論すべきであるけど。風況の良い東北・北海道の風力発 電を東京へ引っ張ってくる送電罔整備込みのコストと比較して欲しい所である。40年程原発に適合的な発送電システム作ってきちゃった 分,原発に有利なんか も知れないけど,その差額分が自然エネルギー社会をもたらすメリットより大きいか小さいかが国民の判断になるのであろう。
また原発のコスト構造の特徴で運転費用が格段に安いがそれ以外の固定費用が莫大で,原発の稼働量が減るとコストが劇的に上がる可能性が高い。沸騰水型はよ り危険な様なので全廃,断層も今回(2016年)の熊本地震などを受けて厳しめに認定とかやっていくと発電kWh辺りのコストはどんどん高くなってゆく筈 である。部分的に活用やむなし派の俺としても懐疑的にならざる得ない。

出典:関 電

昔は高速増殖炉経由のサイクルもあって以下の様な8字型だったが,今では上の様にサイクルは一つである。
子供の頃,パンフに綺麗なデザインで描かれた8の字のサイクルを見て,子供心にも(原発に危険性があることは知ってはいたものの)夢があるなぁとテンション上がったも のであるが。。
出典:原 子力機構(もんじゅ)
さて上のサイクルのその後は惨憺たるものであった。
まず,高速増殖炉がまともに動かないのである。ナトリウムを熱媒にして電気を起こすのであるが,非常に反応性に富んだナトリウムを使うが,そこのマネジメ ントが絶対であるが,95年にナ トリウム漏れ事故も起こしてしまい,その後20年も停まっている。こ の辺も参照。
更には上の8の字の結節点にある再処理工場のパフォーマンスも芳しくないのである。

出典:関 電(日本原電)

再処理とは
http://www.jnfl.co.jp/business-cycle/recycle/about.html
 石油・天然ガ スなど化石燃料は、一回燃やしてしまうと二度と燃料として利用することはできません。これに対してウラン燃料は3~4年間使うことができ、 さらに再処理することで繰り返し利用す ることができます。
  多くの原子力発電所で利用されている軽水炉では、主にウラン235からエネルギーを取り出していますが、ウラン238が中性子を吸収すると、ウラン238 の一部がプルトニウムに変化します。このプルトニウムとまだ使えるウラン235を再処理して取り出し、ウラン燃料やMOX燃料(Mixed Oxide Fuel)の原料として使えるようにするのが再処理工場の役割です。つまり、再 処理工場は「準国産エネルギー資源の創出の場」であるといえます。

原子燃料の再処 理
http://www.fepc.or.jp/nuclear/cycle/about/saishori/
使用済燃料から エネルギー資源として再利用できる物質を取り出す「再 処理」によって、ウラン燃料のリサイクルは初めて実現します。再処理は、原子燃料サイ クルの要です。
再利用すればま た、使用済燃料の再処理は直接処分に 比べて高レベル放射性廃棄物を1/3~1/4に減量で き、処分場の面積も1/2~1/3に縮小す ること ができます
日 本には、茨城県東海村に(独)日本原子力研究開発機構が技術開発を行いながら運転している再処理工場があります。しかし、年間の処理量が210t(トン) と小規模なため、これまでは、イギリスとフランスに再処理を委託してきましたが、エネルギーセキュリティなどの観点から、青森県六ヶ所村に日本原燃(株) が再処理工場を建設しています。
世界の再処理工場
国名 設置者 設置場所
(施設名)
設備能力
(年間ウラン処理能力)
その他備考
フランス AREVA NC ラ・アーグUP2 1,000トンU/年 1976年運開。国内向け(ソー ス)
ラ・アーグUP3 1,000トンU/年 1990年運開。外国向け(ソー ス)
イギリス Sellafield Ltd セラフィールド
(THORP)
900トンU/年
ロシア Mayak Production Association チェリアビンスク
(RT-1)
400トンU/年
日本 日本原子力研究開発機構 茨城県東海村
(東海再処理工場)
210トンU/年 廃止決定
日本原燃株式会社 青森県六ヶ所村
(六ケ所再処理工場)
800トンU/年 建設中
出典:日 本原燃(電気事業連合会「原子力・エネルギー」図面集2010)

上の表をみると,核発電大国フランスの2000tU/年やイギリスの900tU/年に対して210tU/年はなかなかの規模な気がするし,それに加えて, 800tU/年の六ヵ所再処理工場が出来れば万全な気もするが,東海再処理工場は廃止が決まっているが,この施設も色々トラブルがあり,本格操業開始時には処理能力を 140トンと大幅にダウンさせた原子力資料情報室(CNIC)のサイ トより引 用。以下黄色のハイライト部は同様)と の事。97年に は低レベル廃棄物アスファルト固化処理施設で火災・爆発事故を起こし、3年間運転を休止したこともあったそうな。
原発反対派の立場からの記述ではあるが,CNICのサイトには 同工場は約31年間で1,140トンの使用済み燃料を再処理した。年間平均約40トンにも及ばない“実績”で、工場建設の目的であった再処理技術開発→第 2再処理工場(六ヶ所工場)への技術移転は事実上頓挫し、ウラン・プルトニウム混合脱硝とガラス固化技術の開発が行われたにすぎない。しかしそのガラス固 化技術が六ヶ所再処理工場の稼働を遅延させており、失敗と評価されても仕方ないだろうとある。日本では再処理技術は確立したと は言い難く,ここでも原子力を国産エネルギーに算入する欺瞞がありそうである。

六ヶ所再処理工 場
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AD%E3%83%B6%E6%89%80%E5%86%8D%E5%87%A6%E7%90%86%E5%B7%A5%E5%A0%B4
六ヶ所再処理工 場 (ろっかしょさいしょりこうじょう) は、日本原燃が所有する核燃料の再処理工場。
1993年から 約2兆1,900億円の費用をかけて、青森県上北郡六ヶ所村弥栄平地区に建設が進められている。現在試運転中である。
最 大処理能力はウラン800t/年、使用済燃料貯蔵容量はウラン3000t。2010年の本格稼働を予定して、現在はアクティブ試験という試運転を行ってい る。試運転の終了は当初2009年2月を予定していた。しかし、相次ぐトラブルのため20回延長。これら延期のため、当初発表されていた建設費用は 7600億円だったものが、2011年2月現在で2兆1930億円と約2.8倍以上にも膨らんでいる。
茨城県東海村に 日本原子力研究開発 機構が所有する再処理工場(東海研究開発センター核燃料サイクル工学研究所 最大処理能力:ウラン210トン/年)を置換する施設とされ、青森県六ヶ所村の敷地内にはウラン濃縮工場、低レベル放射性廃棄物埋設センター、高レベル放 射性廃棄物貯蔵管理センターが併設して建設されている。今後 MOX燃料工場の建設も予定されており、核燃料サイクルのための核燃料コンビナートを形成する。
この施設は核燃 料サイクル事業で先行するフランスから技術協力を受けており、現在でもフランス人技術者が複数名、本施設で働いている。
気体で大気中に放出する主な放射性物質
放射性元素名 推定年間放出量
ベクレル/年
半減期 生物濃縮
クリプトン85 (Kr-85) 33京 10.7年 無し
トリチウム (H-3) 1900兆 12.3年 無し
炭素14 (C-14) 52兆 5730年 無し
ヨウ素129 (I-129) 110億 約1570万年 有り
ヨウ素131 (I-131) 170億 8日 考慮不要
液体で太平洋に放流する主な放射性物質
放射性元素名 推定年間放出量
ベクレル/年
半減期 生物濃縮
トリチウム (H-3) 1京8千兆 12.3年 無し
ヨウ素129 (I-129) 430億 1570万年 有り
ヨウ素131 (I-131) 1700億 8日 考慮不要

とめよう!六ヶ所再処理工場
http://www.cnic.jp/knowledgeidx/rokkasho

続発するトラブル
2007年…六ヶ 所再処理工場でも設備の設計ミスが隠ぺいされていたことが4月18日発覚しました。使用済み燃料貯蔵プールに設置されている第1チャンネルボックス切断装 置、燃料取扱装置が安全審査で想定された強い地震によって破壊される可能性があるというのです。

再処理は廃棄物を増やす!
政府や電力会社は、「再処理によって廃棄 物の量が減る」と宣伝しています。これは大き なウソです。確かに高レベルの使用済み燃料はガラス固化体にすれば小さくなりますが、それと同時に膨大な低レベルの放射性廃棄物が発生します。その量はフ ランスのラ・アーグ再処理工場では元の使用済み燃料に比べて約15 倍、日本の東海再処理工場では約40 倍となっています。六ヶ所再処理工場でも、事業申請 書から試算すると約7倍の放 射性廃棄物の発生が見込まれています。また廃棄物とは見なされない空や海への日常的な放射能の垂れ流しもあります。さらに工場 の操業後は、施設全体が放射性廃棄物となってしまいます。これらを含めると再処理工場は、元の使用済み燃料に比べて約200倍もの廃棄物を生み出すという 試算値もあります。これらはすべて、再処理を行わなければ発生しない廃棄物です。

再処理工場は「原発1年分の放射能を1日 で出す」
使 用済み燃料は膨大な放射能の塊で、人間が近づけば即死してしまうような非常に強力な放射線と高い熱を出し続けます。再処理工場はこんな危険な使用済み燃料 をブツ切りにし、大量の化学薬品を使ってプルトニウム、燃え残りのウラン、死の灰(核分裂生成物)に分離する巨大な化学工場です。そのためたとえ事故でな くても、日常的に大量の放射能を放出しなければ運転できません。高さ150メートルの巨大な排気筒からは、クリプトンをはじめとしてトリチウム、ヨウ素、 炭素などの気体状放射能が大気中に放出されます。しかし国は、これらの放射能が「空気によって拡散するので問題はない」といっています。また六ヶ所村沖合 3kmの海洋放出管の放出口からは、トリチウム、ヨウ素、コバルト、ストロンチウム、セシウム、プルトニウムなど、あらゆる種類の放射能が廃液に混ざって 海に捨てられます。これについても国や日本原燃は「大量の海水によって希釈されるので安全」と説明しています。また六ヶ所工場の当初計画ではクリプトンと トリチウムの除去が計画されていましたが、経済的な理由から放棄され全量が放出されます。

再処理工場の危険性
http://www5a.biglobe.ne.jp/~genkoku/reprocess/reprocess-risk-1.htm


最後にコスト構造を検討する。

東海再処理工場に関するCNIC の記事からコスト的にも再処理工場の総事業費は 7,734億円で、この他にガラス固化施設の総事業費が1,166億円ある。両者とも 施設の建設費より運転費用が膨という性質があるようで,当然これらの費用は電気料金と政府補助金 などで国民負担となっている。こ れらを単純に計算すると、使用済燃料1トン当たり の再処理費用は約8億円に達し,更にこれに加えて約50年とされる再処理施設の解 体・廃止、廃棄物対策、ガラス固化施設約20年間の運転、ガラス固化体貯蔵施設増設、3号溶融炉増設・解体等の費用が最低限必要 となり,最終的 にトン当たり9~10億円となる可能性もあると試算されている。 当然,実験的施設なのでカネを喰うのは当然であり,ここから原燃が造る六ヶ所再処理工場がどう改善されるか,また諸外国の費用構造なんかとも比較する必要 があるだろう。

2002年頃にグリーンアクションという京都の反原発の市民団体の記述:
六ヶ所村の再処 理工場の当初の総建設費は7600億円と見積もられていましたが、現在は2兆1400円と推定されています(99年に公表された数字)。また、工場の運転 費、修繕費、そして解体費用を含めると使用済み核燃料1 トン当たりの処理役務費用は4億円以上になることが確実です。
下で見るように2002年頃に使えた数字に当時非公表の運転費などを併せて4億円以上と推定している。

次ぎに六ヵ所再処理工場に関するCNICの記事から。
六ヶ所再処理工場のコストは11兆円!!
六ヶ所工場の費用について、当初公表され ていたのは建設費だけです。工場は1993 年から建設されていますが、この時は約7600億円でした。それが96年には1兆8800億円、99年には2兆1400億円と、2倍、3倍と高騰してきま した(←貨幣価値が変わるから単純に比較出来ないような気もするけど其処は換算しているのであろうか?)。 ところが建設開始10年後の2003年、 突然、電気事業連合会は「六ヶ所再処理工場の総費用は約 11兆円」と公表しました。公表された内訳は、建設費約3 兆3700億円、運転・保守費約6兆800億円、工場の解体・廃棄物処理費約2兆2000億円です。建設費だけでも当初計画の4.5倍になっています。そ してそれまで一切説明されなかった運転・保守費、工場の解体・廃棄物処理にも膨大な費用のかかることが明らかになりました。この試算は工場が40年間 100%フル稼働、無事故で動くという、ありえないような前提で試算されていますから、実際はこれ以上の額になることは確実で す。
バックエンド費用19兆円
六ヶ 所再処理工場でトラブルが続発し計画が遅延する一方、六ヶ所再処理工場にかかるコストが今後電力会社の経営を圧迫することは確実です。電気事業連合会の試 算によると、今後の増設分を含んだ建設費が約3兆3700億円、工場の運転・保守費に約6兆800億円、施設の解体・廃棄物処分費用が1兆5500億円(すぐ上の記述だと2兆 2000億円となってるけど) 総額約11兆円もの経費がかかるというのです。さらに 六ヶ所工場の費用を含めたバックエンド費用の総額が約19兆円にも達することが明らかにされました。 核燃料サイクルにこんな経費がかかることを一度も国民に説明せず、工場を作ってしまったのだからと国民に負担をおしつけているのです。しかしいまこの六ヶ 所再処理計画を中止すれば、工場の運転費用、解体費用、MOX燃料工場やTRU廃棄物の処分費用の必要はなく、19兆円のうちの実に7割の削減が可能にな ります。

また反原発の雄,小出先生の非公式纏めサイトには以下の記述が:
小出裕章 (京大助教) 非公式まとめ
京都大学原子炉実験所助教 小出裕章氏による情報
https://hiroakikoide.wordpress.com/2012/12/07/rokkasho_2012dec7/
六ヶ所再処理工場での再処理費用について、稼働率100%だったとしても、英仏の再処理価格と比較して2倍の4兆円かかり、稼働率20%であれば、10倍かかる計算になると、指摘している。
小出裕章氏の再処理価格には、海上輸送のコストは含まれているのかどうかは本書では分からない。
ただ、もし、海上輸送コストを、イギリスやフランスの再処理価格に上乗せして計算した場合でも、まさか、稼働率二〇%ほどの費用はかからないだろう。

ま た自民党に所属しながら野党的言動で地元の票を固める偽善者的な態度(戦略として非常に優れているのは公平に云えば認めざる得ないけど個人的にアンチ自民 な俺としてはそのポピュリズム的な穢い選挙戦術が非常に腹立たしい)の河野太郎のブログ。圏央道でも情報発信してたし蛇蝎の如く嫌いながらも実際は結構お世話になってしまっている…一定の感謝。。(; ´Д`)
東京電力の使用済み核燃料の再処理に係る費用に関する質問主意書への答弁書
http://www.taro.org/2012/04/post-1194.php
2012年04月28日 00:04
問い 東京電力はこれまでイギリスおよびフランスに使用済み核燃料の再処理を委託してきた。東京電力が両国に委託した再処理の費用は、トンあたりそれぞれいくらか。
答え 東京電力によれば、これらの役務に対して支払う金額については、公表すれば当該契約の当事者の他の取引に影響を与えるおそれがあることから、契約上、守秘義務を課せられており、公表できない
問い その費用は今後の総括原価に含まれるのか。また…総括原価に含まれてきたこの費用が正しいものであったか、誰がどのように検証してきたのか。
答 え お尋ねの「再処理の委託費用と保管料(以下再処理等費用)を含む…(略)…経産省においては、一般電気事業者から…料金引き上げに係る変更の認可申請 を受けた場合、再処理等費用を含め、料金が能率的な経営の下における適正な原価に基づくものかどうか等について審査を行うことになる

探してもなかなかコストが見付からなかったのは守秘義務があって公開できない様だ。なんかの関連費目と混ぜて,また日本全体などを併せて凡その推計が出来る様に契約を見直すべきではないか?

とはいえ,推計方法はあるようで,電事連が2003(H15)年に推計している。
バックエンド事業費の海外との比較
http://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/electric_power_industry_subcommittee/006_005/pdf/005_002.pdf
2003(H15)年11月28日
電気事業連合会
フランスのCOGEMA(AREVA)は,毎年アニュアルレポートを公表しているが,本アニュアルレポートには,再処理等による売上げおよびUP-2,UP-3における再処理量が記載されている。
このため,UP-2,UP-3のみが稼働している1998年以降について,上気アニュアルレポートによりフランスにおける再処理費用の推定を行った。
推定結果を表1-1に示す。

で,事業スキームや内外価格差を検討して,日本のコストを2020~24年の5年間平均の再処理操業費用を18百億円/年と算定しており,年間再処理量は800トンであることから18百億円/800トン=2.23億円/トンとして,ほぼコスト構造は日仏で差が無い(=六ヵ所村で事業を推進すべきだ)と結論付けている。

上レポートの数ヶ月後,再処理工場の費用に関して電事連は再びレポートを公表している。

結 論として,905百億円としている。計算の前提が色々書いてあるが門外漢には何処がポイントなのか全く理解できない。。が,総額は計905百億円=9兆円 と云う事の様である。核物質取扱税とか固定資産税とかは這入ってるけど,地元対策費的なものは一瞥しただけだが這入ってないように見える。 

で,この試算からほぼ10年後,福島事故後の2012年に原子力委員が試算をしている。

核燃料処理コスト7兆~11.9兆円 原子力委が試算
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS1902Q_Z10C12A4EE1000/
2012/4/19 20:59
  核燃料サイクルのあり方を議論している内閣府原子力委員会の小委員会は19日、原子力発電所から出る使用済み核燃料の処理にかかる総費用の試算を公表し た。原発の利用を前提にすると、再処理をやめて燃料をすべて地中に埋める「全量直接処分」のコストは割高で、「再処理と直接処分の組み合わせ(併存)」が 比較的安いとの結果になった。
 総発電量に占める原子力発電の比率について「将来0%」「20%」「35%」の3通りを想定再処理や直接処分2030年までにかかる費用を算出した。
 原発の比率が現状維持を意味する35%の場合、費用は「全量直接処分」が11.8兆~11.9兆円と最も高く、一定量を再処理に回す「併存」が9.1兆円と最も安かった。原発比率20%でも、同様に地中埋設の全量直接処分が一番高くなった。
 仮に20年時点で総発電量に占める原発比率をゼロにする場合は、全量直接処分で費用は7.0兆~7.1兆円になる。
  これまで国策として進めてきたサイクル政策を放棄し、米国などが選択している直接処分にすると、使用済み核燃料からウランやプルトニウムを抽出して再び原 発の燃料として使えるようにする再処理工場は要らなくなる。日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)の廃止に伴う費用や、これまでに償却が済んでいない資 産の費用などで、計5兆円の追加費用が発生すると今回初めて試算し、この分、全量直接処分が割高になった。(とは註:つまりもう手を付けちゃったから此処で止めたら損ですよという事である。償却の済んでない資産の費用の内,劣化ウラン等は他の核開発で使える可能性はないのかね?    )
  原発をゼロにすれば、電力の一定程度を原発に頼り、すべての使用済み燃料を再利用するいまの計画よりも、コストは見かけ上、安くなる。ただ、今回の試算結 果は原発比率を下げた場合に、火力発電所や再生可能エネルギーなどで電力を補うための発電コストの増加分を含んでいない。
 19日の小委員会の会合でも委員から、一部の費用の追加や削減など試算の見直しを求める声が出た。試算額は今後、1兆円単位で変わる可能性もある。
 山口彰大阪大学教授(原子炉工学)は「日本がサイクル政策を選んだのはコストが安いからではなく、将来のエネルギーを確保するため。コストだけではなく、将来の国際情勢やエネルギー需給などの不確かさに備えるべきだ」と指摘する。
 原子力委も「今後の議論ではエネルギー安全保障や社会受容性なども評価項目に入れる」(事務局)としている。

2003 年の9兆500億円と云う電事連のレポートは原発発電比率35%で一定量を再処理に回す9.1兆円に近い事が判る。反対派の19兆円とは倍近い差がある。 規模が兆円とかなると不透明な地元対策費や寄付と云った計上されてないであろう額は全体の収益性に対してはそれ程効いてこないのかも知れない。。併し年 20億とか政策経費・補助金・その他諸々に出してたとして運用40年,建設20年,解体40年の100年間支出すると2000億円まあ良い金額ではある。