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20.12.04運開
利根川水系片品川①

流域の水量(m3/s)は面積(km2)に対して3%程度と極めて小さくなっているが,1200~1600mm/年の割りと小雨地帯であることが大きな理 由っぽい。とは言え3%は一寸小さすぎで5%位(私が勝手に編み出した経験則の10km2で1m3/sの基準値から見ると50%)はあっても良さそうな気 もするけど。。
また関東の水甕が榛名山・赤城山より北側にあるのは或る種のリスクかも。いずれにせよ全般的に雨の少ない関東平野である。。ポテンシャルあるところは既に 結構開発され尽くしていると云う面も大きそう。
本項ではこの雨の特に少ない地域,概ね薗原ダム以下を扱う。薗原ダムより上流のその2はこちら

片品川流域の気象(利根川水系砂防事務所)
群 馬県の年間総降水量は南海上から暖湿流の影響を受けやすい榛名山、赤城山で1,600mmから2,000mmと多く、冬期間降雪が多い北部山岳地域で 1,800mm以上となっていますが、沼田、片品では比較的少なくなっています。

地図中片品付近の等雨量線の数字が不明だけど記述を元にすると1200mm程度ってことか。

概念図(途中)である。水色の四角(□)が 既設発電所,水色の丸(○)が 既設取水口である。割りと錯綜していて場当たり的に開発した様な印象を与える。
出典:群馬県

岩室発電所 片 品川取水堰[場 所]
取水:片品川[千鳥発電所]

~平川~
岩室発電所 泙 川(ひらかわ)取水堰[場 所]

~栗原川~
[私案]岩室発電所 栗原川取水堰


当然薗原ダムへの流入量は減ってしまうが,代替措置として薄根川から薗原ダムへの導水等も考えられる。

薗原(そのはら)ダム[国土交通省関東 地方整備局管轄]
着工:1959.4 / 竣工:1965.9 or 66.2 or 66.3
堤高:76.5m、堤頂長:127.600m、
天端幅:15.015m(内、道路幅6.00m)、減勢工延長:123.5m(内、副ダム敷幅34.5m)
容量  総貯水容量:20,310,000立方メートル  有効貯水容量:14,140,000立方メートル
標高
     天端標高:566.500m
  常時満水位標高:564.000m(サー チャージ)
    越流頂標高:558.000m
 夏期制限水位標高:550.00 m
   最低水位標高:543.50 m
コンジット中心標高:533.000m
利水放流管中心標高:522.000m
 副ダム越流頂標高:505.000m
     河床標高:494.000m
   水車中心標高:404.0 m
流域面積:607.6km2 (直接:493.9平方キロメートル 間接:113.7平方キロメートル) (3.3%)
取水:片品川・高 沢川根 利川
放水:白沢発電所(20m3/s)・片品川

~根利川~

利根川水系の根利川。なんか目がちかちがしてくるw
とね川水系のねり川らしい。

さて,ここは根利川発電所(623m取水・564m放水)と薗原ダム(570m取水)が絡み合っててやりにくい場所である。。薗原ダムに水を集めると根利 川発電所の水が減りそうで逆も逆である。

根利川発電所取 水口
場所:623m

薗原ダム根利川取水堰[便覧
場所:570m [地図読み]  (白沢PSの取水位は564.00m)
取水:最大6m3/s[高沢川と併せてか?]

東京電力RP(株) 根利川発電所[水力
群馬県沼田市利根町日影南郷
運開:1920.1[東京電燈(株)]
水路式・流込式
認可最大出力:1,000kW  常時出力: 600kW[60.0%]
最大使用水量:2.23m3/s
有効落差:57.15m
水車:出力1100kW×1台
導水路:総延長1440.3m
流域面積:77.1km2 (2.89%)
取水:根 利川赤 城沢 623.6m
放水:片品川(・薗原ダ ム?)564.14m(目 の前の川はEL539m・だいぶ高い所が放水位となっている。薗原ダムの取水位と僅差なのでもしかすると送水しているのかも)

その辺を先ずは見て行く。中津川の穴藤ダムや矢作川の矢作第二と百々的な状況である。
整理してみると不自然に根利川発電所の放水位が高いので根利川発電所の放流水は薗原ダムで使える様にしてるっぽい。


薗原ダム高沢川取水堰[場所]

開発
薗原ダムへの取水口の上流で一箇所根 利川PSの放 水と上久屋PSの取水の間でもう一箇所検討する。
流域:930m地点取水で35.0km2

[私案]奥根利川発電所
出力:5,200kW[+5.2MW]
水量:1.8m3/s
落差:350m
流域:35.0km2
導水:サイフォン(子捨沢)
取水:新 地川倉 見川支流倉 見川大 立沢 930m
放水: 根利川[薗原ダム取水口] 570m (薗原ダムへの導水にはなるが根利川PSへの水量は減ってしまう。棲み分けは要検討ではある。)


根利川発電所の水を薗原で使わないという前提で考えて 見たが発電量が2,400kW程度しか取れない。保留




東京電力リRP(株) 岩室発電所[水力
所在地:群馬県沼田市白沢町岩室
運開:1915(T4).7[利根発電(株)]
水路式・調整池式
認可最大出力:19,600kW  常時出力:10,500kW
最大使用水量:13.92m3/s(0.33)→増強出来そう
有効落差:158.31m
水車:出力20100kW×1台
導水路:総延長10247.2m
流域面積:416.5km2
取水:片 品川泙 川(ひらかわ) 649.40m
放水:上久屋発電所、片品川 475.66m


群馬県企業局 白沢発電所(薗原第1発電所)[水力
所在地:群馬県沼田市上久屋町
昭和39(1964)年12月19日:運用開始
ダム水路式・貯水池式
認可最大出力:26,600kW  常時出力: 0kW
最大使用水量:20.00m3/s
最大有効落差:151.70m
水車:出力26600kW×1台
導水路:総延長5560.7m
放水路トンネル:延長 2009.816m
流域面積:579.3km2 (3.45%)
取水:根利川→高沢川→片品川[薗原ダム]564.00m
放水:片品川[平出ダム]403.00m→こ れか?・(こ の辺)


平出(ひらいで)ダム[水力
昭和35(1960)年:着手  昭和39(1964)年3月30日:竣工
堤高:40.0m、堤頂長:87.0m
総貯水容量:140.0万m3  有効貯水容量: 50.0万m3
標高 満水位標高:403.00m 低水位標高:400.00m
流域面積:635.3 km2 (3.3%) 湛水面積: 0.16km2
取水:片品川・白沢発電所(20m3/s)
放水:利南発電所(14m3/s)新利南発電所 (7m3/s)

薗原ダム(V= 1,414.0万m3・607.6km2)から白沢発電所経由で20m3/sの水をゲット,V=50万m3で逆調整しつつ利南発電所で14m3/sを利用 という形態だったかと思われる[→平出が薗原の逆調整池とい う表現みっけた]が,近年(2011年)に低落差・7m3/sで新利南PSが運開。
白沢の水+αを使い切れるようになった。

群馬県企業局 利南発電所(旧薗原第2発電所)水力
昭和39(1964)年4月28日:運用開始
ダム水路式・調整池式
認可最大出力:5,300kW  常時出力:900kW
最大使用水量:14.00m3/s
最大有効落差:46.10m
水車:出力5300kW×1台(水車中心標高:352.45m)
導水路:総延長291.319m・放水路:総延長2351.728m
取水:片品川[平出ダム]403.00m
放水:片品川[伏田発電所]353.00m

群馬県企業局 新利南発電所[水力
運開:2011.7.14
ダム水路式・調整池式
認可最大出力:1,000kW 常時出力:270kW
最大使用水量:7.00m3/s
最大有効落差:20.49m
水車:2台 総出力1000kW 発電機:2台
導水路:(利南発電所設備を使用)
調圧水槽:(利南発電所設備を使用)
取水:片品川[平出ダム]403.00m
放水:片品川379.00m


東京電力RP(株) 上久屋発電所[水力
群馬県沼田市上久屋町
運開:1925(T14).6[利根発電(株)]
水路式・調整池式
認可最大出力:19,000kW  常時出力: 7,300kW
最大使用水量:20.00m3/s
有効落差:116.44m
水車:3台 総出力19800kW
導水路:総延長12349.3m
流域面積:695.0km2 (28%)
取水:片 品川[取水堰]/[岩室発電所](13.92m3/s)白 沢川、薄根川、他 476.96m
放水:片品川[伏田発電所]353.59m

調整池はダムの上部にあるこ れ(474m)らしい。西日本にはあんま見かけないけど信濃川とか東日本ではたまに見かける。大正時代に既にこの規模の発電所が出来て他のなかな かだな~。

さて,面積に対して水量が小さい。。冒頭で見た様に雨量は少なめである。。
そもそも関東の奥地は降雨量では無く面積で稼ぐ地域である。
とはいえ面積水量比は5%程度を想定したい。


~薄根川~
さて,上久屋発電所では薄根川辺りからの取水も出来るのでは無いかと思った が,水力さんに拠ると    薄根川からも取水しているようだ。(地図上でそれらしいのは確認出来なかった。こ れとか?)
桜川との出合付近から上流で70km2
薄根川:70.0km2



片品川の支流ではないけど取水出来そう。先ずは平出ダムに送った(橙線)けど岩室PS 片品川取水堰650m(赤線)でも 良いかも知れない。
岩室発電所に栗原川の水を送れそうであるが,薗原ダムへの流入量が減ってしまう分,こちらで補填出来そうである。面積もほぼ同じで遜色なし。
栗原川合流部辺りで発電して,そこから薗原ダムに向けてもう一度発電しても良いかも知れない。発知川・四釜川の面積を併せて沼田の方で発電もあり得るか も。
今後の検討課題である。


[私案]薄根川発電所
場所:こ の辺の地下か?
出力:6,200kW[+6.2MW]
水量:2.5m3/s
落差:300m
流域:47.7km2
導水:8.1km+2.7km(桜川)
取水:薄根川(赤倉川合流)・桜川706m
放水:根利川[平出ダム]403m




さて上久屋発電所直下(片品川353m)で上久屋発電所20m3/s・利南発電所及新利南発電所21m3/sの41m3/sがある。
この下流の伏田発電所では22.54m3/s取水するので猶残り20m3/s程未利用のまま放 水されている事になる。

伏田発電所根利川取水堰
場所:351m
取水量:22.54m3/s

東京電力RP(株) 伏田発電所[水力] [DB
群馬県利根郡昭和村川額
運開:1926(T15).10[東京電燈株式会社?]
水路式・調整池式
認可最大出力:13,000kW   常時出力: 5,300kW[40.77%]→結構高い。ここから見ても水は未だあって増強は可能っぽい
最大使用水量:22.54m3/s
有効落差:68.10m
水車:2台 総出力13420kW
導水路:総延長6741.1m
流域面積:634.4km2 (35.5%→71.0%[流石に一寸高すぎるか。。])
取水:片品川[上久屋PS(20.0m3/s)・新 利南PS(7m3/s)・利南PS(14m3/s)]351.47m
放水:利根川277.99m

と云う事で伏田P/Sの 現行導水路が取水していない(様子の)台地からも取水しつつ同じ調 整池迄水を引っ張って来て発電力倍増を試みる。


[増強私案]伏田発電所(3号機増設)
水路式・調整池式
認可最大出力:26,000kW[+13MW]   常時出力: 5,300kW[20.38%]
最大使用水量:45.1m3/s[+22.5m3/s]
有効落差:68.10m
水車:2台 総出力13420kW+ 13500kW1台
導水路:総延長6741.1m(並行路要建設)
流域面積:634.4km2 (35.5%→71.0%[流石に一寸高すぎる?])
取水:片品川[上久屋PS(20.0m3/s)・新 利南PS(7m3/s)・利南PS(14m3/s)] 351.47m
放水:利根川277.99m