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新しい九州の電力供給体制
九州電力管内再生エネ接続

参考文献:
[1] 2014(平成26)年12月16日九州電力株式会社再生可能エネルギー接続可能量の算定結果について
[2]
西日本ベース電源
※2 負荷変動に対して、ボイラーやタービンが安定して追従(動的運転)できる出力範囲の下限
※3 出力一定運転を前提として、ボイラーやタービンが安定的に運転を維持(静的運転)できる出力範囲の下限

社名

発電所名
所在地
最大出力
(MW)
各ユニット仕様・詳細
その他・備考
No. 単機容量
[九電受電分]
LFC
最低出力
最低出力
運開
年月
発電
効率
発電
種別
使用
燃料


三隅 浜田市三隅町岡見

2,000

1号機
1,000


1998.6

USC
石炭
2 号機は400MWで計画され着工延期されていた
その後電力不足を機会に1000MW に増強の上建設が決定。
2号機 1000

2022.11予


松江原子力
松江市鹿島町

(820)
(→2,193)
2号機
820


1989

BWR
原子力

3号機 1373

未定
ABWR
電発
竹原
竹原市忠海
600
新1号機
600


2020.6

USC
石炭木質バイ(10%)
嘗ての中四幹線のお膝元にあるが意外にも九電への供給は無し
合計
2700(新設石炭完成後:4300)


四電 橘湾 徳島県
阿南市
橘町
700 1号機 700

2000.6
44%[L]
USC
石炭 四電と電発の発電所が隣接している。
関電への
電発 橘 湾火力

2100
1号機
1,050
[47]

368[16]
2000.7
45%[L]
USC
石炭
2号機 1,050
[47]

368[16]
2000.12
45%[L]
USC
石炭


西条
愛媛県
西条市喜多川
406
→800

1号機
156
→500


1965.11
→2022予

USC 石炭木質 バイ(2%以下)

2022年運開予定で1号機のリプレースを計画
(バイオマスはどうなるのかね?)
伊方

890
3号機
890





原子力
合計










電 発
松島火力
長崎県西海市
1000
1号機
500
[187]

250[91]
1981.1
42%[L]
SC
石炭 石炭火発で初のSC
2号機
500
[187]

250[91]
1981.6
42%[L]
SC
石炭


松浦
松浦市
志佐町
白浜免
開発 700
(1700予)
1号機
700
280
105
1989.6
40.7
SC
石炭 隣接する電発松浦火力と併せ「東洋一の石炭火 力」と称された。
(九電2号機と併せて計3,700MW,中電碧南火力が4,100MW。)
九電2号機は2001.4には工事が開始されたがその後中断。
運用開始時期が2023年以降に変更となった。
その後計画が早められ2016.1工事再開,2019.6に運転開始した。
2号機
1,000


2019.6
46%[L]
USC
電発
松浦火力
瀬崎 2,000
1号機
1,000
[378]

400[147]
1990.6
43%[L]
SC
2号機 1,000
[377]

350[126]
1997.7 44%[L]
USC


苓北 熊本県天草郡
苓北町
1,400 1号機
700
210
105
1995.12 42.1%[H]
SC
石炭 構内に余熱を利用した海水から食用塩を製造する設備あり>>wiki
2号機
700
210
105
2003.6
42.8%[H]
USC
玄海

2,360
3号機
1,180


1994.3

PWR
原子力 2018年再稼働
4号機
1,180


1997.7

PWR
原子力
川内

1,780
1号機
890




PWR
原子力 2015年再稼働
2号機
890




PWR
原子力
九州合計
10,240
九電石炭計:3,100MW 九電原子力計:4,140MW 九電合計: 7,240MW 電発合計:3,000MW 石炭合計:6,100MW
九州老朽石炭(SC)計: 3,400MW(内 九電合計:1,400MW 電発合計2,000MW)

水力[1]
分類
概要・運用
出力※1(MW)
設備容量(MW)
その他
流込式 河川流量をそのまま利用する発電方式。流込流量に応じ、ほぼ一定の出力で運転
265(自社172、他社93※2 512(自社:302、他社:210※2) ベース
調整池式
調整池容量見合いで、多少の需要変動に対応し出力を調整
258(自社:144、他社:114) 996(自社:704、他社:292)
中間
貯水池式
貯水容量が大きく豊水期に貯水した水を渇水期に使用できる
原則、需要のピーク時間帯に発電
0
393(自社:273、他社:120)
調整力


523
1901

※1 再エネの出力が最大となる5月13時の供給力※2 他社購入契約分(小水力)含む

九電の調整力
施設名
所在
種類
出力
容量
揚水動力
上池保有量

運開
その他備考
小丸川(おまるがわ)発電所 宮崎県 揚水発電 1,200MW
 1号機:345MW
 2号機:318MW
 3号機:318MW
 4号機:345MW
8,400MWh
[7h]

1,320MW
 1号機:330MW
 2号機:330MW
 3号機:330MW
 4号機:330MW
11,030MWh
[8h]


76.1% 2007年7月運開
(1号機300MW)
※最大出力運転を7時間継続できる様設計(wiki)

「可変速揚水発電システム」を採用したとのこと(ブロ グ)
高低差:650m程あるらしい。

水量:560万立米
天山(てんざん)発電所 佐賀県 揚水発電 600MW
(300*2)
3,600MWh
[6h]

650MW
(325*2)

4,700MWh
[7h]

67.9%
1986年12月運開 約6 時間に亘って発電できる(九 電)
大平(おおひら)発電所 熊本県 揚水発電 500MW
(250*2)

522MW
(261*2)

5,300MWh
[10h]


1975年12月運開
豊前蓄電池変電所 福岡県 NAS電池 50MW
300MWh


2016年3月運開(実証実験) 実証実験報告書 (2017年2月)
200億円程度らしい(ソー ス)
出力合計


2,350MW
12GWh以上





尚,[1]に拠ると定期点検状況は以下の如し。ほぼどれか1台は使えない状況と見た方が良さそう。

年間の点検台数[/年]
停止期間[/日]
オーバーホール
1台程度
240日程度

発電所名
立地
定格出力
(MW)
ユニット名
出力
LFC
最低出力
最低
出力
運開
発電方式
燃料

新小倉 北九州市小倉北区 1,800 3号機
4号機
5号機
600
600
600
220
220
150
120
120
120
1978.9
1979.6
1983.7

LNG 小倉発電所は1963年11月30日廃止
1961年に1号機が運開、1・2号機は廃止済
九州電力では初めてのLNG専焼
新大分
大分市
2,295
(→2,775)
1号系列
115*6
83(1軸分)
35(1軸分)
1:1991.6
2-1:1994.2
2-2:1995.2
3-1:
1998.7
4:2016.7
CC
LNG 九電では初めてのコンバインドサイクル発電方 式

2号系列
217.5*4
108(1軸分)
54(1軸分)
ACC
3-1系列
245*3
147(1軸分)
61(1軸分)
ACC
3系列第4軸
480*1
192(1軸分) 120(1軸分)
MACCII
合計
4,095









2014年での風力接続可能量ケース1000MWのケースを[1]では検討している。

o 上述のLFC調整力確保等を考慮した火力発電の抑制状況は以下のとおり。
【最低需要※1発生日(5月12日:7880MW)】
※1  「最低需要」とは、晴天日のうち、GWを除く4、5月の日曜日13時(12~13時1時間平均) の中で最も小さいもの


認可出力
出力
稼働ユニットと出力
自社火力★3
石炭
2,460
105
苓北2 10.5(最低出力)

LNG
4,575
729
新小倉5 LFC下限(150) + LFC容量(45)
新大分1(2軸/6軸) LFC下限(166)+ LFC容量(26)

新大分2(1軸/4軸) LFC下限(108)+ LFC容量(47)
新大分3(1軸/4軸) LFC下限(147)+ LFC容量(40)
─────────────
LFC調整力158MW

石油
3,250
0

他社火力
広域
1,223
0


内域内 1,129
0


内域外 84
0


その他
1,016
90
大分共同火力 : 新日鐵住金大分製鐵所の生産活動によって生じる副生ガスを発生量に応じて発電
合計
12,524
924


実際,石炭火発も大胆に止めてやるようだ。
実際の電力需要7880MWに対して火発は924MW。最低出力で運転の火力達を最大に上げて700+600+230+217.5+245=1992,5MW揚水は2000MW程。調整池式と貯水池式で合計1.4GW
8GW弱の内これらで5.4GWである。残りは地熱で0.2MW,原子力で4.4GW,関門連系線0.13GWで結局8GWは余裕でカバー出来ると云うことのようだ。(逆に云うと幾ら再エネを導入しても再エネ発電量がゼロになっても完全に火発でバックアップできるようなルールが存在??)

ここで関門連系線に関してはこんな感じ。

[関門連系線の空容量]
出典:[1]

○運用容量は、季節・時間帯、運用状況によって、以下のうち、小さい値となる。
o 運用容量から計画潮流※1を差引いたものが空容量となる。
※1 ESCJの連系線利用計画に計上されたもの

(1)熱容量面 2780MW(1回線)
(2)周波数面
①九州域外60Hzエリアの周波数維持面九州域外60Hzエリアの周波数維持面から、関門連系線の運用容量(東向き)は、1990MW
②九州エリアの周波数維持面
九州エリアの周波数維持面から、連系線潮流450MWを超える場合は、関門連系線のルート断時に、九州エリア内の電源制限を実施(※2)。
再エネ大量接続時、九州エリアの電源制限の対象となる広域電源や当社電源が予め停止している断面では、連系線ルート断時の、九州エリアの周波数維持のため、関門連系線の運用容量(東向き)は 45万kW。

関門の熱容量は2780MWもあるのに運用容量は1999MW(中国等の周波数維持に必要)で,九州エリアの周波数
維持から450MWに減る。更にこの内320MWは計画潮流見込み量であり残りは僅か130MWである。。

上記資料だと130MWと云うふざけた数字であったけど4年後の2018年には10倍程に増えている。なんだやれば出来るやんけ。

2018/10/09 13:00
九電、関門連系線の最大活用で太陽光へ出力抑制を回避
https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/news/16/100711564/
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ、工藤宗介=技術ライター

 電力広域的運営推進機関(以下、広域機関)は10月1日、九州エリアの太陽光発電所で発電した電力を中国以東のエリアへ送電するための「長 周期広域周波数調整」を実施したと発表した。

 今回の措置で九州電力が関門連系線から中国電力エリアに送電できる容量は…(1125MW)だった。これまで同社が見込んで いた関門連系線の活用量は…(130MW:とは註2014年資料の数字はこれ)で、今秋の太陽光 に対する出力抑制の想定量を「1回当たり…(数百MW)」と していたことを考慮すると、広域機関の仲介による「長周期広域周波数調整」を実施したことで、太陽光への出力抑制(出力制御)が回避されたことになる。 (とは註:関門連系線の活用量を増やしたということらしい)

 「長周期広域周波数調整」は業務規程第132条に基づくもので、需給バランスの調整力が不足すると予想された際、広域機関が一般送配電事業者(とは註: 今回は九電)からの要請により、関係する他の一般送配電事業者(とは註:今回は中電等西日本5社)に打診して行う。実際に実施されたのは広域機関設立後、初めてという。

 具体的には、九電から9月30日に、下げ調整力不足時の対応として長周期高域周波数調整の要請を受けたことから、対象となる関門連系線の未利用領域(今 回は全容量)を活用して中国以東へ送電するために、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力の5社に周波数調整を要請した。実施日時は10月1 日9時から14時30分までの合計11コマで、最大量は112.5万kW。

 九電によると、1日は台風通過後で天気が晴れと予測され、太陽光発電の発電量が増加して供給が需要を超える見通しになった。その一方で、台風の雨による増水で揚水発電を用いた電力調整力は期待できず、また台風の通過後 は気温が下がって空調利用が減って電力需要が伸びないと予想されたという。

 今後、今回のような関門連系線を活用した需給調整でも九州エリアに電力が余る場合は、太陽光に対して出力抑制を実施する可能性がある。(とは註:その後実際に実施されている)。

 電力系統間をつなぐ連系線の利用ルールは、10月1日にこれまでの「先着優先」から「間接オークション」に変わった。間接オークションでは、予備力・調 整力および潮流抑制のための容量(マージン)を原則ゼロとし、すべての連系線容量を取引市場を通じて割り当てる仕組み。…

先ず老朽化する電発・松島1・2号機1000MW電発松浦1号機1000MW苓北1号機700MWを廃止したい。とはいえこれは春対策には余り意味が無さそう。最低需要には元々停まっているからである(ソース)。
とはいえ九電は域内のベース供給量1265MW(苓北1の全部と電発分の一部)を失うが,域内の再エネ接続量にこの2700MW分を空けられる事になる。

九州本土(離島除く)の風力の接続・申込状況は以下の通りである。関電も中電もそれ程目覚ましい再エネ賦存がないからこれらの再生可能エネは積極的に利用しつつ,石炭火発をこれらの風力で補い廃止したい所である。
上記3発電所4機の内,九電供給分は1,452MWである。稼働率20%と厳しめに見積もって,1452MWを確保するには7.5GW程であるが,まあしたのでみると希望込み全体で16.9GW程あるので容量的には大丈夫そうである。
取り敢えずはこれらを①中四国・関西・中部・北陸にスムーズに送れる送電罔を整備すること,それでも足りなくなったら②蓄電能力を確保すること,の2点である。
出典:九州配送電
一方で飽和気味の太陽光は頭打ちである,,
勿論開発が早い太陽光発電の特色かも知れないけど,南九州地区の豊富な資源量が無制限出力制限で抑制されているなら問題である。。
アメリカやオーストラリアなんかで流行りつつある太陽光+蓄電池を南九州で出来ないだろうか??
出典:九州配送電


と云う事で,未来への投資としては以下の2点を提案としたい。

①に関してはやはり四国と繋げば一気に倍増できるんちゃうか。(九四連系線妄想はこちら)
現状(拡大後)で1125MWである。
四電送電罔に関し四国中央西幹線には750MWの空き容量がある。東幹線でも500MWである。 https://www.yonden.co.jp/nw/assets/line_access/mapping1.pdf
こちらも700MW程追加で行けるとN-1電制,位相同調機設置など相乗効果で更に大規模に送電出来るのではないか?

②に関しては西日本中の再生可能エネが一気に発電量0になるようなケースは先ずあり得ないと思うがそのルールがあっても行けるにはどうなるであろうか?
夏ピークの発電量と冷房需要は高く相関するので余り心配はしていない。寧ろ,夏は毎日日中の発電を貯めて夕方以降に使いたいぐらいである。
その分必要な待機調整力は少なくて済むであろう。
関電の調整力(LNG6.5GW・揚水5GW),中国電力の調整力(4GW程度)北陸での揚水開発等,各所の議論も参照されたし。