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と はずがたりな掲示板(利 水スレ電 力スレ)
22.217更新
21.6.14修正

20.9.23運開

富田川の電源開発かも(+14.5MW)


今は水力発電が未開発の富田川である。漁協の頁にも
>延長46kmの県 下唯一ダムの無い川として人気のある二級河川です。
と誇る清流である。強調はとはずがたり。

有田川から古座川まで似たような河川が核となるダムが出来て水力発電も行われているのに此処は未開発の侭残されたようである。それはそれで見識であるとは 思うが。。水害が深刻ではなかったのであろうか?(→いや,調 べて見ると苦労はしてきてるようである。。)

治水プロジェクトで対応しているようだ。[国 交省
○富田川流域において、平成23年台風12号(紀伊半島大水害)と同規模の水災害による被害を軽減するための治水対策を行うとともに、流域における事前防 災対策を推進し、浸水被害の軽減を図る。
出典:国 交省

まあダムはこれが巧く行かなかった場合,かな。標高は例によって低いので上流部にダムを建設して流域全体の流量を安定化しつつ発電に供したい所だが。。

【兵生】    

和歌山県田辺市の旧中辺路町,その富田川の上流に兵生(ひょうぜい・ ひょうぜ,とも)と云 う場所がある。

詰まり兵生は未開発の川の上流に位置する廃村という訳である。
ただ単なる上流というのは一寸表現が穏やかすぎるかもしれない。紀伊半島を周回する重要な国道R42から分岐するR311は中辺路の現代版であり富田川に 絡み合って全くの山の中を遡上していくが,そのR311が日置川方面へ抜ける為に水系を離脱するそのどん詰まりの聚落が入口となるのである。


既に廃村となり半世紀近いと云う。
[みちとおと

伝説「兵生の松若」を生んだ集落だが、昭和49年(1974年)に廃村となってい る。…
「車で通れるのに。この道は山路(さんじ・龍神村のこと)まで続いて るんやで」

兵生の若松はこんな話しだそうな
https://www.michi-oto.com/densetsu/hyoze-matsuwaka/ https://www.nichibun.ac.jp/YoukaiCard/0700346.html


南方熊楠ゆかりの地 » ゆかりの地 » 兵生
https://www.minakata.org/relatedspot/relatedspot/hyozei/
>その後過疎化が進み、1974(昭和49)年4月には集落再 編成事業 で、当時残っ ていた26戸75人が、中辺路町川合の朝来平に集団移転し、無住の地になってしまった。
>小・中学校の分校も当然廃校になった。広大な国有の原始林も、昭和 30年代にすでに伐り尽くされていた。


場所はこ の辺。R311福定から這入れるようだ。

無住の地という事でグーグルも近寄らない。

グーグルの最 接近ポイント

福定の聚落の国道からの入口である此 処から入るのが正則らしい。

逆も山路側からも少なくとも2013年時点では這入れたようだが,グー グルカーはこちら側も当然のように侵入無し。だらしないのぉ。。

上のレポ([みちとおと・2013年の記事)だと通り抜け 可,となっていて山作業や公共事業の人がちらほら作業して居る様だけど既に無人同然の土地である。

和旅チャンネルのわたおさんが2021年?に坂泰(丹生ノ川・龍神)側からチャレンジした時の動画がこれ。

延々と未開発の無人の地帯が拡がって居るようである。
開発したい!

なお,これまで開発が行われてこなかったのはシンプルに標高が低いと云う事に尽きるのではないだろうか?無住化の一つの理由は近年では縦横無尽に国土 を走り回っている国道はおろか県道にすら見放されたというのも大きそう。
無住になってから林道が開通する樫山みたいな矛盾もある道路政策には疑問も強い(寧ろ通いで畑の管理を出来る様にするために積極的な無住化策なら評価出来る) が,遠くはあっても山が高い訳では無い。
中辺路町川合付近でも僅 か109.6mしかない。低いし狭いしなかなか水力発電するには厳しい水系である。

ダム無しで何処迄開発出来るか検討してみる。


さて,電源開発検討開始。基本的に上流で取水して思いっきり下流で発電すると云うシンプルなプランを計画。取水量は少 なく出来るので途中の鮎業者にも優しいであろう。   

地点A.入口地点,風 呂谷186m
ここからの流域面積は32km2

ダムをつくれば3.2m3/s程行けるであろう。無人の何処迄も拡がる山と思ってたらまあ意外に狭い。
しかも取水点は200m 以下。これで大体電源開発されなかった理由は察しである。。

標高を上げて地点B.村の中程,宮 代谷278.5m
流域面積は22.4km2である。まあ多雨地帯だし強気に2.2m3/sって所か。

先ずは導水距離を無視して出力(落差)だけみれば常にB有利が成立する条件を数学的に導出したい。Xを発電地点の標高に発電上の必要落差を足した標高だと すると
Aの出力=9.8*(186-X)*3.2*η
Bの出力=9.8*(278.5-X)*2.5*η
となる。
一次方程式だから交点は一箇所であり,有利な地点の転換が起きても高々一箇所である。
これを解くと 9.8*(186-X)*3.2*η=9.8*(278.5-X)*2.5*η ⇔ (186-X)*3.2=(278.5-X)*2.5 ⇔ X=-144.35 となる。詰まり X>-144.35mでマイナスだから海面下であり常にBが有利なのである。

とはいえ,22km2では発電力が知れてるのは目に見えてる。水量を3.0m3/sとしてカスケードして水量増やしつつ海面近く迄持って行ってトータルで どうかと云ったところである。
落差を278mとれても最大7,100kWであり,まあそんなに落差は取れる筈も無く,半分の140mでも3,500kW程度になってしまう。。

落差を目一杯取るとこんな感じにはなるが,今度は導水距離が余りに長くなってしまう。。

[私案]冨田川第一発電所
出力:7,200kW[+7.2MW]
水量:4.5m3/s
落差:190m
面積:30.1km2(内:小守谷・成川谷4.7km2)
導水:10.8+2.6(小守谷・成川谷支線)=13.4km()
取水:富田川(兵生)石黒谷品井原谷・中川[小守谷成川谷] 280m
放水:冨田川(栗巣川)85m

品井原谷から導水路が迂回してるのは皆(かい)ノ川谷が低いのを避ける為である。皆ノ川から温(ぬるみ)川への峠はEL.294mしかない。どうせ中川をサイフォンで越えるので皆ノ川含め一気にサイフォンにしてもよい?


富田川兵生より下流の検討に移る。右岸で小川谷川・内の井川等で取水して山の尽きる鮎 川新橋41.4m辺りで発電する(こんな感じ)よりは,取水は出来ないが左岸の方が素直に標高の低 い市が瀬32m迄 流せる。
滝尻付近の富田川と石船川に取水堰を設けて87m程度から取水。


富田川第二発電所
流込式
出力:7,300kW[+7.3MW]
水量:16m3/s
落差:54m 
面積:125.1km2。
導水距離:8.0km
取水:富田川(滝尻)・石船(いしぶり)川 EL.83m(取水位:87m)
放水:富 田川[市の瀬]30m

こちらは導水距離はまだましだがそれでも足りない感じ。やはり紀伊半島,長年の多雨で山が削られてしまってて標高が足りない。今280mから30m迄の 250mを2箇所でやって20km2なので長すぎる。70mづつ3箇所でやって7km程度に抑えて出力を上げられないか考えて見たけどまあ難しそうであった。斯くして富田川はダムなし,水発なしでそのままにしておくのがよさそうであった。

諦めきれずもういっちょ下を考えると結構だらだら白浜の方迄流れていくので太平洋直結の方が良いかも。但し既に標高30mなのでまあ実現可能性は薄いかな。。
洪水対策の放水路に併置してって感じでどうだろう?まあ保留で。

[妄想案]富田川ダム建設パターン

今,兵生を含む福定の人口を調べるとこんなものである。

和歌山県田辺市中辺路町福定[人 口統計ラボ
面積: 39,680,126.241 ㎡
人口総数: 57 人 世帯総数: 32 世帯

国道沿いの宮 ノ平に住んでいる方々が大半であると思われるが,32世帯なら立ち退きも不可能では無い規模だとして,且つ冒頭で見た様に,ダムを造らないと しゃーないとコンセンサスが出来た時に限るが,ここにダムを造るケースを考えて見る。


堤頂長250m程度必要で満水位220mとすると湛水面積843,329m2となる。利用水深10mとしてV=850万m3って所である。まあ大きくは無 い,,

夏期はこの量を洪水対策で確保し秋に水を貯めて冬は大事に使って春先に貯水量をゼロにして貯め始める運用になろうか。

[妄想案]富田川ダム

[妄想案]富田川第一発電所
出力:6,600kW
水量:6.0m3/s
落差:130m
導水:6.5km
取水:富田川[富田川ダム]220m
放水:富田川[栗 巣川]85m

標高は下がるが水量を増やして一寸だけ出力増強出来るかも。