電力 総研 水力あれこれ とは掲(発 電スレ 利 水スレ)
安曇川[現況篇開発篇
21.5.29リプレース
20.10.26運開

淀川水系安曇川関連(おまけ:河内川ダム=福井県)[開発(妄想)篇]

そういえば学生時代にこの辺ドライブしてて水力発電所見かけたような微かな記憶が。。
R367鯖街道は我ら(サークル連中)のテリトリーの一つであった。

現在ある発電所は3箇所。
1.概況(朽木雨量) 2.流域 →訪問 篇で 3.増強・新設 4.おまけ:若狭・河内川ダム
の順で見て行く。

1.概況


琵琶湖(85m)
|<46m>
荒川発電所[1921運開・1982出力増加](131.06m)・安曇川取水口(北川・麻生川合流 点)(160.77m)[11.13m3/s] (269.2km2)4.13%→※0…使用水量僅少[+2.4MW]
|<53m>※1…開発余地に加え,北川・麻生川からも引っ張って来て発電[私案・朽木発電所][+6.6MW]
栃生発電所[1924運開・1990出力増加](213.65m)・安曇川取水口(255.28m) [4.27m3/s](145.2km2)2.94% →※0…使用水量僅少[+1.43MW]
|<75m>※2…開発余地に加え,支流を使った発電[私案・葛川発電所][+5.5MW]
中村発電所[1923運開](330.75m)・安曇川・アシビ谷取水口(448.40m) [1.11m3/s](30.8%)3.60%→※0…使用水 量僅少・※3…中村発電所の増強(引水)

開発余地と流量…さしあたって諸元等。水量が少ないのが目に付く。。
この辺は雨が少ないのか?今津で年間 1800mm程あるらしいんだけど。。

いやいや下の滋賀県庁?の 資料に は「安曇川合同井堰ができる前は、比較的小規模な6つの井堰から、潤沢な安曇川の用水を取水していました。水が引きやすく排水も良好なこの土地では、…」 と書いてある。→朽木の雨量を調べてみた。2500mmは期待持て る。

先ずは降水量の確認から

朽木平良 年ごとの値 主 な要素[気 象庁]
降水量(mm) 気温(℃) 風向・風速(m/s) 日照
時間
(h)
雪(寒候年・cm)
合計 日最大 最大 平均 最高 最低 平均
風速
最大風速 最大瞬間風速 降雪の
合計
日降雪の
最大
最深
積雪
1時間 10分間 日平均 日最高 日最低 風速 風向 風速 風向
2005
/// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// ///
2006
1547 ] 67 ] 29 ] /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// ///
2007
2086 83 46 /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// ///
2008
2214.0 65 44.5 /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// ///
2009
2257.5 116.0 60.0 13.5 ] /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// ///
2010
2214.5 101.5 42.5 10.5 /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// ///
2011
3624.0 313.5 40.5 15.5 /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// ///
2012
2508.5 139.5 60.5 24.5 /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// ///
2013
2596.5 282.0 46.0 15.5 /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// ///
2014
2628.5 218.0 79.5 24.0 /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// ///
2015
2647.0 316.5 39.0 18.0 /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// ///
2016
2278.5 112.0 32.0 13.5 /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// ///
2017
3077.5 258.0 51.5 13.5 /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// ///
2018
3015.0 ] 276.0 ] 79.5 ] 22.0 ] /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// ///
2019
2188.5 162.5 51.0 13.5 /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// ///
2020
2379.0 101.0 37.0 10.0 /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// /// ///
寒候年とは、前年8月1日から当年7月31日までの期間のことです。例えば、2008年寒候年は2007年8月1日から2008年7月31日までの期間を 示します。
値 欄の記号の説明

平均年雨量は2,500程度と云った感じである。

琵琶湖に流れ込む扇状地では水はけが良く涸れ川を見ることが出来るが,この辺の山の中は普通に流れてるし,そんなに大量の水を使ってる風にも見えない。

既存の3発電所はいずれも戦前派で下流の2発電所は1980~90年代に増強工事を受けている。戦前の設備が基本で取水量が小さく,改造も抜本的なもので はなかったと判断して雨量从って
水量に問題は無いと判断する。

25/30=0.83を流域と水量の係数にする。

2.流域

農業用水は此処でも要配慮。矢張り山からの出口に合同井堰がある。

安曇川合同井堰[場所 129m]
出典:滋賀県庁?

荒川発電所[水力]
関西電力(株)
運開:1921.9[京都電燈(株)]
水路式・流込式
    認可最大出力:2400kW      常時出力: 850kW
    最大使用水量:11.13立方メートル毎秒
    有効落差:26.05m
    水車:2台 総出力3000kW
    導水路:総延長1399.3m
    流域面積:269.2平方キロメートル
    取水:安曇川160.77m
    放水:安曇川131.06m

※0:流域面積が269.2k2mもある。最大使用水量は11.13m3/sは涸れ谷なんかも目立つ琵琶湖西岸に於いても少ないのではないか?
①朽木の年平均雨量が2,500mm程度で係数を0.83とすると22.3m3/sは取れる筈。→倍増出来る。
導水管は倍増の為にもう一本,若しくは堀直さないとダメだろう。→1.4km

②直ぐ傍に奥山ダムがある,川を跨いで持って来れないか?
~一ノ瀬川~

奥山ダム [滋賀県](おくやま)[便覧
河川     淀川水系一ノ瀬川
滋賀県 目的: A
堤高/堤頂長/堤体積     23m/220m/206千m3
流域面積/湛水面積     3.4km2 ( 全て直接流域 ) /10ha
総貯水容量/有効貯水容量     727千m3/564千m3
着手/竣工     1963/1971

導水距離2.62km 流域面積3.4km2で0.3m3/s程。これは一寸難しいかな。。


①のみ実行。

[増強案]荒川発電所
出力:4,800kW[+2.4MW]
水量:22.6m3/s(+11.47m3/s)
導水:1.4km (1.71)

<未利用落差53mあり>※1

栃生(とちう)発電所[水力
関西電力(株)
運開:1924.1[京都電燈(株)]  出力増加:1990.5(1370kW)
水路式・流込式
    認可最大出力:1,370kW      常時出力:514kW
    最大使用水量:4.27m3/s
    有効落差:40.18m
    水車:出力1456kW×1台
    導水路:総延長3398.1m
    流域面積:145.2km2
    取水:安曇川255.28m
    放水:安曇川213.65m

ここも12m3/s程は期待出来る。但し導水路延長が3kmもあって途中で水を使いたい人が居るかもしれない。この辺が導水距離僅か1.4キロの荒川とは 違う。
とはいえもう一本3.4kmの導水トンネル建設して倍増させれば2,800kW[+1.43MW]には出来そう。効率は0.42。まあ大丈夫だろう。

[増設案]栃生発電所認可
最大出力:2,800kW[+1.43MW]
最大使用水量:4.6m3/s(+2.33m3/s)
導水路増設:3.4km (0.42)

この発電所の直ぐ脇に横谷があるがその林道には長めのトンネルがあってインパクト有り。湖西線の北小松~高島間に出ることが出来る。何がインパクトあるの か忘れてたけど照明がなくて真っ暗らしい[クイック]。広域基 幹林道鵜川村井線か。

<この間未利用の落差75m>※2…開発余地に加え,支流を使った発電

中村発電所[水力
関西電力(株)
運開:1923.8[京津電気鉄道(株)]
水路式・流込式
認可最大出力:880kW      常時出力:430kW
最大使用水量:1.11立方メートル毎秒
有効落差:109.19m
水車:2台 総出力1006kW
導水路:総延長4862.8m
流域面積:30.8平方キロメートル
取水:安曇川→アシビ(足尾)谷(448.40m)
放水:安曇川(330.75m)

5キロの導水でも0.88kWしか増えないのでここはそのまま。


3.増強

※1[新設構想]朽木発電所[こ の辺の地下
出力:6,600kW[+6.6MW]
水量:17.7m3/s=12.5(安曇川)+5.2(北川・麻生川)
落差:45m
取水:安 曇川(210m)北 川麻 生川(211m)
放水:安 曇川(161.0m)
導水路:11.7km(=安曇川ルート[朽木川渡河あり]8.55km+北川麻生ルート3.15km)[比0.56]


北川・麻生川流域
64.5km2・朽木村の雨量を適応した8.3%だと5.2m3/s。

栃生発電所取水堰より下流の流域面積:11.57km2。栃生P/Sの集水面積が145.20km2なので朽木P/Sの安曇川集水面積は 156.77km2
先程の83%を適用すると12.5m3/s。

朽木川の利用を諦めるなら左岸ではなく右岸で導水距離を縮められる。7.3km・12.5m3/s・45mで4,600kW・0.63である。大掛かりな 朽木川の渡河も無くせるし効率も高まる。

※2 [私案]葛川(かつらがわ)発電所
出力:5,500kW[+5.5MW]
水量:9.1m3/s
落差:参考案64m 採用案73m
面積:採用案:109.2km2 [中村発電所流域:30.8km2 安曇川追加流域:15.3km2 久他流域:63.1km2]
参考案:
取水:本導水路[安 曇川(中村町)江 賀谷鎌 倉谷居 町谷(仮称)]・朽木側導水路[久 多川針 畑川]334m 8.8km+0.6km=9.4km 放水:安 曇川(葛川梅ノ木町)(270m)
採用案:
取水:本導水路[安 曇川(中村町)江 賀谷久 多川針 畑川]334m 9.0km 放水:安 曇川(葛川貫井町)(256m)

調べてみると久多川特にその支流の針畑川が広い!

久多流域:63.1km2


安曇川追加流域:


おまけ:若狭北川水系河内川ダム
<75m>※2…開発余地に加え,支流を使った発電
安曇川と接して北川が日本海へ流れている。割りと地味に分水嶺している。その流域に小さな県営ダムが完成したようだ。


河内川ダム [福井県](こうちがわ)[場 所(133m)]
http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranA/All.cgi?db4=0954

河川    北川水系河内川
目的:   FNAWI
堤高/堤頂長/堤体積    77.5m/202.3m/258千m3
流域面積/湛水面積    14.5km2 ( 全て直接流域 ) /37ha
総貯水容量/有効貯水容量    800.0万m3/720.0万m3
ダム事業者    福井県
着手/竣工    1983/2019

容量は結構あるが流域面積が厳しい。。
これでは1m3/sがせいぜいである。

北川水系の滋賀県側寒風川に取水可能な領域がある。2km・13.5km2

松永川の上流5.84km・9.2km2

合計で,14.5+13.5+9.2=37.2km2。2.2~2.8m3/s程度か。2.5m3/sと仮定。

https://www.kkr.mlit.go.jp/fukui/kita/ryuiki2/dum.pdf
常時満水位:190.5m
最低水位:162.7m

从ってこんな感じかな。

[妄想]若狭発電所
出力:①2,660kW→②2,500kW→③2,200kW[+2.2MW]
水量:①②2.5m3/s→③2.2m3/s
有効落差:①128m→②③120m
導水:①→②2.15km+2km+5.8km=9.95km(0.25→不可)→③4.15km (0.53)
 発電所:①こ の辺の地下(77.3m)→②③半地下(地 上70m)
放水:①北 川(58.1m)→②③地 上65m[取水口手前]
取水:①②③河内川ダム(190m)

①小さいなあ。。距離も遠いし。とりま保留で。→20.10には未だ評価する術を持っていなかったがその後の経験則で,導水距離と発電力に割りと閾値があ りそうな感触を得た。
とは言え地下式はないなw小水力発電が半地下式とは訳が違う。 地下式というと木曽発電所(116MW)第二読書発電所(74MW)下小鳥発電所(142MW)等の堂々たる発電力持ってるやつがな るやつである。
②地下地式を止めて距離を短くしてみる。やってみると松永川の導水が遠くてあかん
③松永川を廃止する代わりに水量を一寸減らして見た。これならまあまあだ。

→と思ったらダムを利用して既に二つも(!)発電所が存在していた(吃驚)

熊川発電所[水力] [場 所
関西電力株式会社
所在地:福井県三方上中郡若狭町熊川
運開:1919.9[ 若狭電氣(株) ]・ 2020:河内川ダム建設に伴い取水を変更
水路式・流込式
認可最大出力:130kW(ダム建設前) [関 電]の記載によると2020年4月現在で熊川の出力は130kW 変更は2020.4より後っぽいから不明。     常時出力:130kW
最大使用水量:0.28m3/s
有効落差:64.70m(ダム建設前)
水車:横軸フランシス水車 出力208kW×1台(ダム建設前)
    導水路(本水路、河内川→発電所):総延長2275.4m(ダム建設前)
    導水路(支水路、仮屋谷川→本水路):総延長156.4m(ダム建設前)→距離的にこの仮 屋とは無関係なのか?
    取水位標高:163.60m(ダム建設前)→建設後は190.50mになったか?
    放水位標高: 99.00m
    流域面積:12.6平方キロメートル
    取水:河内川、仮屋谷川→取水が河内川[河内ダム]になって高さが足りない仮屋川は廃止?「ひろしの見学記」 に拠ると「個人的にはせっかくの有効落差が勿体無いので再開発してほしかったな」と書いてあるので取水だけして有効落差は不変で運用??
    放水:河内川

河内川ダム発電所[水力
福井県
運開:2019
ダム式・流込式
認可最大出力:199kW
最大使用水量:0.52m3/s
有効落差:49.32m    総落差:50.50m
    流域面積:14.5平方キロメートル
    取水:河内川[河内川ダム]190.50m
    放水:河内川140.00m


結局河内川ダムは自家発電に0.52m3/s,熊川発電所に0.28m3/s程度送水しているようだ。
更にでかいの造るのは現実的ではないわ。。
熊川発電所を強化できないのかねえ。。
熊川の水車は出力208kW×1台で現在は130kW運用なのでまだ余力がある。詳しくはこちらへ。