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系統概要図送電設備の整備計画
北日本再生エネ本州供給 系統蓄電池によ る風力発電募集
2018.10.25
道東・道北系統接続
系統罔構造 ■現状 ■接続案 ■空き容量検討

■北海道系統罔構造 
北海道では「需要の集中する道央圏を取り囲む275kVループ系統を形成し、更に主要電源を連系することで、札幌 圏はもとより道央圏の供給信頼度を向上」したそうな。(電 力広域的運営推進機関 広域系統長期方針) この275kVの基幹系統であるが容量に余裕があるようだ。
出 典:北電 系統空容量マップ(187kV以上)[2018年10月2日更新]
中部等は2重,首都圏などは多重で形成されているが流石に経済規模の小さな北海道ではそういうことも行かず,また札幌一極集中のせいで九州のように島内 ループ(2019年6月運開予定)という訳にも行かなかったようだ。


この単ループが一つの全道系統崩壊の一因ではあろうがそう安易に多重化も道内一週ループも出来ないのも苦しい北海道のインフラを見ればよく解る。(ループが出来ると無効電力とやらが発生してしまうらしいがどこも大丈夫なのか?変電所に開閉設備あって常時切ってるのかな?)

それはさておき道東地区と旭川地区が結ばれていればもう少しやりようがあったかも知れない。第一義的には自励式の北本連携増設線のお陰で全道ブラックアウトの可能 性はほぼ無くなったと云って良いが道央地区が停電で落ちた際に道東と旭川が巻き添えにならない為にもあっても良い筈である。

■現状系統罔 
現状ではご覧のように分断されているようなのである。ハブとして北新得変電所と旭川嵐山開閉所があるようだ。また釧路を中心とした発電所の様子はこちら
出典:北海道電力 (系統空き量マップ[187kV以上])
しかし仔細に見る(マウスオーバーして下さい)と110kV未満の送電線が旭川変電所と西滝川変電所を起点に十勝方向近く迄伸びている。また北見を経由し て繋がっても居るようだ。

ということで110kV以下の系統図を見てみる。
旭川変電所からは大雪発電所まで110kV。江卸発電所や上富良野変電所迄は66kVだそうな。
出典:北 電(旭川系統マップ)
大雪発電所は大雪ダムに設置されてるようである。
江卸発電所・新忠別発電所・忠別川発電所は移設工事がされた様だ。電 学誌2006年の安井氏の論文に位置図が載っている。
出 典:安 井順司(2006)

更に上富良野から南へも西滝川変電所から伸びている線と合流して鹿越変電所に至っている。92の上富良野(変)は上の系統図の39に繋がって旭川(変)迄 至ってゐる。
出典:北 電(西滝川系統マップ)
この鹿越変電所は北電の新鋭(2008年運開)275kV 狩勝幹線及び電発187kV十勝幹線(電発)の至 近である。

■接続案 
惜しむらくはこれら全ての系統に容量に余裕がないのであるが,今回のブラックアウトの反省から十勝・旭川の間で分断はしているものの結構近そうな(1)富 村発電所(187kV)~大雪発電所 (110kV)or(2)富村発電所(187kV)~江卸発電所(66kV)or(3)狩勝幹線(275kV)~鹿越変電所(66kV)辺りに送電線造れ ないものか?旭川側は電圧も低いしいずれも増強が必要であろう。
大雪山を越えるには環境や風雪に対してトンネルが望ましいのかもしれない。。となるとコスト的に大変だが,今回狩勝幹線が被害を受けた(No.52鉄塔の周辺地滑り)ことも道東の停電の理由の一つらしいがだとすると富 村経由の方が良いかも知れない。。

各地形図は以下の如し。
(1)
(2)


(3)

もう一つ,新設を伴わず,(4)留辺蘂系統を昇圧して使うって手もありそう。この場合十勝方面:上士幌送電所━187kV━留辺蘂変電所─66kV─遠軽 変電所─66kV─安足間発電所━110kV━旭川変電所という経路で現状でも繋がってゐるのだ。
(4)
出典:北 海道電力(留辺蘂系統マップ)

全体図に書き込むとマウスオーバーして現れる以下の(1)~(4)である。紫線が要新設線である。
出典:北海道電力 (系統空き量マップ[187kV以上])


■空き容量検討 
それでは各系統の現状を纏めてみる。
【十勝側】
(1)及び(2)で利用する富村線及び上十勝支線

番号
路線名
区間
電圧
(kV)
設備容量
運用容量値
空容量
その他備考
起点
終点
当該設備
上位系統考慮
91
富村線
□北新得
分岐
187
122
122
41
0

92
富村線
分岐
○富村
187


19
0

94
上十勝線
分岐
○十勝
187


20
0


○富村発電所 41.3MW 1978年8月
○十勝発電所 40.0MW 1985年5月

2ダム合計で81,3MWの電源に対して合流地点から先の利用容量が112MWで空き容量が42MWだそうな。
上位を考慮するとこの先の系統に余裕がないから接続不可ってことのようだ。北電の狩勝幹線が275kV化されたが電発の十勝幹線も電圧上げて容量増やした り出来ないやろか?
若しくは道東→道央ループ→滝川・旭川の流れが一定数あるならこの下流の狩勝幹線に余裕がなくても寧ろ富村─旭川方面に系統が繋がるとその分狩勝幹線に余 裕が生まれると思うんだけどそんなに巧くは行かないかな。。釧路─帯広─旭川─名寄の外廓環状が出来る様な感じにはなるんだけど。
この空き容量を活かすなら富村から延伸するのではなく分岐点から富良野方面へ山越えした方が良いかもと思ったがそれでは位置関係的に中途半端であった。
富村から江卸へも大雪へも約50km程である。旭川迄の距離は大雪の方が遠回りだけど大雪への送電線が110kVなので187kVにする工事が66kVか らの昇圧となる忠別経由より安上がりかもしれない。

(3)で使う十勝幹線・狩勝幹線
番号
路線名
電圧
設備容量
(100%*回線数)
運用容量値
(MW)
空容量
その他備考
当該設備
上位系統考慮
71
狩勝幹線
275kV
1898
949
466
0

73
十勝幹線
187kV
394
197
0
0

南早来で空きのある道央ループに接続する筈の狩勝幹線だがなんと空きがある。寧ろ詰まってるのは北新得変電所以東(北 見・網走・釧路・根室方面)なのか?
となると富村・十勝の上位系統考慮ってのは帯広や釧路方面への送電と云う事になる。もしそうなら旭川方面と直結する事に余り問題は無いし狩勝幹線から鹿越 へ結んでもOKな気がする。鹿越変電所から上富良野変電所経由で旭川変電所迄昇圧となるとなかなか長距離の昇圧工事にはなりそうであるが新設区間は短くて 済む。

(4)で使う北見幹線など
番号
路線名
電圧
回線数
設備容量
運用容量値
空容量
その他備考
当該設備
上位系統考慮
113
北見幹線
187kV
2
394
197
123
0

31,32
遠軽線
66kV
2
176
88
0
0

51
石北線
66kV
1
64
64
39
0

52,54,56
石北線
66kV
1
38
38
38
0

(34
紋別線
66kV
1
40
40
7
0
参考迄に掲載)
なんと北見幹線もそこそこ空きがあるようだ。容量逼迫の遠軽線を昇圧序でに容量増や すのは北見地方の電力の為にも良いのでは無いか?紋別以北の電源開発などに繋がるかも知 れぬ。
石北線も瀬戸瀬発電所分岐から西(52,54,56)はどうなってんだ?設備容量と運用容量値と空き容量が一致し てる???石北線(51)に関しては瀬戸瀬発電所との分岐を境にほぼ瀬戸瀬発電所の発電量分が積み上がってる(38→64)けど設備量量=運用容量っての は同じである。

○瀬戸瀬発電所 25MW 1980/4運開


白滝変電所の先は下で検討する石狩幹線・上川線へ接続となる。

【空知・上川側】
こちらは大雪ルートが110kVの他は66kVと低圧である。

(1)及び(4)
番号
路線名
電圧
回線

設備
容量
運用
容量値
空容量
その他備考
当該設備
上位系統考慮
62
旭川南線
187
2
434
217
166
0

2,4
石狩幹線
110
2
174
87
0
0

5,6
石狩幹線
110
2
188
94
0
0

8
層雲峡線
110
1
51
51
0
0

10
大雪線
110
1


19
0

12
上川線
66
2
92
46
16
0

系統内発電所
発電所名
出力(MW)
運開
その他
大雪発電所 20
1975.6 ダム水路式
層雲峡発電所 25.4
1954.10
ダム水路式
真勲別発電所 18
1941.4
水路式
上川発電所 12
1929.12
ダム水路式
安足間発電所 11.5
1927.1
水路式
愛別発電所 
5.6
1925.2
水路式

92.4


こちらは旭川変電所~安足間発電所の石狩幹 線が混んでゐる様だ。旭川変電所迄の引き込み線の旭川南線は166MWも余裕があるよう だ。これは北見幹線の123MWをも凌ぐ。
ただ旭川変電所,街 の真ん中にある様でこ んな風景である。此処から更に地上権取ってああだこうだするのはちと困難なのかも。昇圧だけならなんとかなるんかいな?一部は地中線もあるようで ある。当麻辺りから直接旭川嵐山開閉所へ新設した方が良いのかも知れない。

(1)案に関しては同じ規格の大雪線と層雲峡線だが層雲峡発電所の分容量がなくなる理解で良さそう。層雲峡~大雪・富村~北十勝分岐共に20MWの空きで あるからその程度だったら当該部分の工事は不要だが其れを云ったら石北線経由なら何も工事せず38MWを融通出来る。
(4)案に関しては旭川から上川迄187kVに昇圧して容量を稼ぎ石北線に繋げる感じだと良さそう。
 

(2)江卸迄の空き容量は以下の通り。東川で分岐するので旭川近郊の方が空いてるのがポイント。まあそれでも20MW以下である。
番号
路線名
電圧
(kV)
設備容量
運用容量値
空容量
その他備考
当該設備
上位系統考慮
27
忠別川線
66
82
41
18
0

28
忠別川線
66
82
41
11
0

30
江卸線
66


12
0

31
江卸線
66


13
0

系統内発電所
発電所名
出力(MW)
運開
その他
志比内
1.6
1923.1

忠別川
3.9
1913.2

新忠別
10
2006.10

江卸
13.8
1945.8


29.3



(3)西滝川系統。西滝川付近がごちゃごちゃしてて判りにくいが,西滝川(変)─(北星線)─・─(砂川線)─砂川 (変)─(野花南線)─野花 南(発)─(滝里線)─滝里 (発)─(富良野線)→富良 野方面って流れである。更に富良野で旭川から合流する旭川(変)─(忠別川線)─・─(美瑛線)─美瑛 (変)─(上富良野線)─上 富良野(変)─(上富良野支線)→富 良野方面もある。
番号
路線名
電圧
回線数★2
設備容量
運用容量値
空容量
その他備考

当該設備
上位系統考慮
2
北星線
66

118
59
69
0

20,21
砂川線
66

290
145
0
0

70,71
野花南線
66

182
91
0
0

73,74,75
野花南線 66

222
111
0
0

77
滝里線
66

158
79
0
0

78,79
富良野線
66

112
56
42
0

27,28
忠別川線
66
2
82
41
18,11
0

37
美瑛線
66
2
38
38
39
0

39
上富良野線
66
1
18
18
18
0

91
上富良野支線
66
1
33
33
37
0

81
山辺線
66
1
31
31
8


82
山辺線
66
1
24
24
2


84
金山線
66
1
27
27
3


96
鹿越支線
66
1
11
11
12



■結論 
結局は下図の北見幹線123MWと石北線の38MWの空きを有効 活用出来る北見・石北ルート及び新設は鹿越~狩勝 幹線間の建設だけで済む富良野ルート(上図参照)と富良野線・美瑛線・上富良野支線の37~42MWの空きを有効活用してこいつらを 187kVに昇圧してどの位容量あがるかわからないけどその2系 統を利用するってのはどうだろう?
狩勝幹線~富良野線,忠別川線・上富良野線・上川線・石狩幹線・遠軽線辺りの整備が必須となってくる。

いずれにせよ,殆ど北海道の系統に空きが無い事を再確認。こりゃ先行き暗いなあと思ったけどこんなプロジェクトしてるらしい。
系 統側蓄電池の活用による風力発電の連系拡大
これによると先ずは90MW・4hぐらいの蓄電池を系統側に設置して600MW程の風力発電を募集するようだ。
で,募集したところ119件2500MW(内3件100MWがその後取り下げ)あってその内の接続可能が780MW,不可が1620MWとなり,まあ確か に深刻だが780MWは工夫すれば接続出来るようで,例えば室 蘭伊 達なんか全66kV・33kVが不可となってる癖に66kVに66MWの連系申請があって全部は無理だが抽籤で29MWなら連系出来るとしてい る。下流の系統が一杯って所も蓄電池を設置すればなんとかなるのか?