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離島発電

離島は本土と連系されて居らず小さな電力罔として孤立しているようである。
そしてその小ささから発電方式も内燃力が使われ高コストで赤字傾向らしい。正直,汽力とガスタービンと内燃力の違いも解っていない俺であるが。。
また離島では新エネルギーの実証実験が行われるケースもある。将来こういった島々で再生可能な地域エネルギーで循環型社会が形成出来ると素晴らしいんだけ ど。。

1.東京電力(八丈島)
2.沖縄電力(沖縄本島) 波照間島・南大東島・粟国島(可倒式風力発電機導入) 久米島(沖縄県海洋深層水研究所)
3.九州電力(黒島・奄美大島・種子島・対馬・壱岐) 椛島(NEDO) 宇 久島(フォトボルテ・ディベロップメント・パートナーズ・日本風力開発(株)) 的山大島(ミツウロコ) 屋久島(屋久島電工)
4.中国電力(隠岐)



1.東 京電力
内燃力発電所
発電所名
大島
新島
神津島
三宅島
八丈島
利島
青ヶ島
小笠原父島
小笠原母島
御蔵島
最大出力(MW)
15.4
7.7
4.5
5.0
11.1
0.72
0.64
4.3
0.96
0.6
合計
50.92

八丈島の自然エネルギー発電プロジェクト
出典:再エネ利用率を8割以上に、八丈島の地熱発電を大幅拡張

現状
将来

八丈島内燃力発電所 11.1MW(75%)
補助電源化

八丈島地熱発電所 2MW(25%)
6MW(増強)
(揚水を含め86%)
揚水発電所 なし
1.2MW(新設)


電源構成模式図




2.沖縄電力


認可最大出力
(MW)
内訳
燃料
その他・備考
【内燃力発電】
久米島
18.5
8基
Max 4
重油

渡嘉敷
5.2
8基
Max 1.1

渡名喜
0.85
5基
Max 0.3

粟国
1.6
6基
Max 0.5

南大東
3.64
6基
Max 1.0

北大東
1.54
6基
Max 0.35

宮古
19
5基
Max 5.5

宮古第二
40
4基
Max 10.0

新多良間
1.86
5基
Max 0.5

石垣
20
3基
Max 10.0

石垣第二
58
5基
Max 18.0

波照間
0.95
4基
Max 0.35

与那国
2.41
3基
Max 0.98

合計
173.55
68基


【揚水発電】
沖 縄やんばる
海水揚水
30


海水
純揚水
電源開発

沖縄の自然エネルギー賦存量
出 典:IT Media(沖縄県商工労働部)

■沖縄本島

2014年03月26日 09時00分 更新
スマートシティ:
沖縄本島に風力発電所、蓄電池を併設して出力安定に挑む
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1403/26/news015.html

石油依存度が極めて高い沖縄県で、大規模な風力発電所が運転を開始した。高さ111メートルの風車2基を使って、2200世帯分の電力を供給することがで きる。天候の影響を受けやすい風力発電の電力を安定して供給するために、発電所の中に大型の蓄電池を設置して技術の実証に取り組む。
[石田雅也,スマートジャパン]
 新しい風力発電所が運転を開始した場所は、沖縄本島の北部にある大宜味村(おおぎみそん)の丘陵地帯にある(図1)。沖縄県が再生可能エネルギーを拡大 するために推進中の「沖縄スマートエネル ギーアイランド基盤構築事業」の一環で、沖縄電力の実証研究設備として運営する。

図1  「大宜味風力発電実証研究設備」の所在地。出典:沖縄電力

 発電設備は最大出力2MW(メガワット)の風車2基で構成して、合計4MWの電力を供給することができる。 年間の発電量は800万kWhを見込(む)。3月24日に運転を開始して、年間で7000トンのCO2排出量を削減できる予定だ。

 風力発電は太陽光発電と同様に、天候によって出力が変動して、供給する電力を不安定な状態にしてしまう可能性がある。特に地域全体の電力需要が少ない場 所では出力変動の影響が大きく、風力発電や太陽光発電を増やすことが難しくなる。

 大宜味村の風力発電設備には大型の蓄電池を併設して、電力の変動分を吸収する技術の実証研究を進める計画だ。蓄電池の容量は4500kWhもあ (る)。風力発電で20~30MW程度の規 模まで対応できる

 沖縄県の電力は100%近くを石油による火力発電に依存していて、自然環境との共生が大きな課題になっている。県全体で2030年までに石油依存率を 15%削減することを目標に掲げ、離島を含めて再生可能エネルギーを積極的に導入していく方針だ。

2014年06月09日 09時00分 更新
自然エネルギー:
温泉の天然ガスでコージェネ、沖縄本島で進む「スマートリゾート計画」
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1406/09/news020.html

沖縄県の南城市で、温泉から生まれる水溶性の天然ガスを利用した「スマートリゾート計画」が動き出した。拠点になるリゾートホテルにコージェネレーション システムを導入して、電力と熱を地域に供給する計画だ。さらに排出するCO2を農作物の栽培に生かす「トリジェネ」にも挑む。
[石田雅也,スマートジャパン]
 沖縄本島の中南部から宮古島にかけた一帯では、地下に水溶性の天然ガスが埋蔵していることが以前から確認されている。メタンガスを主成分にして、硫黄な どの不純物を含んでいないことからクリーンエネルギーとみなされる。この天然ガスを利用したコージェネレーションシステムの導入プロジェクトが本島南部の 南城市で始まる。
 市内にある「ウェルネスリゾート沖縄休暇センター ユインチホテル南城」が最初の導入場所になる(図1)。このリゾートホテルの敷地内では、2009年 から資源エネルギー庁の支援を受けて、地下を掘削して水溶性の天然ガスを抽出する事業を進めてきた。

 新たに環境省から2014年度の「地熱・地中熱等の利用による低炭素社会推進事業」の補助金を得て、天然ガスによるコージェネレーションシステムを導入 することが決まった。総事業費は8964万円で、そのうち4150万円を補助金でまかなう。
 南城市は2011年度に内閣府による「環境未来都市構想」の対象に選ばれている。環境・健康・観光の3つを柱にした「ウェルネス・スマートリゾート」を 将来構想に据えて、水溶性の天然ガスを活用した産業の育成を推進中だ(図2)。


図2 「南城市ウェルネス・スマートリゾート・ゾーン」の展開計画。出典:内閣府

 この構想では2023年までに12基の コージェネレーションシステムを導入する目標を掲げて、1000kWの電力を供給できるように する。電気料金の高い沖縄で地域のエネルギーコストを削減する狙いもある。

 天然ガスから作った電力と熱をホテルや医療・介護施設で利用するほか、住宅や農業にも供給対象を拡大していく。さらにコージェネレーションで発生する CO2を農作物の栽培に生かして「トリジェネレーション」にも取り組む計画だ。電力+熱+CO2の3つを同時に供給するのがトリジェネで、マンゴーなどの ハウス栽培に利用する。

■粟国島・波照間島・南大東島
可倒式風力発電

出力:245kW…粟国島1基・波照間島2基・南大東島2基

<波照間島>

当社は、低炭素社会実現に向けた二酸化炭素排出量抑制策および離島発電所の燃料コ
スト低減策として、また、RPS 義務量の獲得を目的に国内初となる可倒式風力発電設備を
2 基波照間島に建設しておりましたが、この度、同設備の 2 号機を 11 月 27 日(金)、1 号
機を 12 月 8 日(火)に電力系統に併入(送電開始)しました。

・面積:約 13k ㎡
・世帯数・人口:約 270 世帯・600 人弱
・最大電力:613kW(平成 20 年度)
・発電設備(ディーゼル):950kW (350kW 1 基 ・300kW 1 基 ・150kW 2 基)

可倒式風力発電設備
出力 : 490kW(245kW・ 2 基)
ハブ高さ : 38m  ブレード直径 : 32m

出典:https://www.okiden.co.jp/shared/pdf/news_release/2009/091214.pdf(沖縄電力・波照間可倒式風力発電設備の併入式の開催について)

<南大東島>
当社はこれまで、地球温暖化対策、離島発電所燃料費低減の観点から風力や太陽光
による新エネルギー発電設備を自家用発電設備として導入してまいりましたが、当該
設備は、当社初の電気事業用風力発電設備となります。

○南大東島の概要
1.概 要:沖縄本島の東、約 400km に浮かぶ南北からなる太平洋上の島。
台風の常襲地域でもある。
2.面 積:30.57km2
3.人 口:1292 人(平成 22 年 3 月 1 日現在)
4.世 帯 数:609 世帯(平成 22 年 3 月 1 日現在)
5.最大電力:2,083kW(平成 17 年)
6.発電設備 (ディーゼル ):300kW×2 基 ・500kW×1 基 ・750kW×1 基 ・790kW×1 基 ・1,000kW×1 基

可倒式風力発電設備
出力 : 245kW (2基)
ハブ高さ : 38m  ブレード直径 : 32m (2枚)

出典:http://www.okiden.co.jp/shared/pdf/news_release/2011/110303.pdf (沖縄電力・南大東可倒式風力発電設備の営業運転開始について )

<粟国島>
概要
1.概 要:那覇市の北西約 60km に位置する。台風の常襲地域でもある。
2.面 積:7.64km2
3.人 口:759 人(平成 26 年 5 月 31 日現在)
4.世 帯 数:455 世帯(平成 26 年 5 月 31日現在)
5.最大電力:850kW(平成 24 年度)
6.発電設備 (ディーゼル ): 1600kW(100kW×2 基 ・200kW×1 基・350kW×2 基 ・500kW×1 基)

可倒式風力発電設備
出力 : 245kW (1基)
ハブ高さ : 38m  ブレード直径 : 30m (2枚)

出典:http://www.okiden.co.jp/shared/pdf/news_release/2014/140630-2.pdf (沖縄電力・粟国可倒式風力発電設備の営業運転開始について)


■宮古島



■久米島
沖縄県の実証実験事業として海水温度差発電の実証実験中である。
50kWの実証プラントが完成したとのことだが10kWで実験中みたいである。



 夏は温度差が大きく、発電効率が上がるが、養殖などに迷惑をかけないように実証発電は余った深層水を使う。夏に1日2000トン、冬は7000トン使う 予定だったが、実際はフル出力の10キロワット分の深層水を得るのは難しそうだ。
 そこでまず久米島では「マルチステージ・ランキンサイクル」と呼ぶ深層水を2回使う方式を採用した。熱交換器の数は増えるが、発電効率は高まる。なによ り少ない深層水で発電できる。
 さらに検討しているのが、何度も温度差を活用するカスケード利用だ。現在発電で使った深層水は捨てている。しかし温度差発電ではセ氏8.5度の深層水が 11.5度、つまり3度上がるだけで、まだまだ冷たい。その冷たい深層水を農業などで再利用しようという考えだ。久米島町がまず新しい植物工場で使おうと 計画している。…
久米島ではこの実験がうまくいけば出力1メ ガワット級の海洋温度差発電所を建設したい考えだ。新たな取水パイプの敷設が必要でそれに100億円、発電プラ ントの建設に約30億円かかるとみている。設備費に50%補助されれば、発電単価は20円を切ると 試算している。
将来は10メガワットのプラントを 建設して「深層水発電をベース電源に、他の再生可能エネルギーを組み合わせて、エネルギーも食料も完全自給する」という「久米島モデ ル」の構想を描いているからだ。

参考文献
【IT Media】2013年06月17日 07時00分 更新
自然エネルギー:久米島の「海洋温度差発電」、深層水と表層水の20度の違いを生かす

【日 本経済新聞2013/4/29 7:00】
海 洋温度差発電、久米島で始動 クリーンで無尽蔵な再生エネ
日本海洋深層水協会
沖縄県久 米島で海洋温度差発電の実証プラントが発電を開始しました (Nio) 2013年 5月29日発行



3.九 州電力…高コストの内燃力発電を離島に多く抱える。

平成25年 4月現在
県別 発電所名 ユニット数 出力(kW) 県別 発電所名 ユニット数 出力(kW)
福岡 おろのしま
小呂島
290 鹿児島 あくせきじま
悪石島
110
長崎 いずはら
厳原
8,600 こだからじま
小宝島
110
さすな
佐須奈
5,100 たからじま
宝島
200
とよたま
豊玉
42,000 くちえらぶじ ま
口永良部島
400
あしべ
芦辺
16,500 たねがしまだ いいち
種子島第一
16,500
しんいき
新壱岐
24,000 しんたねがし ま
新種子島
24,000
ふくえだいに
福江第二
21,000 きかい
喜界
2,100
しんありかわ
新有川
60,000 しんきかい
新喜界
12,600
うく
宇久
3,000 たつごう
竜郷
60,000
鹿児島 こしきじまだ いいち
甑島第一
14,250 なぜ
名瀬
21,000
こにや
古仁屋
4,750
たけしま
竹島
190 へとの
平土野
2,000
いおうじま
硫黄島
300 しんとくのし ま
新徳之島
21,000
くろしま
黒島
240 かめつ
亀津
7,500
くちのしま
口之島
150 しんちな
新知名
19,100
なかのしま
中之島
200 よろん
与論
2,210
たいらじま
平島
110 しんよろん
新与論
5,600
すわのせじま
諏訪之瀬島
160 合計 34箇所 134 395,270
(緊急用電源である)豊前ディー ゼル発電設備1,200kW×3含まず

●黒島
日本版スマートグリッドは離島から始まる!
東洋経済オンライン 8月30日(火)13時26分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110830-00000000-toyo-bus_all

■僻地の島に到来した再生可能エネルギー発電所

  周囲わずか15.2キロメートル、人口181人。ここでは島民の一人ひとりが顔見知りだ。商店は島に1店のみ。新聞も2~3日分が船でまとめて運ばれる。 畜産がメインの産業で、朝、人はニワトリの鳴き声で目を覚ます。当然、九州本土からは電線がつながれておらず、島内にあるディーゼル発電機4台が電気の生 命線だ。

 2010年4月。三菱重工業、富士電機、九州電力などスーツ姿の大企業幹部に役場関係者の約40人が立ち並び、穏やかなこの島が珍しく緊張した空気に包 まれた。新設した設備の竣工式に出席するためだ。

 動き出したのは再生可能エネルギーの発電所。太陽光パネル6枚。風力発電機1台。それに蓄電池と制御装置で構成される。発電設備容量は島の最大需要の3 割にも及ぶ。

  島では午後6~8時に需要のピークを迎えるが、太陽光はもっぱら日中に発電する。需給の不一致を調整し、住民に安定供給する役目を蓄電池が担う。経済産業 省が大枠を企画し、09年から九州電力と沖縄電力が実施・運営する国家プロジェクト「離島マイクログリッド」。再生可能エネルギーを蓄電池と組み合わせて 使うこの次世代エネルギー社会実験の中心地に選ばれたのが黒島だった。
  九州電力もまんざらではない。「この実証が成功裏に終われば、各離島に対する導入を前向きに検討する」という。黒島に限らず、系統のつながっていない離島 の多くは石油火力で電気を賄っており、再生可能エネルギー導入によるCO2削減メリットは大きい。また、離島の発電コストは「九州本土のざっと2倍」(九 州電力)だ。原料の重油は本土からフェリーで長距離輸送され、しかも1回に運べる量も規制されている。輸送費はどうしてもかさむ。
 管内に99もの離島を抱える九州電力の場合、離島事業で毎年100億円を超える赤字を計上する。再生可能エネルギー発電所ならば、現状はまだコスト優位 性はないものの、今後はコスト低下が見込まれる。スマートグリッドに対しては消極的な態度を取っていた電力会社だが、離島については導入を進める積極的な 理由があるのだ。


図5 「離島マイクログリッドシステム」の構成と試験設備(場所は黒島)。出典:九州電力

●種子島と奄美大島など(離島マイクログリッドシステム導入へ)
2014 年02月18日 09時00分 更新
エネルギー列島2013年版(46)鹿児島:
南国の離島に豊富な自然エネルギー、火力依存からの脱却を図る

 鹿児島県全体では約600の島があり、長崎県に次いで全国で2番目に多い。発電コストの高い石油火力に頼らざるを得ない状況は離島に共通する問題であ る。九州電力が東日本大震災の前から取り組んでいる「離島マイクログリッドシステム」は1つの有効な対策になる。
 従来の内燃力発電に太陽光や風力を組み合わせて、島内の電力需要を見極めながら蓄電池で供給量を制御する仕組みだ(図5)。南方に点在する6つの小さな 離島で2010年度から実証試験を続けている。さらに2013年度からは種子島と奄美大島にも大型の蓄電池を 設置して試験の規模を拡大する


■対馬・種子島・奄美大島

2014年03月17日 09時00分 更新
電力供給サービス:離島のエネルギーを蓄電池に、太陽光と風力による電力を吸収
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1403/17/news025.html

   気象の影響を受けやすい太陽光と風力による発電設備が増えると、地域の電力供給システムが不安定になる可能性がある。特に送電設備の規模が小さい離島で問 題になる。長崎県と鹿児島県の3つの島で、大型の蓄電池を使って電力の変動を抑制する試みが始まった。
    [石田雅也,スマートジャパン]

 九州電力が環境省による「再生可能エネルギー導入のための蓄電池制御等実証モデル事業」の1つとして実証実験に取り組む。実施する場所は長崎県の対馬のほか、鹿児島県の種子島奄美大島を加えた3カ所である。

 3つの島それぞれに出力が2~3.5MW(メガワット)の大型蓄電池を変電所の構内に設置した(図1)。島内で稼働する発電設備からの電力を蓄電池で受 けて、蓄電・放電を繰り返しながら電力を安定化させる。2016年度までの3年間の実証実験を通じて、蓄電池の最適な制御方法などを確立することが目的 だ。

図1 実証実験の概要。出典:九州電力

設置設備
設置場所
長崎県
対馬
リチウムイオン電池
(出力:3.5MW,容量:1.43MWh)
九電豊玉変電所構内
(長崎県対馬市豊玉町)
鹿児島県
種子島
リチウムイオン電池
(出力:3.0MW,容量:1.161MWh)
九電中種子変電所構内
(鹿児島県熊毛郡中種子町)
鹿児島県
奄美大島
リチウムイオン電池
(出力:2.0MW,容量:0.774MWh)
九電竜鄕変電所構内
(鹿児島県大島郡龍鄕町)

 太陽光と風力による発電設備は気象条件によって出力が上下する。その変動量が大きくなり過ぎると、送電する電力の周波数に影響を及ぼして不安定にさせて しまう。再生可能エネルギーを拡大するうえで問題点の1つに挙げられている。特に送電設備の規模が小さい離島や、太陽光と風力の発電設備が急増している北 海道と東北で対策が必要になっている。

  九州電力が3つの島の変電所に設置した蓄電池はリチウムイオン電池を内蔵した大型のシステムである。最も規模が大きい対馬の蓄電池システムは2棟の建屋 の中に、リチウムイオン電池ユニットを7セット収容した(図2)。


図2 対馬に建設した蓄電池システムの収納建屋(左)と設備の配置(右)。出典:九州電力

1つのリチウムイオン電池ユニットで204kWhの蓄電容量があり、システム全体では1430kWhになる。この蓄電池システムから最大3.5MWの電 力を供給することが可能で、発電設備から送られてくる電力を吸収して出力を安定させることができる。九州電力の想定では、太陽光と風力を合わせて9MW程 度までの発電設備に対応できる見込みだ。


図3 対馬に導入したリチウムイオン電池ユニットの構成。出典:九州電力

  すでに九州電力は長崎県の壱岐でも、2013年3月に同様の実証実験を開始した。このほか沖縄電力が宮古島で2010年から実証実験を続けて成果を上げている。さらに北海道電力と東北電力が超大型の蓄電池システムを使った実証実験を2015年度から開始する予定である。


■五島列島椛(かば)島
NEDOの実証実験として浮体式洋上発電の実証実験中である
GOTO FOWT
浮体式洋上風力発電実証事業について
一方、より深い海域に対応する浮体式については、世界的でも実証事例は2例しかなく最先端の技術です。日本は西欧に比べ風が強く遠浅な海域が少なくすぐに 深くなるため、この浮体式が有効と考えられていましたが、国内での導入事例はありませんでした。
このため、環境省では、我が国初となる2MW級の浮体式洋上風力発電実証機1基を実海域に設置することを目指して平成22年度から実証事業を開始していま す。

スケジュール
2010年度    基本設計
2011年度    小規模試験機設計・製造 実証機詳細設計 環境評価
2012年度    小規模試験機設置 実証機建造
2013年度    実証機設置/運転開始→10月には、我が国初となる2,000kW風車を登載した実証機の設置を完了し、発電を開始
2014年度    運転/計測
2015年度    事業性評価 終了

事業受託者
戸田建設(株)・(株)日立製作所・芙蓉海洋開発(株)・国立大学法人九州大学・(独法)海上技術安全研究所

■屋久島<屋久島電工(株)=太平洋セメン ト>
水力発電
屋久島は年間降水量8,000mm、平均標高が600mとい う水力資源の宝庫として早くから注目されていました。
当社(屋久島電工)はこの豊富な水力資源の開発と、島内での 電力利用工業の経営を目指して昭和27年に安房川水系を開発し、現在3つの水力発電所を所有しています。
総発電設備は58,500kWに達し、このクリーンな電力は当社事業所で使用される他、全島 の一般家庭へも供給されており、屋久島の生活基盤となっています。
また渇水時に島内への電力供給を維持するため、火力発電設備も有しています。

屋久島の電気について
当社の発電所完成までは、屋久島の民生用電力は、各集落が所 有する小容量の発電機により発電し各戸の電灯を灯していました。昭和30年代になり、電気機器の普及や、各集落の発電設備の老朽化から電力不足となり、当 社からの送電を開始いたしました。
一製造業社としての当社には屋久島全島の電力供給義務はあり ませんが、屋久島の地元企業として、地域発展に貢献するという会社設立理念に基づき、40数年にわたり事実上全島への民生用電力の安定供給を果たしてきま した。
近年屋久島においてもピーク電力の増大、またパソコンなど情 報機器の導入が進み、さらに電気の重要性が増大しています。これらに応えるべく電力供給設備の改善、電気の質の向上に努めています。
屋久島では、島 内を4つのエリアに分け、上屋久町電気施設協同組合、種子屋久農業協同組合、安房電気利用組合、九州電力株式会社の3組合と1社が、当社から購入した電力 をそれぞれの供給エリアの各家庭や事業所に配電するという特殊な形態となっています。よって当社は各家庭や事業所には直接販売は行っており ませんが、3組合と1社からの配電が困難な一部施設には直接供給を行っています。


日本版スマートグリッドは離島から始まる!
東洋経済オンライン 8月30日(火)13時26分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110830-00000000-toyo-bus_all

屋久島の水力発電所 

 そう、屋久島は日本で唯一、10電力会社 に発電を依存しない場所。代役を担うのは従業員129人の屋久島電工という地元の化学メーカーだ。 地域独占を認める電気事業法に基づけば、電力供給義務も本来は九州電力にある。が、屋久島電工は経済産業省から特別な許可(特定供給の許可)を得て電力事 業を行う。

屋久島の独特な電力供給構造
 さらには発電・配電も分離している。各家 庭への配電は屋久島電工ではなく地域ごとに分かれた四つの配電組織が担う。九州電力は、ここでは配電組織の一つにすぎない。おのおのが担当 エリアの配電設備の整備を行い、電気利用料の決定権を持っている。したがって料金も、島内のどの地域に住むかによって異なっている。

  歴史的には電気の供給を独自の発電・配電組織が担う離島は珍しくなく、離島の電力が大手電力会社に移管されたのは、戦後から80年代にかけてだ。屋久島だ けが残ったのは、日本最多の年間降水量と急峻な地形という水力発電にとって絶好の環境が、本土よりも安い電気を島民に提供していたためである。

■停電は日常茶飯事 屋久島住民の憂鬱

  「しかし利用料の安さも96年ごろまでだった」と、配電組織の一つ、安房電気利用組合の岩山光清組合長は振り返る。九州電力はその頃からより割安な原子力 の新設備を稼働させたこともあり、徐々に値下げを行っていき、価格差は逆転した。今では「日本の電気代は世界一高いといわれるが、屋久島はそれより高い。 本土なら当然ある夜間割引すらここにはない」と、屋久島でホテルのオーナーを務める眞邉文法さんは嘆く。

  それだけではない。屋久島では停電も日常茶飯事だ。島の繁華街、宮之浦にあるスーパーマーケット「わいわいランド」では、00年11月の開店時から定格出 力184キロワットの非常用ディーゼル発電機1台を地階に設置している。「この島では停電を想定して出店する必要があった」と同店の店員は言う。停電時で もレジと冷凍設備、店内のエアコンの半分を起動でき、最低限の営業は継続できる体制を準備している。

 10 年12月には3日連続の停電が起きた。「12月11日(1回目)、4時20分~9時25分に停電。原因説明 できず。12日(2回目)、21時56分~1時39分。13日(3回目)、2時50分~15時32分。分電盤全面更新か」――。

  配電組織の上屋久町電気施設協同組合の報告文書には、ひっきりなしの苦情を抱えつつ対応に追われた停電当時の生々しい記録が残る。町議会も堪忍袋の緒が切 れた。1月末、議会内で特別調査委員会を立ち上げ、問題の追及に乗り出した。「住民の怒りは爆発寸前。特に屋久島電工は、儲けにつながらない老朽設備の修 繕や電気の質向上を放棄している」と、同委員会に参画する渡邉博之町議は憤然とする。

  屋久島電工の小松俊男社長は反論する。「当社と九州電力とを比べてみてください。事業規模は雲泥の差だ。体力が弱い中で、必死で投資資金を捻出してい る」。事実、10年3月期の同社の営業利益は5億円程度(九州電力は990億円)。これでは設備改修余力も限られる。大手電力会社ならば当然できている送 配電網のループ化(複数の電力供給ルートを整備して停電リスクを減らす措置)も発達途上。送電・配電網ともに今後ループ化を積極的に進めていくという段階 だ。


宇 久島(フォトボルテ・ディベロップメント・パートナーズ・日本風力開発(株))

新エネルギー導入の社会的気運が高まることで離島が本土に直結しそうなのがこの宇久島の例である。
まずは2009年に日本風力開発による巨大風力発電所の計画が持ち上がった。更には環境先進国ドイツでの開発余力飽和を受け,ドイツの太陽光発電開発会社が日本に上陸を目指して巨大太陽光発電所建設プランが浮上した。
この計画だと発電した電力は全て本土に直送するようにも読めるが,高コストの離島電力系統が本土と直結して島内の3内燃力発電所を減らせると面白いんだけど。


長崎県・宇久島の世界最大ソーラーシェアリング(430MW) 国内5社が参画へ風力発電 淘汰の波 建設ラッシュで風車価格高騰→採算悪化…中小撤退
2009.4.22 22:38
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090422/biz0904222239019-n1.htm

 風力発電所を建設する動きが活発化している。風力発電国内3位で独立系の日本風力開発が長崎県佐世保市で国内最大となる風力発電所の建設を計画している ほか、2位のJパワー(電源開発)は北九州市沖合で国内初となる本格的な洋上風力施設の検討に入った。地球温暖化防止で風力発電への期待が高まっている が、その一方で世界的な需要の伸びで風車価格が高騰し、採算悪化で事業化を見送る中小事業者も相次いでいる。今後は大手事業者による寡占化が進む可能性も ある。(橋本亮)
 日本風力開発は、五島列島の佐世保市宇久島に2000キロワットの風車50基を設置する計画だ。総出力は国内最大となる10万キロワットで、平成25年の発電開始を目指す。総事業費は200億円以上を見込む。

2013年04月17日 07時00分 更新
「初めて」づくしの巨大メガソーラー、長崎県に建設
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1304/17/news036.html

ドイツ企業が日本国内に建設を予定するメガソーラーは特色のあるものになりそうだ。規模が国内最大、海底送電ケーブルで離島から本土に送電など、他社の計画にも影響を与えそうな内容だ。
[畑陽一郎,スマートジャパン]

 計画したのはドイツの太陽光発電事業者Photovolt Development Partnersだ。同社はドイツやイタリア、スペインに13のメガソーラーを建設した実績のある企業。

 九州西部の五島列島の北端、宇久島(長崎県佐世保市)に出力475MW(→後に430MWに)のメガソーラーを建設する。宇久島は面積約25km2の起伏のある島だ。メガソーラーは複数のブロックに分かれた形で建設する。約50km東に離れた本土との間を、抵抗損失の小さい高電圧直流送電(HVDC)ケーブルで接続し、九州電力に売電する計画だ。買取期間として20年を予定する。

 経済産業省の認可(再生可能エネルギー発電設備認定申請書)を受けた企業は、日本国内にあるTeraSolで、2015年から2016年にかけて発電開始を予定している。

 ドイツは太陽光発電システムの導入量が政府の長期計画で定めた量に達する見込みであり、固定価格買取制度の後押しがあまり必要ない状態に至っている。こ のため、現在の買い取り価格は17ユーロセント(1ユーロ130円換算で、22.1円)にまで低減している。Photovolt Development Partnersは、ドイツよりも買取価格の高い日本に着目したと考えられる。

2014年06月13日 09時00分 更新
離島に日本最大430MWのメガソーラー、営農型で2015年に着工へ
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1406/13/news025.html

長崎県の離島を舞台に超巨大なメガソーラーを開発するプロジェクトが動き始めた。五島列島の宇久島で面積の4分の1を使って、発電能力が430MWに達するメガソーラーを建設する計画だ。農地や耕作放棄地の上部空間に172万枚の太陽光パネルを設置して農作物の栽培も可能にする。
[石田雅也,スマートジャパン]

 宇久島(うくじま)は九州本島の西側にあって、五島列島の中では最も北に位置する。長崎県の佐世保市に属する人口2200人の島で、主な産業は農業・畜 産業・漁業だが、近年は若年層の流出による地域の活力低下が大きな課題になっている。この島の中に「宇久島メガソーラーパーク」を展開して地域の振興を図 る狙いだ。

 計画では島の面積の4分の1にあたる630万平方メートル(東京ドームで134個分)の土地に、合計で172万枚にのぼる太陽光パネルを設置する(図 2)。島内に分散する農地や耕作放棄地を利用するため、支柱を立てて土地の上部空間に太陽光パネルを設置する方式をとる。太陽光パネルの下で農作物の栽培 が可能な「ソーラーシェアリング」を実施して、農業の拡大も同時に進める試みだ。

 発電能力は430MW(メガワット)になる予定で、国内のメガソーラーでは岡山県の瀬戸内市で開発中の230MWを大きく上回って日本最大になる。運転 中のメガソーラーでは「鹿児島七ツ島メガソーラー発電所」の70MWが現在のところ最大だが、その6倍以上の規模にのぼる。

 年間の発電量は5億kWhを想定している。一般家庭で14万世帯分の電力使用量に相当して、長崎県の総世帯数(56万世帯)の4分の1をカバーできる。 発電した電力は海底ケーブルを敷設して九州本島まで送り、九州電力に売電する計画だ。すでに2012年度に固定価格買取制度の認定を受けているため、年間 の売電収入は200億円に達する。

 このプロジェクトはドイツの太陽光発電事業者であるフォトボルト・デベロップメント・パートナーズ(PVDP)が中心になって日本に設立した「テラソール合同会社」が進めている(図3)。テラソールには京セラ、九電工、オリックスの3社が出資を予定しているほか、みずほ銀行がプロジェクトファイナンスによる資金調達を担当する。総事業費は1500億円を見込んでいる。


図3 太陽光発電の事業スキーム。出典:フォトボルト・デベロップメント・パートナーズほか

 建設工事は2015年度に開始する予定で、それまでに地元の自治体や関係者と協議しながら発電設備の設置場所や設置方法を決定する。すでに島内では土地の賃貸や農作業の委託を担当する「宇久島メガソーラーパークサービス(UMSPS)」が準備を開始した。

 自然に恵まれた離島に巨大なメガソーラーを建設する計画が地元の理解を得られるかどうか。ソーラーシェアリングを実施するためには、農地転用の許可を自治体から受ける必要もある。環境保全と地域振興のバランスを問われる注目のプロジェクトになる。

長崎県・宇久島の世界最大ソーラーシェアリング(430MW) 国内5社が参画へ
http://www.kankyo-business.jp/news/008005.php
【環境ビジネスオンライン】2014年6月13日掲載

京セラなど4社は、ドイツに本拠を置く太陽光発電所のプロジェクト開発会社のフォトボルト・デベロップメント・パートナーズ社(PVDP)が、長崎県佐世保市の宇久島で計画している、発電能力430MWの営農型太陽光発電事業(ソーラーシェアリング)に参画すると発表した。

京セラ、PVDP、九電工、オリックス、みずほ銀行の5社は、12日、長崎県佐世保市宇久島において、本事業の検討を協力して進めることに、基本合意した。本事業名称は「宇久島メガソーラーパーク(仮称)」

本事業では、島内の農地や耕作放棄地などを土地所有者から借り受け、借り受けた農地に支柱を立て、上部空間に太陽光発電設備を設置し営農と発電を行う予定。営農型太陽光発電事業としては世界最大となる。

宇久島の島面積は2,493万平方メートルで、人口は約2,000人。事業用地として見込む土地面積は、合計で約630万平方メートル(東京ドーム約134個分)と島面積のおよそ4分の1に相当する。本発電所で発電した電力は、宇久島と本土との間に約60kmの海底ケーブルを敷設し、九州電力に売電することを想定している。2015年度の着工を目指している。

本事業は、2013年4月より、PVDPが、地球環境保護への貢献、また離島である宇久島の経済活性化を図り、島の再生を目的に計画しているメガソーラープロジェクト。同社の計画では、総投資額は1,500億円程度を見込む。

年間発電電力量は約50万MWhとなる見込みで、一般家庭約13万8,800世帯分の年間消費電力量に相当し、また年間約25万2,200tのCO2削減 に貢献する予定。太陽電池は、全て京セラ製多結晶シリコン型の高出力モジュールを使用し、430MW分約172万枚を設置する計画だ。

具体的な事業スキームは、事業用地の交渉をおこなう宇久島メガソーラーパークサービス(長崎県佐世保市、以下UMSPS)が、島内の農地や耕作放棄地などを土地所有者から借り受け、発電事業のSPC(特別目的会社)であるテラソール合同会社に転貸する。

テラソール合同会社は、借り受けた農地に太陽光発電所を建設し、発電事業を運営する予定。農地に支柱を立て、上部空間に太陽光発電設備を設置することで、 発電所内での営農が可能となる。またUMSPSは、テラソール合同会社からの営農支援金をベースに、畜産農家に農作業を委託し支援することで、島の主要産 業である農業と発電事業の両面で宇久島の地域振興に大きく貢献する計画となっている。

京セラ、九電工、オリックス、みずほ銀行の4社は、この趣旨に賛同し、営農型太陽光発電による環境ビジネスの創出によって、宇久島の安定的な営農の継続・拡大を支援し、島の発展に寄与すべく、PVDPと今般の事業参画の検討に関する基本合意に至った。

京セラグループは太陽電池モジュールの全てを供給し、九電工とともに施工ならびに保守・管理を担当する。みずほ銀行はプロジェクトファイナンスのスキーム検討および取りまとめを担当する予定。また、京セラ、九電工、オリックスの3社は、テラソール合同会社への出資を行うことを検討している。

今後は、長崎県、佐世保市、および地元関係者などの協力を得ながら、事業スキーム、ならびに自然環境に配慮した設置場所・方法等につき、検討を進めていく。

■壱岐

2013年03月25日 15時00分 更新
電力供給サービス:離島に広がる風力発電、送配電の問題を大型蓄電池で解消
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1303/25/news019.html

    太陽光発電に続いて風力発電が全国各地に広がり始めた。ところが問題は風速の変化によって発電量が激しく変動して、企業や家庭に電力を送るための送配電システムを不安定にしてしまうことだ。九州電力は長崎県の壱岐で、大型の蓄電池を使って電力の変動を抑制する実証実験を開始した。
    [石田雅也,スマートジャパン]

     離島の電力は基本的に島の中で自給自足しなくてはならない。たいていの島には小規模な発電所があって、ほとんどが火力だが、最近は太陽光や風力も増えて きた。特に風力発電は風の強い場所に適していることから、数多くの島で建設が進んでいる。

     ただし風力発電は風速の変動によって発電量が激しく変動するために、電力を送り出す送配電ネットワークを不安定にしてしまう問題がある。解決策のひとつ は、風力発電所と送配電ネットワークをつなぐ変電所に蓄電池を設置して、電力の変動分を吸収できるようにする方法だ。

     九州電力は日本海に浮かぶ長崎県の壱岐を対象に選び、大型の蓄電池による風力発電の連系拡大に向けた実証実験を開始した。壱岐にはディーゼルエンジンを使った内燃力発電所が2か所(とは註:芦辺16.5MW新壱岐24MW)あるほか、出力1500kW(1.5MW)の「壱岐芦辺風力発電所」が稼働している。

     この3つの発電所から送られてくる電力を、変電所に設置した蓄電池を使って最適な状態に制御する(図1)。風力発電所の近くにある「芦辺変電所」に、4000kW(4MW)までの電力に対応可能な大型のリチウムイオン蓄電池を設置した。蓄電できる容量は800kWhある。
    図1 壱岐の電力ネットワーク。出典:九州電力

     一般に風力発電の出力は風速によって激しく変動する。そのまま送配電ネットワークに電力を送り出してしまうと、周波数が変動してトラブルの原因になりか ねない。風力発電の出力変動に合わせて電力を蓄電池に充電、あるいは逆に放電することによって、送配電ネットワークに送り出す電力の変化を抑制することが できる(図2)。

     図2 風力発電の出力変動を蓄電池で制御。出典:九州電力

     壱岐の実証実験では、変動を抑制する最適な制御方法を検証するほか、必要な蓄電池の容量などを確認する。実験期間は2015年3月までを予定している。

     同様の蓄電池を使った実証実験は沖縄電力が宮古島にある太陽光発電所で実施中だ。それぞれの実験結果をもとに、離島における太陽光発電と風力発電の設備を拡大して、既存の火力発電と組み合わせた電力供給体制を構築していく。




■壱岐と対馬、鹿児島県の種子島・徳之島・沖永良部島・与論島、奄美大島に隣接する喜界島
実証実験がもっと広汎に必要だなぁ。。実験やってる島の内,対馬・種子島・壱岐で保留でてるし。。上の記事では9MW程度迄見込んでた対馬の接続可能量がこちらの図1では6.5MWとなっている。予定通り行かなかったと云う訳か?

2015年02月04日 11時00分 更新
自然エネルギー:再生可能エネルギーを増やせない九州の離島、接続保留が7島に広がる
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1502/04/news024.html

    九州電力は離島を対象に継続中の再生可能エネルギーの接続保留をさらに拡大する。新たに鹿児島県の喜界島で接続可能量を超えたために保留に踏み切った。す でに長崎県と鹿児島県で保留中の6島に加えて7島目になる。蓄電池を使って接続可能量を増やす試みも実施中だが、迅速な対応が必要だ。
    [石田雅也,スマートジャパン]

     離島の電力は小規模な石油火力発電所に依存していることから、災害時の電源確保と環境保全の両面で、再生可能エネルギーを導入する必要性は本土よりも大 きい。ただし島内の電力需要が小さいために、電力会社の送配電ネットワークに接続できる発電設備の容量が限られている。

     九州電力は2014年7月から長崎県の壱岐対馬、鹿児島県の種子島・徳之島・沖永良部島・与論島の合計6島で、再生可能エネルギーによる発電設備の接続を保留し続けている。さらに2015年1月29日に、奄美大島に隣接する喜界島(きかいじま)でも同様の措置を開始した(図1)。

 
  図1 九州の離島の状況。蓄電池を使って実証実験を実施している島(左)、再生可能エネルギーの接続状況(右上、2014年12月末時点)、奄美大島の実証実験設備(右下)。出典:九州電力

     喜界島で接続できる発電設備の容量はわずか1900kWしかなく、発電能力が1MW(メガワット=1000kW)を超えるようなメガソーラーの接続申込 があった時点で可能量を超える状態にあった。住宅用を含めて太陽光と風力の発電設備は1月29日以降に新規の接続を申し込むことができない。再開の見通し は夏を予定していて、それまでに九州電力は接続可能量を見直す。

     太陽光や風力の発電設備でも蓄電池を併設して出力を抑制できる場合や、そのほかの水力・地熱・バイオマスで出力調整に応じる場合には、保留期間中でも 「個別協議」によって接続検討の申込を受け付ける。九州電力は個別協議の要件を公表していないが、昼間の時間帯に出力を抑制することが条件になるとみられ る。

     九州電力は離島の再生可能エネルギーを拡大する対策として奄美大島など4つの島で、蓄電池を使って太陽光と風力発電による出力変動を抑制する実証実験を 続けている。その実験結果をふまえて接続可能量を増やすことが急務である。喜界島を含めて蓄電池を設置していない離島にも同様の対策が必要だ。


5.中国電力
■隠岐諸島の西之島

2 種類の蓄電池が太陽光と風力に対応、離島で電力の安定供給を図る
 2014年04月03日 07時00分 更新 IT Media スマートジャパン


 島根県の隠岐諸島の西ノ島で日本初の実証事業が2014年度中に始まる。2種類の大型蓄電池を組み合わせて、太陽光発電と風力発電の出力変動を抑制する 試みだ。離島の再生可能エネルギーを拡大するために環境省が補助金を提供して、中国電力が3年間かけて実施する。

 隠岐諸島には風力発電所が1カ所あっ て、さらにメガソーラーの建設計画が 進んでいる。風力発電では風速によって短い周期で出力が変動する。対して太陽光発電は雲の動きに伴って短い周期で出力が変動するほか、1日のあいだに太陽 の位置が移動するため長い周期でも変動する。

 こうした複雑な出力の変動が大きくなると、送電する電力の周波数が不安定に(なる可能性があり,)特に離島のように送電能力が低い地域では、出力変動に よる影響が出やすい。

 隠岐諸島の実証事業では、短い周期と長い周期の両方の出力変動を緩和できるように、2種類の蓄電池を組み合わせたハイブリッドシステムを導入する。短い周期の出力変動をリチウムイオン電池で対応す るのと同時に、長い周期の出力変動をナトリ ウム硫黄(NAS)電池で吸収する仕組みだ(図3)。

図3 ハイブリッド蓄電池システムによる出力変動対策。出典:中国電力

リチウムイオン電池は、小容量ながら大出力 の特性があり、電力が小さく変動し続けても充電・放電を細かく実行して安定化を図ることができる。一方のNAS電池は大容量が特徴で、長い時間 にわたる電力の大きな変動を吸収するのに向いている。この2種類の蓄電池を効率よく協調させる制御技術を確立することが実証事業のテーマになる。