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とはずがたり掲示板 (利 水スレ)
21.6.7大改造
20.8.28作成

安倍川水力開発
1.沿川風景(藁科川安倍川発電所) 2.増強プラン(安 倍川発電所増強新安倍川発電所梅ヶ島発電所静岡葵発電所)

ダムがない珍しい川だった安倍川であるが水力発電の可能性が無かった訳では無い。
中電としても支流の藁科川に小さな発電所が2箇所程保有しているが,今回,中部電力が本流に7MW級の水力発電所の建設を決めたことは大きな一歩である。
その前後に可能性が広がるでは無いか!

先ずは新設の安倍川発電所と既設の水発の概要を述べ,その前後(下流と上流)に新発電所の適地を探ってみる☆

1.沿川状況  

~安倍川~

(河口)

~藁科川~
分岐EL.=21.5m)

中部電力(株) 清沢発電所[水 力
静 岡市葵区寺島 / 安倍川水系・藁科川
運開:1928.2[不明]
 水路式・流込式
    認可最大出力:500kW      常時出力:160kW
    最大使用水量:1.391m3/s
    最大有効落差:49.54m
    水車:出力597kW×1台
    導水路:総延長1408.1m
    流域面積:66.4km2
    取水:藁 科川197.74m
    放水:藁 科川146.34m

中部電力(株) 大川発電所[水力
静 岡市葵区坂ノ上 / 安倍川水系・藁科川
運開:1920.9[不明]
水路式・流込式
    認可最大出力:250kW     常時出力: 98kW
    最大使用水量:1.224m3/s
    有効落差:30.81m(以前は31.476m)
    水車:出力316kW×1台
    導水路:総延長1585.7m
    流域面積:50.0km2
    取水:藁 科川239.61m
    放水:杉 尾川(藁科川合流付近)206.63m




中部電力(株) 安倍川水力発電所[中 電17.3][中電 20.7][静岡 新聞
静岡市葵区入島(にゅうじま)・梅ケ島(うめがしま)・有東木(うとうぎ)/ 安倍川水系・安倍川
運開:2022年予 (着工:2019年)→2024年12月
水路式・流込式
認可最大出力:7,100kW→7,500kW (発電効率87%)
想定年間発電量:約38,000MWh/年 (想定設備稼働率:61.1%)→約39,000MWh/年
   最大使用水量:7.00m3/s 
    有効落差: 約121m→125m
    導水路:導水トンネル4.8km
    流域面積:79.85km2(推計)
    取水:安 倍川407m付近
    放水:安 倍川274m付近

入島堰堤(仮称)
堤高:8m 堤長:65m
取水:安 倍川407m付近
送水:安 倍川水力発電所

発電所概略位置とえん堤設置予定箇所現況写真[中 電:PDF:384 KB]


[静岡新聞]
安倍川水力発電所、着工 中部電力、24年の運転開始目指す
https://www.at-s.com/news/article/topics/shizuoka/786403.html
2020.7.14

 中部電力は13日、静岡市葵区の安倍川上流に整備する中規模の水力発電所「安倍川水力発電所」の建設工事を開始した。再生可能エネルギーの拡大に向けた 事業で、年間発電量は一般家庭約1万2500世帯分に相当する約3900万キロワット時を想定。2024年12月の運転開始を目指す。

 中電によると、安倍川の本流に水力発電所が建設されるのは初めて。17年の計画時よりも詳細に設計して効率の高い水車や発電機を採用し、発電出力は 400キロワット多い7500キロワットに増加した。年間発電量も当初計画より100万キロワット時多くなった。

 同発電所は葵区入島に幅65メートル、地下4メートル、地表4メートルのえん堤を 建設し、最大毎秒7トンを取水する。約4・8キロの導水路トンネルで同区有東木の発電施設(とは註:上部水槽?)まで水を送り、約123メートルの落差を 利用して水車を回し発電する。利用した水は発電施設から本流に戻す。

 中電によると、同発電所は規定よりも規模が小さく、環境影響評価(アセスメント)の適応対象ではない。ただ、河川法に基づき国と協議し、えん堤から発電 所までの本流の流量について毎秒0・41トンを維持することを決め た。静岡県とは6月に県自然環境保全条例に基づく協定を結んだ。


中部電、安倍川水力発電所を着工 当初計画から遅れ
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020071300902&g=eco
2020年07月13日18時58分

 中部電力は13日、安倍川水力発電所(静岡市葵区、出力7500キロワット)の工事を開始したと発表した。2019年度内に着工する予定だったが、発電 所への道路の整備や河川の流況調整で静岡県、国との協議に時間がかかり、着工が遅れた。
 河川への影響を最小化するため工事用の橋を建設する必要性も生じ、工期は当初計画より約1年延びる。このため、運転開始は2年後ずれして24年12月と なる見通し。


一番大きい収穫は最大使用水量と設備利用率より,7m3/sが比 較的安定的に取水出来そうと云う点である。また約80km2に対して7m3/sもなかなかである☆
静岡県なので冬期は渇水することが見込まれるものの設備利用率61.1%はなかなかである。夏場4~10月迄7m3/sとして稼働率61.1%とすると冬 場11月~3月は殆ど発電出来ないとなってしまうけど。。


2.増強プラン 
安倍川発電所増強新安倍川発電所梅ヶ島発電所静岡葵発電所

2.1 安倍川発電所本体増強

藤 代堰堤[標高420m]・有 東木堰堤[標高420m]

辺りにも取水堰作ってもう一寸強化できんかやあ??面積の小ささから補助にしかなりえな いがな。


2.2 新安倍川発電所(私案)建設構想!

安倍川発電所の直下に取水口(仮称・渡本取水口
・標高282m)を建設して下流で発電するものであ る。
発電所は中河内川との合流点付近[標 高141m]まで持ってきて発電かましたい。安倍川側に発電所に適した敷地が無ければ中河内川側に建設するのもありだろう。

高低差は矢張り130m程あるので,支流の
中 河内川のこの辺[標高284m]からも取水すると全部で155.2km2となる。
使用水量13.5m3/s位にできそうである。

[妄想]新安倍川水力発電所
水路式・流込式
認可最大出力:13,300kW[+13.3MW]
最大使用水量:13.50m3/s 
有効落差: 約119m
導水路:導水トンネル
流域面積:155.2km2
取水:安 倍川274m付近中 河内川286m付近
放水:安 倍川(中沢付近)141m



2.3 梅ヶ島発電所(仮称)建設構想!

発電所は安倍川発電所の取水口(仮称・安倍川堰堤)に近い
こ こら[標高407m]を想定するのが自然であろう。

[妄想]梅ヶ島水力発電所
出力:8,700kW[+8.7MW]
水量:3.2m3/s
落差:280m
導水:4.8km
流域:36.8km2
取水:安 倍川(梅ヶ島赤水)693.5mタ チ沢
放水:安 倍川(梅ヶ島関ノ沢)409m



2.4 [私案]静岡葵水力発電所

[私案]静岡葵水力発電所
出力:12,500kW[+12.5MW]
水量:24m3/s
落差:63m
導水: km
流域:155.2+123.3(新規)=278.5km2
取水:安 倍川(中沢)相 沢川足 久保川141m
放水:安 倍川(足久保)73.6m

新規流域は123.3km2ある。10.5m3/s程度は追加出来そう。