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20.9.14運開

布目ダムの電源開発!と白砂川・須川(22.10訪問)

ご近所の(とは言え車は小一時間はかかる)布目ダムだが,洪水調整や不特定利水と水道の非電源ダムだった。また隣にも須川ダムが存在していてこちらは奈良 市水道局の水道ダムであった。調べて行くと連携している様だ。そして須川ダムは流域面積の殆どを間接領域からなるダムでまあ奈良市水道のサージタンクみた いなダムである。

基本資料:水資源機構https://www.water.go.jp/kansai/kizugawa/nunome/pamphlet/pdf/pamphlet2.pdf

布目川の水は布目川取水堰で取水され,緑ヶ丘浄水場へ流される様だ。

●水道用水
奈良市に最大1.1263m3/s、
山添村に最大0.0097m3/sを供給。
奈良市の水道使用量年間約4,800万m3 ※ のうち
布目ダムから約3,000万m3(63%)を供給

3,000万m3ということは一日平均で8.2万トン程度。毎秒に直すと0.94m3/sである。これは最大取水量1.1263m3/sに近い値で,ほぼ 安定的に独自水源として供給しててその他で調整している感じか?

因みに布 目川取水堰で1.1253m3/s取水した後に,白砂川の取水口で0.64m3/sを 取水(ちなみに施設の写 真。俺行ったことあるわ,此処。ちゃんと写真撮っとくんだった…)し,更に須川ダムで取水して緑ヶ丘浄水場へ流れていく(奈良市)のだそう な。こんな感じ。こちらの地図には緑ヶ丘浄水場は載ってないが白砂川取水堰は載っている。


緑ヶ丘浄水場の処理能力は15万m3/日だそうな。[奈良市企業局
緑ヶ丘浄水場(現有施設能力 150,000m3/日)は、全給水量の約 82%を
送水する基幹施設であり、急速ろ過方式(公称能力 114,000m3/日)と緩速
ろ過方式(公称能力 36,000m3/日)により浄水処理を行っています。

日産15万トンは毎秒に直すと1.736m3/sであり,布目川取水堰から少なくとも布目ダムで開発した1.1263m3/sを取水するとすると,それ以 外の布目川からの水量や,白砂川,前川の分と併せて最大でも2.0m3/s程度の水を送る感じか?

この白砂川,嘗ては小水力発電所があったようだ![サコタ][諸元]これもなんとか復活した い!!
が,サコタさんの指摘を引用する迄も無く,
>現在は奈良県水道局が0.64m3/sの水利権を取り使用しており、ここの流域面積だととてもじゃないけど新規の発電計画は成り立ちません。
ということの様だ。。


ところが,である。色々,情報が入ってきた所で,そもそも布目ダムにも発電施設[諸元]がある事が判明ww
放流水の流込2.2m3/sを利用しての発電だそうな。

詰まり,布目ダム─2.2m3/s→布目ダム発電所─2.516m43/s─奈良市取水堰(─1.126m3/s→奈良市水道)─1.39m3/s─関電 取水堰(─1.39m3/s→関 電布目川発電所)----木津川という感じである。

纏めるとこんな感じになる。










布目川には布目ダム,布目川取水堰の他,布目川発電所もある。白砂川にはJ発電所の跡の他,奈良市水道の取水施設が,安郷川支流の前川には奈良市水道の須 川ダムが存在している。

さて,布目ダムは有効貯水量1,500万t超の堂々たるダムであり,須川ダムは80万m3弱のささやかなダムである。息子の小学校最後の運動会の 22.10の土曜日,コロナで半日で終わったので飯がてら須川ダムと上津ダムに出かけてみた。

~布目川~

布目ダム [便覧] [水 力
河川     淀川水系布目川
目的/型式     FNW/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     72m/322m/330千m3
流域面積/湛水面積     75km2 ( 全て直接流域 ) /95ha
総貯水容量/有効貯水容量     1,730.0万m3/1,540.0万m3
ダム事業者     水資源開発公団一工(2003迄は水資源開発公団,現 事業者は水資源機構)
本体施工者     大成建設・森本組
着手/竣工     1975/1991
ダム湖名     布目湖 (ぬのめこ)

出典:水 機構

布目ダム発電所 [水力]
所有:(独法)水資源機構
運開:1991
ダム式・流込式(河川維持流量式)
認可最大出力:990kW
最大使用水量:2.2m3/s
有効落差:56.87m
取水:布目川[布目ダム]
放水:布目川(231m)

奈良市水道・布目川取水堰


布目川発電所・布目川取水堰

布目川発電所[水 力
事業者:関電
運開:1908年
形式:水路式・流込式
認可最大出力:1,110kW・  常時出力:330kW
最大使用水量:1.39m3/s
有効落差:111.05m(事業者様データ)
有効落差:111.00m(水力発電所データベース)
水車:2台 総出力1500kW
流域面積:87.2km2
取水:布 目川(169.17m)
放水:木 津川(53.48m)


~打滝川~


~白砂川~

奈良市水道・白砂川取水堰


[廃止済]白砂発電所
事業者;関電
出力:600kW
使用水量:0.64m3/s
有効落差:約127m
廃止:1967年

~安郷川~

須川ダム[便覧
河川     淀川水系前川(安郷川支流)
目的/型式     W/アーチ
堤高/堤頂長/堤体積     31.5m/107m/12千m3
流域面積/湛水面積     124.2km2 ( 直接:5.2km2 間接:119km2 ) /13ha
総貯水容量/有効貯水容量     79.7万m3/79.3万m3
ダム事業者     奈良市
本体施工者     奥村組
着手/竣工     1959/1969
ダム湖名     須川貯水池 (すがわちょすいち)

こ の辺。須川ダムという銘板が標柱に嵌まっていた。その先にゲートがあって(写真取り忘れてた…orz)開いては居たが立入禁止となっていたので引 き返す。
22.10
橋。荷重制限は14t。

こ こ。ダム堤体への道は閉鎖されていた。

この後冒頭の橋を渡る。見れなかった堰堤方面遠景。

堰堤部・拡大

上流方面

この後,大柳生に出て名阪国道沿いにある上津ダムに向かった。大柳生まではすんなりだったがそこからは割とくねくねであった。

さて,改造計画検討しちゃる♪

>降水量は年間1,500mm程度で、比較的少ないですが、夏期に雷雨が発生しやすく、局地的な集中豪雨に見舞われることがあります。[木津川 市

まず上津ダムの水を布目ダムに導水し,その時に落差を使って軽く小水力発電をする。
そして布目ダムから途中,打滝川と白砂川の水を併せつつ須川に落として発電する。


そして須川ダムには安郷川からも導水しつつ一部を奈良市水道に回して残りを白砂川最下流で地下発電,トンネルを掘って水は木津川に放流する。


布目ダムの水を須川・白砂川の発電に使用した後の布目川発電所の水量は当然足りなくなる。そこでお隣打滝川から引っ張って来る事にする。
布目ダムより下流と打滝川上流で18.4km2程。降雨量1500mm程度の場所でも行けそうである。
布目ダムの流域面積が75km2で現行の布目川発電所の流域面積が87.2km2なので布目川取水堰~布目ダムの流域面積は12.2km2程。従って打滝 川の布目川発電所取水堰(仮称)以上,須川発電所取水堰(仮称)以下の流域面積は6.2km2程か。

布目ダム管理用電源として設置された発電施設が最大2.2m3/sの放流をするので足りない場合はそこから放流する形で対応すれば布目川発電所の水量は十 分確保出来そうである。
なんなら打滝川からの導水無くても布目ダムからの放流だけで対応出来そうな感じもする。
布目ダム管理用発電所の稼働率は低下してしまうが。。今は水の遣い途が無い上津ダムから水を引っ張って来る予定にしているのでそれで布目ダム管理用発電施 設の稼働率上げたりもあり得るかも。
寧ろ老朽化してるように見える布目川発電所に発電機譲って廃止するとか?もありかも。


[更新後]布目川発電所
形式:水路式・流込式
認可最大出力:1,110kW
最大使用水量:1.39m3/s
有効落差:111.05m
水車:2台 総出力1500kW
流域面積:87.2km2
取水:布 目川(169.17m)打 滝川(227m)
放水:木 津川(53.48m)
水量ではなく有効落差の効果が割りとでかいことが解る。
やりように拠っては結構増えるな♪