電 力総研 水 力あれこれ
と はずがたりな掲示板(利 水スレ電 力スレ)
20.9.18運開

犬上川の利水の現況(22.3訪問)

野洲川でも水争いあったみたいだが,こっちの方がすげえw
6地域水利への誇り ...犬上川流域
https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/4040474.pdf


最後の水利紛争

昭 和7年の6月から7月にかけて降った大雨によって、一ノ井堰の一部が決壊したため、一ノ井堰の復旧工事が着手されました。一ノ井は、過去の明治・大正にか けて、同様の状況で違法工事を行っており、今回もその兆候が一部で見られたとして、二ノ井側の70人が現場に急行し、河原へ下り、竹槍を振りかざして、石 合戦を展開しました。さらに、土を運搬するトロッコのレールを、川に投げ込んで引き揚げました。他方の一ノ井側も、数百人を集めて工事を続行しました。二 ノ井側も数百人が集結し、再び竹槍を振りかざした石合戦となりました。夜を迎えて警官約200人が出動し、事態の鎮静にあたりました。

…地元と県は争いを根絶するためには、水不足の原因を取り除くほか無いことを確認しました。

ダムと頭首工の建設

昭 和7年にいち早く着工した金屋頭首工は、昭和9年に完成しました。翌10年には幹線水路も完工し、昭和11年に使用が開始されました。犬上川の騒動の直接 の原因となった水配分の問題を解消するため、一ノ井、二ノ井の反別、石高に応じて、用水配分量をおおむね8:2に確定し、その割合に応じて頭首工の左右に 水門を設けました。昭和14年の大干ばつでは、他地区が用水に苦労し、争いも起きていましたが、この地域はそのような争いと無縁であり、以降も水争いが起 きることはありませんでした。

…昭和9年には、当時としては最大の農業用ダムとなる、犬上川ダムの建設に着工しましたが、太平洋戦争に よって進捗が遅れ、完成を見たのは、計画から遅れること9年後の昭和21年でした。その後、末端部分の水路改修や排水路改修、堰の改良が行われ、昭和32 年に全ての事業が完成し、流域の全地域で用水が確保されて、二毛作も可能となりました。

http://www.jsidre.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2020/07/88-4-19.pdf

「村の堰(金屋頭首工)─滋賀県犬上郡多賀町地先─」(株)三東工業社北川  孝 Water,LandandEnviron.Eng.Apr.2020
金 屋頭首工(表紙写真)は,当初,昭和8年に県営犬上川農業水利改良事業によって施工されたが,その後平成18年に,県営かんがい排水事業により全面改修が 図られた。この基幹水利の抜本的な改良により,地域の水利用の効率化と,近代農業経営の確立に大きく寄与することとなった。…

金屋頭首工

所在地:滋賀県犬上郡多賀町富之尾地先[こ こら・EL129.7m]
当初施工年度: 昭和7〜8年度
改修年度:昭和27年,50年,平成18年
受益面積:723ha
取水量:合計4.90m3/s
左岸 3.407m3/s
右岸 0.683m3/s

頭首工遠景
22.3以下同じ

近景


魚道(右岸側にあった)


左岸用水(こ れ[地理院])



(犬上川南谷[画面右手]・北谷合流部)[場所:川 相(かわない)EL157.9m]

北谷側の白い橋を渡る構造物は上水道の水管路であった。


犬上発電所[水力. com]
事業者:関西電力(株)
運開:1954年
ダム水路式・調整池式
認可最大出力:1,100kW ←小せえ。。   常時出力:0.0kW ←しかも常時0kW
最大使用水量:3.20m3/s
有効落差:43.32m
流域面積:32.3km2
取水:犬上川(南谷)[犬上ダム](252.5m)
放水:犬上川(南谷)(206.55)

発電所正面


水圧鉄管(の一部)と建屋(の一部)…写真むずい。。


犬上川ダム
[ダム便覧]
[場 所]
目的:潅漑・発電
流域面積/湛水面積:31.2km2 ( 全て直接流域 ) /35ha
総貯水容量/有効貯水容量     450万m3/370万m3
ダム事業者:滋賀県
着手/竣工:1934※/1946
※ダム建設に着工。第二次大戦の戦局悪化で完成は遅れる

遠景

天端


取水施設(左岸脇にあった)


堰堤…終戦を挟んで苦労したと思うと,更に下流の水争いの苦難を思うともう一寸凄みが出たと思うが現場では冬季通行止め区間を(ほぼ)抜けた安堵感で余り 凄みみたいなのは感じなかった。


水利標


ダム直下にある通行止め区間開始の標識…ダムは通行止め区間内にあった。雪は路上にはほぼなく釣り人のバイクなんかもあって既に雪解けで利用は開始されて いる雰囲気であった。


流域面積が32.3km2なので使用水量3.2m3/sはほぼ物部川の法則に从っている。
しかし金屋頭首工の取水量は4.9m3/sである。もう一寸水量増やして放水地点も下流で良い筈。とはいえ1,100kWは小さいなあ,,折角の調整池付 きなんだけど。。

ただ此処は(此処も)色々考えたけど難しい。



[私案]新犬上川発電所
出力:3,600kW[+3.6MW]
落差:70m
水量:6.3m3/s
流域:新流域29.6km2
導水:サイフォン(犬上川北谷) 主路:6km・支路:1.5km 計7.5km(0.48)
取水:犬上川(南谷)[犬上発電所]・支流1・支流2・犬上川(北谷)208m
放水:犬上川(大蛇ヶ淵)135m

もう一声発電力欲しいがこの辺が限界か。。ここから更にマイナス情報として滋賀 県の年間降水量が可成り低そうと云う結果を得た。冬期はじわじわ融雪して一寸有利としてもダム付きで31km2で3.2m3/sだったとしてダム 無しの29.6km2から3.0も採るのは難しそうな感じはあるな。。北谷にもダム欲しい所。。とりま保留で。

水源地域は多賀町だけど金屋頭首工の受益者は甲良町がメインのようである。

嘗ては矢鱈ICが無くて不便だったこの辺も湖東三山・蒲生とスマートIC増えて便利になったけど多賀SA辺りにもというか金屋頭 首工辺りにも欲しい気がする。