2013年08月02日 11時00分 更新 電力供給サービス: 巨大な蓄電池を北海道と東北の変電所に導入、太陽光や風力の出力変動に対応 http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1308/02/news015.html 総額296億円の国家予算で実施する「大型蓄電システム緊急実証事業」の対象が2件に決まった。北海道電力と東北電力がそれぞれ1カ所の変電所に大型蓄電 池を導入して、太陽光や風力発電設備からの出力変動に対応できる技術を5年間かけて検証する。 [石田雅也,スマートジャパン] 1件目は東北電力が宮城県の「西仙台変電所」で実施する。蓄電容量が2万kWhのリチウムイオン電池を設置して、太陽光発電や風力発電の出力変動に伴っ て生じる送電時の周波数変動を抑制するシステムを開発する。 東北電力は蓄電池のほかに火力発電機を組み合わせて、周波数を制御するシステムを開発する。地域内のメガソーラーや風力発電設備の出力を指令所で 監視しながら、蓄電池と火力発電機を制御して周波数を安定させる(図4)。最初の2年間(2013~14年)で設備工事を完了して、残りの3年間(2015~17年)で実証試験を実 施する予定だ。 ![]() 図4 蓄電池と火力発電機を組み合わせた周波数調整の仕組み。出典:東北電力 |
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東北電力は2018年度の運用開始を目指し、山形県山辺町と上山市の間に27万5000ボルト高圧送電線「南山形幹線」を新設する。宮城、新潟両県を起
点に山形県内を走る2本の高圧送電線をつなぎ、災害時の電力供給ルートを増強する。 山形県内の主な送電網は地図の通り。新設する南山形幹線は全長22.5キロで、山辺町の西山形変電所から上山市内で朝日幹線に接続する。 14年度の供給計画によると、15年4月に着工し、18年6月の運用開始を目指す。 東北電力山形支店によると、飯豊、蔵王両幹線が通る米沢市など県南部を除き、県内の大半は宮城変電所(宮城県加美町)が起点の陸羽、山形両幹線から電力を供給する。朝日幹線は県内を走るが供給は行っていない。 南山形幹線の新設で、災害時、陸羽幹線などの宮城ルートが寸断しても、朝日幹線から山形幹線に送電する新潟ルートが確保できるため、県内の安定供給が維持できる。 新潟ルートから新庄変電所(大蔵村)を経由し秋田市などに送電することも可能。秋田県の大動脈の奥羽幹線の代替ルートとしても期待される。 |