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とはずがたり掲示板 (利 水スレ)
大井川用水
塩郷堰堤 [廃止]地名発電所 [廃止]笹間渡発電所 【解明】 笹間川ダム 川 口発電所 大井川用水 大井川広域水道企業団 赤 松発電所

出典:関 東農政局(大 井川用水農業水利事業所)

塩郷堰堤[→川口発電所][ウィキ
堤高    3.2 m/堤頂長    146.0 m
流域面積    957.8 kmイ
目的    発電( 笹間川ダム→川口発電所58.0MW)
事業主体    中部電力
満水位:199m程度?(地理院久野脇発電所の放水位は197.5m)
着手年/竣工年    1958年/1960年

>塩郷ダムは1960年に完成したが、完成直後から下流の大井川は完全に流水が途絶した。この大井川の「瀬切れ」に対して、川根町・本川根町・中川 根町(当時)の住民と静岡県は事業者である中部電力に対して、大井川の正常な流量復活を求めて住民運動を起こした。「大井川水返せ運動」である。[ウィキ

大井川から笹間川ダム経由で川口発電所に水を送る取水堰。塩郷堰堤・笹間川ダム・川口発電所は戦 中派の久野脇と違って戦後派の後付けの発電ユニットである。
20.8
今は(夏場は)下流に5m3/s流してるそうだが,それでもこんなに勇壮な流れ?今日は水も濁ってたし上流からの放流で下流には5m3/s以上流していた 模様。
20.8

[廃止]東海パルプ(株) 地名発電所[水力][場所G][地理院     
運開:1910[東海紙料(株)・後の東海パルプ]/1931一時閉鎖/1961.3末中電移管後廃止

認可最大出力:2,250kW(運開当時)/1,000kW(運転再開時)
最大使用水量:500立方フィート毎秒(14.16m3/s運開当時)
有効落差:21m
水車:フロンタルフランシス水車 1600馬力ラ2台(運開当時)/1120kWラ1基1台(運転再開時)
導水路延長:2424m
流域面積:61.92平方里(955km2)→笹間渡と同じ?
取水:大井川
放水:大井川(発電所があるのは175m程度?)

大井川の地名の彎曲部北側(この辺で189.3m)と南側(この辺で166.3m)の落差を利用した発電所だったようである。

[廃止]東海パルプ(株) 笹間渡発電所[水力][地理院    
運開:1931[東海紙料(株)・後の東海パルプ]/1961.3末中電移管後廃止

認可最大出力:4.030kW(後に5,000kW)
水量:?
落差:?
導水路延長:3220m
流域面積:61.92平方里(955km2)→地名と同じ。ミスか?ミスでなければ取水河川に水力さんの記述の笹間川のみでは面積が足りずにおかしい。
取水:大井川?
放水:大井川

【解明】      
流域面積から考えるに取水先は笹間川ではなく塩郷堰堤直下(2km2程広い)にあったと思われる地名発電所の取水堰を利用して笹間渡発電所直下の大井川(ここらで149.3m)で発電する発電所だった可能性が高そう。
その場合導水路延長3.2kmは新設区間長でそこから上流は地名発電所の水路を再利用した様である。
落差は45m程度で水量が15m3/s程度で5000kW程度にはなる。

そして笹間渡発電所運開に寄って一旦廃止された地名発電所はその後規模を縮小(旧地名発電所2,250kW→再開地名発電所1,000kW)して再設置されたと考えるのが手元にある数値と整合的である。

この笹間渡発電所,建屋廃屋が大井川の対岸に残っており,しかも大井川を渡河しないと到達出来ないロケーションということでなかなかロマン溢れる存在となっている様だ。


〜笹間川〜

笹間川ダム



川 口発電所の放流水を受けての川口取水工。

正面の赤っぽい部分(ゲート)の見える施設のアップ

ここから大井川用水が始まるのである。

大井川用 水
川口発電所に直結して川口取水工があって大井川用水の起点となっている。
左岸と右岸に分かれているが,右岸は水路橋で大井川を渡り我が小笠・掛川地区を潤している。

出典:お おいがわ用水.com


静岡 県大井川広域水道企業団
大井川用水は農業用水だが,調べてみると水道水はこちらのようだ。
大井川用水の水を飲んでいると子供心に理解してたけどそうではなかったらしい。。



神座分水工[これか?103m
大井川水路橋を経て松島分水工へ至る小笠幹線を分岐


赤松発電所
川口発電所の更に下流には特殊 東海製紙(元東海パルプ)の所有する赤松発電所(認可出力:6,310kW)がある。水 力.comには認可最大出力6.0MW,常時出力4.9MWとあるが会社 のHPに は2014年にリニューアルされたとあるのでこの際に増強されたか?また現在では此処での発電は全量売電しているようである。産業ウオッチを怠ってたせい で知らん間に再編がされていて,日本製紙(株)と特種東海製紙(株)の段ボール原紙及び重袋用・一般両更クラフト用紙事業の提携により板紙で日本東海 インダストリアルペーパーサプライ(株)なるダサい名前(日本東海製紙産業紙商事みたいな硬派なのが良かったw)の合弁会社作ったよ うで,また元々の東海パルプの工場は新 東海製紙と 分社化されて火力発電設備は5基80.59MW確保していて十分であり,水力発電はFITで売電した方が有利なんだら。
こ の発電所は元々東海パルプが所有していた地名発電所および笹間渡発電所が川口発電所建設に伴う塩郷ダムの建設により運転出来なくなることから、中部電力に よって建設され、地名・笹間渡両発電所と交換されたそうである。両発電所は中部電力が譲受した後に廃止された様である。 [wiki][水 力(地名)][水 力(笹間渡)]

特種東海製紙(株) 赤松発電所[水 力][場 所EL.85m][wiki
所在地:静岡県島田市相賀
運開:1957.10[中電→東海パルプ(現特種東海製紙)]
水路式・流込式
認可最大出力:6,000kW→6,310kW      常時出力:4,900kW[出力増加前?・81.6%]
年間発電量:52.0GWh(稼働率94%)
最大使用水量:33.80m3/s
有効落差:21.30m
水車:立軸カプラン水車 出力6000kWラ1台
導水路:総延長5257.0m
 流域面積:1025.8平方キロメートル
取水:大井川用水[川口取水工(川口発電所・伊久美川]106.53m
    放水:大井川左岸幹線水路77.39m

小さな公園の隣に船首の様な発電所があった。

公園には発電量が掲示されてて6,000kW以上出ていたけど何時の時期か増強されたようだ。

水路正面/下流方面。蓋がされて暗渠化されてた。


赤松吐水吐[場 所EL.86m][大 井川はEL.76m程
赤松発電所から放水された水がトンネルから出てくる。

分水されてその先に水門がある。

水門

放水量はこんな感じ。

本流は南東に流下する。なかなかの水量。


赤松分水工



伊太発電所方面・スクリーン





大井川用水の小水力発電
発電所名
出 力/常時
(kW)
場所
水系
方式 最大使用水量
(㎥/s)
有効落差
(m)
年間発電量
(kWh/年)
運開始
年月
その他・備考
伊太
893
島田市伊太
大井川用水(左岸)
流込式・水路式
最大17
約7
約430万
2013.7
農 業農 村整備事業 >>maff >>pdf
 水の勢いを弱めるために建設された「落差工」が老朽化し、新たに造り替える必要があり,その際、同じ地点に水位差を利用した発電所を 建設した
西方 310
169/33 菊川市 大井川用水(右岸)
流込式・水路式 1.8〜3.5

105.1万 2016.6予
県が建設後,大井川右岸土地改良区に譲渡< ITメディア>
計画では伊達方96kW・59.6万kWh/年・西方108kW・60.7万kWh/年となってたようだが増えた様だ。
いいこんだら。出典:新電力ネット
伊達方 142/30 掛川市 大井川用水(右岸)
流込式・水路式 1.8〜3.5
→1.7〜4.7m3/s

90.6万 2016.3予



松島分水工[水土里][放 水場所EL.90m
昭和37年(1962)
松島分水工から菊川放流(0.3m3/s〜0.5m3/s)←意外に少量?
菊川幹線(松島分水工〜菊川町西方調整池)完成



どうも菊川に放水して,その水を併せて菊川頭首工で取水するようである。

菊川頭首工[水土里][場 所EL.32m
完成:1965年菊川左岸幹線(菊川頭首工〜菊川町神尾地内)完成
目的:A(1,119ha)
取水量:2.199m3/s
堤高:0.9m 堤頂:32.1m
堰形式:フローティングタイプ全可動堰

暫く待ってみたけど来ないので頭首工と築堤の写真のみ。 pic.twitter.com/MxIgS4o4QU

― とはずがたり (@tohazugatali1) August 16, 2024

松島分水工から放流の水と菊川上流の水を併せて取水する形のようだ。
菊川頭首工地点での流域面積はかなりざっくりの概算で約21.5km2ある。松島分水工での放水が0.3〜0.5m3/sと結構小さいなと思ったが菊川頭首工での取水量約2.2m3/sも割と穏当なものっぽい

可動堰


利水票


沈砂池


松島分水工で更に取水して(余分に水を通せるのか不明),途中分岐して富田川の水も併せて2〜3m3/sを菊川頭首工に流すと落差60mで1500kW程 度。やはり小水力の規模感であるな。。


西方分水工


奥山中池


滝之谷池



加茂分水工[場所51.7m]と西方川起点




西方発電所





伊達方発電所

丘の上から発見!なんか中 途半端な場所にある感じ[EL.55.1m]はするが,一応眼下に見下ろす感じなので低いとこにはあるようだ。

適当に近づいてみる。

説明板。画質悪くて読めない。。


伊達方分水工[場 所49.4m][静 岡県

物凄い水勢であった。もう一発ぐらい発電出来そうな。。



大池(大池調整池・二ッ池)[静 岡県][場 所29m
実家の近所である♪
犬の散歩でよく歩いたフィールドである。砂のトンネルと呼んでいた素掘りのトンネルが何本かあってそのうちの幾つかは今でも残っていて廃道マニアには有名 な界隈である。









と云う事で次回は久野脇発電所へ続く。