発電の種類 |
用途 |
|
原子力・石炭火力 |
出力変動が得意ではない+限界発電コストが安価 |
ベース電源向け |
LNG火力・一般水力 |
出力変動が容易 |
中間(ミドル)電源向け |
石油火力・揚水発電 |
出力変動が容易+高価 |
ピーク用電源向け |
太陽光(12%~20%)・ 風力(陸上20%・洋上30%) |
出力調整が困難 |
稼働率に課題 (周波数変動対策が必要) |
コスト\CO2 |
非発生 |
発生 |
低 |
原子力(限界発電費用)・嘗ての一般水力・地熱 | 石炭(大)・バイオマス混焼石炭・LNG |
中 |
近年の一般水力・中小水力・風力(洋上>陸上)・バイオマス専焼([8]試算) | |
高 |
原子力(事故処理や最終処理を含む総コスト)・バイオマス専焼(現買取価格)・揚水水力・太陽光 |
石油 |
規模 |
発電種類 |
|
大 |
原子力・一般火力・一般水力 | 一箇所毎に議論可能 |
中 |
バイオマス専焼・地熱 | 個別計画を集計しつつ議論出来る |
小 |
小水力・バイナリー地熱(温水発電)・風力・太陽光 |
個々の建設を論じるのは余り生産的ではない。 |
種類 |
その他・備考 |
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国内 |
プルトニウム(原発副産)・太陽光・風力・地熱・水力 |
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海外(普遍) |
ウラン・LNG(中東・ロシア・北米)・石炭 |
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海外(偏在) |
原油 |
再生可能エネルギー 発電設備の種類 |
固定価格買取制度導入前 設備導入量 |
固定価格買取制度導入後 設備導入量(=発電開始量) |
||||||||
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2012年6月末 までの 累積導入量 |
対象実効 定格出力 |
2012年度 の導入量 (7月~3月末) |
2013年度 の導入量※1 (4月~12月末) |
2014年4月末 新規認定設備 導入量 |
2014年4月 買取電力量 |
2015年8月末 導入容量 (総導入量) |
2015年8月 買取電力量 (万kWh) |
2015年11月末 新規認定設備 導入量 |
2015年11月 買取電力量 (万kWh) |
|
太陽光(住宅) | 約4700MW | 約564MW |
96.9万kW | 130.7万kW |
221 万kW |
5億7,013万kwh | 3,460MW(A) (8,160MW) |
64,475 (稼働率25%) |
367万kW |
54,037 |
太陽光(非住宅) | 約900MW | 約108MW |
70.4万kW | 573.5万kW |
736 万kW | 9億2,221万kwh | 18,730MW(B) (27,630MW)) |
249,905 (稼働率17.9%) |
2,074万kW |
194,906 |
風力 | 約2600MW | 約520MW |
6.3万kW | 1.1万kW | 11 万kW | 3億6,562万kwh | 350MW (2,950MW) |
21,759 | 38万kW |
41,416 |
中小水力 | 約9600MW | ─ |
0.2万kW | 0.3万kW | 1 万kW | 1億1,174万kwh | 110MW |
11,361 | 13万kW |
10,885 |
バイオマス | 約2300MW | 約2300MW |
3.0万kW | 8.9万kW | 9 万kW | 3億2,682万kwh | 340MW |
41,193 | 43万kW |
48,818 |
地熱 | 約500MW | ─ |
0.1万kW | 0万kW | 0 万kW | 30 万 kwh | 10MW |
503 | 1万kW | 615 |
合計 | 約20,600MW (約20.6GW) |
約3492MW |
176.9万kW | 527.5万kW | 22億9,681万kwh | 389,196 | 350,677 |
国名 |
地熱資源量(万kW) |
地熱発電設備容量(万kW) |
アメリカ合衆国 |
3,000 |
309.3 |
インドネシア |
2,779 |
119.7 |
日本 |
2,347 |
52 |
フィリピン |
600 |
190.4 |
メキシコ |
600 |
95.8 |
アイスランド |
580 |
57.5 |
ニュージーランド |
365 |
62.8 |
イタリア |
327 |
84.3 |
経済産業省の2030年の電源構成目標では、現在主流の未利用間伐材等を利用した方式が24万kW(とは註:240MW)なのに対して、一般木材(輸入材)・農作物残渣を用いた方式が274万~400万kW(とは註:2740~4000MW)と10
倍以上の目標が掲げられている(参考:「長期エネルギー需給見通し
骨子(案)関連資料」、資源エネルギー庁)。1000kW相当の発電所で年間7000~7500トン程度のPKSが必要とするとされており、これを仮に
PKSで全て賄うとすると2000万~3000万トン程度のPKSが必要となる。 他方でインドネシア、マレーシアにおける 年間のPKSの生産量はそれぞれ750万トン、550万トン程度とされており、すべてのPKSを日本が輸入したとしてもバイオマス発電の燃料はまかなえな くなる。そうなると必然的に日本企業はPKS以外の権益を確保するために、東南アジアにおいてもっぱらバイオマスの資源需要を賄うためだけに、資源作物の プランテーションを行う必要に迫られてくることになると考えられる。 |
火力発電 |
原発 |
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廃止 |
新設 |
廃炉 |
再稼働 |
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北海道電力管内 |
・砂川 250MW 1975/1980 国内炭 ・奈井江 350MW 1968/1970 国内炭 ・苫小牧・同共同火力 500MW 1973 重油・天然ガス ・伊達 700MW 1978/1980 重油 ●知内 700MW 1983/1998 重油 合計2500MW 1979年以前の施設 1325MW |
□石狩湾新港 569.4MW(2019)→1708.2(2028) LNG | 泊 |
|
東北電力管内 |
・八戸(3号機) 250MW 1968 重油 ・秋田 1333MW 1972-80 重油 ・東新潟(1・2号機,港1・2号機) 1900MW 1972-83 重油・天然ガス ・新潟(1号機) 250MW 1969 重油・天然ガス 合計3733MW |
□八戸(3号機) 394MW LNG CC設置○JX □新仙台 980MW LNG □上越 1440MW 2023 LNG ■能代 600MW 2020 石炭 ■丸紅+関電(秋田) 1300MW 2020年代前半 |
||
東京電力管内 |
・広野(1-4号機) 3200MW 1980-1993 重油 ・鹿島 4400MW 重油 1971-1975 ・五井 1886MW(1-5号機で1410MW,1-4号機で1060MW) 1963-68 LNG 6号機だけ1994にGT追加 ・姉崎 3600MW 1967-1979 重油など ・袖ヶ浦 3600MW 1974-1979 LNG=○東ガスLNG基地隣接 ・富津 2310MW(1-2号系列) 1986,88 LNG CCながら熱効率47.2%=○東電LNG基地隣接 ・横浜(5-6号機) 525MW 1964-68 重油 ・南横浜 1150MW 1970-1973 LNG=○東ガスLNG基地隣接 ・大井 1050MW 1971-1977原油 |
■新地(東電+中電) 1000MW □石油資源開発・三井物産(相馬港) 1200MW ■広野 540MW 石炭(IGCC) ■勿来 540MW 石炭(IGCC) ■常陸那珂(東電+中電) 650MW(東電向け380MW) □鹿島 +1260MW 緊急設置電源を都市ガス/ACC化。1-4号機の2400MWは廃止可能であろう。 ■新日鐵住金・電発(鹿島) 640MW(東電向け300MW) □神鋼真岡 1200MW LNG □千葉 +500MW LNG 緊急設置電源の3号系列化 ■横須賀(電発+東電・中電) 1000MW 石炭 □川崎(2号系列2-3軸) +1420MW LNG MACCII □横浜(7-8号系列)+216MW タービンを新型に交換。5-6号機は廃止が順当であろう。 □JX・東ガス川崎 +1100MW LNG □昭シェル・東ガス扇島 1220MW LNG ■中国電力・JFE・東ガス 1000MW 石炭 ■九電・出光興産・東ガス 2000MW 石炭 ■東燃ゼネ石・関電 1000MW 石炭 |
福島第一 福島第二 |
|
北陸電力管内 |
・富山 250MW 1971 重油 ・富山新港(1号機) 500MW 1974 原油・重油 ・福井 250MW 重油・原油 合計1000MW |
□富山新港(LNG1号機) 424.7MW建設中・2号機500MW LNG化 |
志賀 |
|
中部電力管内 |
・知多 1200MW 1968/74 重油・LNG ・渥美 1400MW 重油 ・四日市 660MW 1968 LNG ・尾鷲三田 500MW 石油(稼働率10%程) 合計3760MW |
□西名古屋 (2190MW 重油→)2316MW LNG 2017予 ■武豊 (1145MW 石油→1070MW 石炭) □東燃ゼネ石清水 2000MW LNG ○静岡ガス |
浜岡 |
|
関西電力管内 |
・南港 1800MW LNG(SC) 1990-91 ・相生 375MW 1982 石油 (750MWはLNG焚きへ) ・海南 2100MW 1970-74 石油 ・御坊 1800MW 1984-85 石油 |
□姫路第二 1200MW 1973 LNG汽力 (リプレース:2919MW LNG CC) □相生 750MW 1982 石油→LNG焚きへ ■赤穂 1200MW 石油→全部石炭へ □和歌山 3700MW LNG ■神鋼神戸 1400MW 2022年 石炭 ■電発高砂 500MW→1200MW 石炭(兵庫県知事がIGCCを要求するもその後音無し) □大ガス+出光(姫路) 1800MW 2020年代前半迄に1000MW LNG |
高浜 大飯 美浜 |
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中国電力管内 |
・水島(2/3号機) 496MW(156/340) 1963/73 石炭/天然ガス ○水島LNG(JX) ・玉島 850MW 1973-76 重油 ・岩国(2号機) 350MW 1972 重油 (3号機は500MW 1981 重油) ・下松 700MW 1979 重油 ・下関(2号機) 400MW 1977 重油 (1号機は175MW 1967 石炭) |
□玉島1号機 350MW 天然ガス併用に改造(LNG焚きの場合の出力は340MW) ■三隅 1000MW 石炭 ■大ガス+電発+宇部興産 1200MW 2025頃 石炭 |
島根 |
|
四国電力管内 |
・阿南 1120MW 1975-76/1969 石油 | ■西条 500MW(+344MW) 2022年予 石炭 □坂出 289MW 2016.8予 LNG CC ○坂出LNG(四国ガス・コスモ石油) |
伊方 |
|
九州電力管内 |
・苅田(新2号機) 375MW 1972 重油・原油 元々廃止予定 ・豊前 1000MW 1977 重油・原油 元々稼働率10%程度だったものが原発停止後は6割程に ・唐津 875MW 1971-73 重油・原油 ・相浦 875MW 1973-76 重油・原油 ・川内 1000MW 1974/85 重油・原油 |
■松浦 1000MW 石炭 □新大分 +480MW 2016.7 LNG □西部ガスひびき天然ガス 1600MW LNG ○ひびきLNG(西部90%・九電10%) |
玄海 玄海 川内 川内 |
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沖縄電力管内 |
||||
容量:26.6GW |
■大規模石炭火力新設・建替:28.2GW □大規模LNG火力新設・建替:18.6GW 合計:46.8GW |
1kWh辺りコスト |
想定稼働率 |
|||
石炭 |
9.5~9.7 |
[1] |
80% |
割安。CO2排出や需要変動対応に難有り。技術革新(例えばIGCC)により効率化が図られている。 |
LNG |
10.67~11.1 |
[1][2] |
80% |
日本は割高なLNG契約を結んでいる。 シェールガスの輸入が開始される予定。(シェールガスも枯渇の危険の記事もあったが・・) |
石油 |
36.0~38.3 |
[1][2] |
50~10% (ピーク用電源だからか?) |
やたら高い。枯渇性資源であり,CO2を排出し尚且つ高い事を考えると此処を
可能な限り減らすのも重要な政策目標であるべき。 需要変動に柔軟に対応できるがそれはLNG火力でも同様。 割高故にピーク時用電源としてたまにしか使わないから稼働率が下がって余計に割高になっている可能性はある。。 既存の石油火力は石炭火力への移行のCO2排出権の捻出分として活用するぐらいしかない。 |
原子力 |
8.9~∞ |
[2] |
70% |
様々な未計上のコストを積み上がると結構高くなる可能性が各所から指摘
されている。更に事故処理コストを含めると∞に。。 |
水力(一般) |
3.88~10.6 |
[5][2] |
幅
があるが,重要な指摘に嘗てと比べて水力発電の稼働率が劇的に低下していると云う指摘がある。調べてみると実際に稼働率は低下しており,どうやら水力発電の負荷
追从性を優先してベース電源的位置づけ(低コストで高稼働率)から高負荷時の調整弁的な色彩を強めてきたようである(私の検証はこの辺で。)。その結果が巨大なダム事業と公共工事批判と水力発電の高コスト化であった。 今後は巨大なダム事業を伴わず調整能力が不要で一定流量の河川維持流量を利用した中小水力をベース電源的な位置づけ(規模は大きくないが)で優先したいところ。 |
|
水力(揚水) |
51.87 |
[5] |
原子力・石炭など出力を調整しにくいけどランニングコストが低い(原発は色々誤魔化してトータルの費用を安く見せてるだけだけど。。)電力のバッ
クアップ用。 それなりに高コスト。例えば[5]や[7][9]で前提として議論されている様に出力調整の難しい原発と一体のシステムとして認識されることが多いことが 解る。 実際には稼働率は極めて低く,原発と必ずしも不可分の施設ではないと云う指摘もある。 自然エネルギーの増加で稼働率が上がるとコストが大きく低下する可能性もあるのではないか?また実際に応答率の良さなど太陽光・風力発電のバックアップ用という目的を明確に位置づけるべきでは無いか? |
|
太陽光 |
33.4~38.3 →9.9~20.0 |
[2] →[3] |
12~13% |
R&Dにより高効率化の可能性(あくまで可能性)あり。 太 陽光発電の供給ピークと冷房の需要ピークが一致することによりピーク時の発電必要量と分散型の発電で送電罔の負荷を下げうる可能性があるのでは?この部分 のメリットが从来型の発電の限界費用のみを考慮し送配電罔への負荷を考えない発電のコストという指標そのものを信頼性を低下せしめているかも。ただ,急に曇ったり蒸し蒸しが残って冷房需要電力が落ちないまま電力供給が急減するなどの危険性もあるのかも知れない。 |
地熱 |
9.2~11.6 |
[3] |
80% |
出力安定して,日本に大量に賦存する資源で価格も安くCO2の排出もな
いと次世代の本命にも思える。 しかし開発が国立公園内規制が厳しく,また温泉の枯渇などの不安もある。出力量的に何処迄開発できるかであろう。 |
風力(地上) |
8.8~17.3 |
[3] |
20% |
それ程安定性は高くない。資源賦存は非常に大きく可能性は高い。 東北・北海道に偏在しているので送電線の整備と安定性の為の設備が必要。 |
風力(洋上) |
8.6~17.6 |
[3] |
30% |
地上よりも安定して出力できる。コストは洋上建設・維持の為に割高。 |
バイオマス(木質専焼) |
17.4~32.2-21 |
[3]-[8] |
80% |
原料の安定的確保が問題であるが矢張りそれ以上に高いのも問題・・。コージェネ化が必須。 ただ未利用木材の木質バイオマス専焼でもコストを直ちに21円程度に引き下げられる(但し発電 所建設に農水省の補助金前提)様ではある[8] |
小水力 |
19.1~22.0 |
[3] |
60% |
エネルギーの地産地消の究極の形態かも。出力が余り大きく取れないこ
と,コストが割高なのが難点。 技術者の配備などで規制緩和が行われた。 |
2014年06月03日 13時00分 更新 電力供給サービス: 火力発電所を新設したら古い設備は廃止に、環境省が電力業界に要求 http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1406/03/news021.html <石原環境相>東海村の石炭火発、CO2回収求める…アセス http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/mainichi-20140702k0000m040077000c.html 毎日新聞2014年7月1日(火)20:12 2015.6.13 06:00 環境省、石炭火力新設に難色 「是認しがたい」 温室ガス削減へ業界に圧力 http://www.sankei.com/life/news/150613/lif1506130007-n1.html 計画の石炭火力発電所 環境相「是認し難い」 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150612/k10010112241000.html 6月12日 12時23分 |
2014年12月09日 15時00分 更新 CO2排出係数が最も低いのは中部電力、7社が前年度から低下 http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1412/09/news029.html 電力会社が2013年度に供給した電力のCO2排出係数が公表された。最高は沖縄電力で、最低は中部電力だった。10社の合計による総排出量は前年度から 0.02億トン減り、10社のうち7社の排出係数が低下している。東京・関西・九州の3社は排出係数が上昇した。 [石田雅也,スマートジャパン] |
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![]()
図1 電力会社のCO2排出係数(2013年度)。出典:環境省
| 環境省は電力会社をはじめとする電気事業者が供給した電力の実績値をもとに、毎年度のCO2排出係数を事業者別に公表している。CO2排出係数は 1kWhの電力に対するCO2排出量で算出する。2013年度のCO2排出係数を見ると、電力会社10社の中で最も低いのは中部電力である(図1)。前年 度の0.516から0.513に低下した。 2012年度に最低の排出係数だった関西電力は0.514から0.522へ上昇した。2013年9月まで稼働していた原子力の大飯発電所3・4号機が運 転を停止した影響と考えられる。このほかには東京電力(0.525→0.530)と九州電力(0.612→0.613)の排出係数が前年度を上回った。 電力会社のCO2排出量の大半は火力発電によるもので、特に石炭火力と石油火力の排出量が相対的に多い。10社のCO2排出量を合計すると、2013年 度は前年度から0.02億トン減って下降傾向が見られる(図2)。LNG(液化天然ガス)火力と石炭火力の比率が増加したものの、石油火力が減少したこと で全体の排出量を押し下げた。 |
![]() 図2 電源別の発電電力量の比率とCO2排出量 (電力会社10社の合計、他社受電を含む。)出典:環境省 |
各電力会社のCO2排出係数もLNG・石炭・石油の比率でおおむね決まる。排出係数が最も高い沖縄電力では、離島の発電設備の大半が石油を燃料にした内 燃機方式を採用している。これに対して排出係数が低い東京・中部・関西の3社は高効率のLNG火力発電所を増やしてCO2排出量の削減を進めてきた。 今後も全体の発電量が減ることは確実で、合わせて高効率の火力発電所が増えていけば、原子力発電所を再稼働しなくてもCO2排出量は削減できる。それに 伴ってCO2排出係数も低下していく。電力会社をはじめ電気事業者のCO2排出係数は企業が使用した電力のCO2排出量を算出するのに使われるため、一般 企業にとっても重要な指標である。 |
新規認定容量 (万kW) |
想定稼働率 | 推定発電量 (億kWh) |
|
太陽光(住宅) | 433 | 0.12 | 45.5 |
太陽光(非住宅) | 7531 | 0.12 | 791.7 |
風力 | 233 | 0.2 | 40.8 |
中小水力 | 74 | 0.6 | 38.9 |
地熱 | 50 | 0.7 | 30.7 |
バイオマス | 279 | 0.8 | 195.5 |
再生可能エネ計 |
1,143.1 |
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2016年01月15日 09時00分 更新 2016年の電力メガトレンド(5): 原子力発電所と火力発電所の選別が進む、2030年に設備半減へ http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1601/15/news020.html 九州電力が「川内原子力発電所」の1・2号機を相次いで再稼働させたのに続いて、関西電力の「高浜発電所」の3・4号機と四国電力の「伊方発電所」の3 号機も国の原子力規制委員会による適合性審査を通過して、2016年内の早い時期に再稼働する見通しだ。このほかにも21基の原子力発電設備に対して適合 性審査の申請が出ている(図1)。 ![]() 図1 原子力発電所の状況(2015年11月20日時点。)。各発電所の設備に記載した数字は上段が発電能力(単位:万キロワット)、下段が運転開始後の経過年数。出典:資源エネルギー庁 中でも関西電力は合計7基の審査を申請済みだ。すべての設備が稼働すると発電能力は659万kW(キロワット)に達する。管内の電力需要は2015年の 最大が2556万kWで、そのうち25%に相当する発電能力になる。需要が小さくなるゴールデンウイークの期間中には50%を超えて、原子力発電の依存度 が非常に高くなる可能性がある。だが、このまま再稼働が順調に進んでいく状況にはない。 … 政府は2030年のCO2排出量を1kWh(キロワット時)あたり0.37kg-CO2(CO2換算キログラム)に低減する目標を設定した。 … 石炭火力はCO2の分離・回収も LNG火力の発電効率は現時点で最新鋭の「ガスタービン複合発電(GTCC)」が52%である。旧来型のLNG火力は38%程度で、GTCCに移行すれ ば3割以上も効率が良くなる。2020年にはガスタービンの燃焼温度を高めることで57%まで上昇する見込みだ。さらに2030年までに実用化が期待でき る「ガスタービン燃料電池複合発電(GTFC)」になると発電効率は63%に達する(図10)。 ![]() 図10 LNG火力と石炭火力の発電技術と発電効率。出典:資源エネルギー庁 一方の石炭火力でも最先端の「超々臨界圧(USC)」と呼ぶ発電方式を採用すると発電効率は40%になる。LNG火力と同様に2030年には燃料電池を 組み合わせた「石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC)」の実用化が見込まれていて、発電効率は一気に55%程度まで上昇していく。 特に石炭火力はCO2排出量が多いため、発電効率を引き上げてCO2排出量を削減することが不可欠だ。現在のUSCから次世代のIGFCへ移行すること でCO2排出量は3割も減る(図11)。その過程で燃料電池を併用しない「石炭ガス化複合発電(IGCC)」が2020年に実用化できる見通しで、この方 式でもUSCと比べてCO2排出量は2割少なくなる。 ![]() 図11 火力発電の進化によるCO2削減効果。単位:g/kWh(グラム/キロワット時)。出典:資源エネルギー庁 それでも石炭火力のCO2排出量はLNG火力の約2倍も多い。追加の対策としてCO2を放出しないで回収して、地下深くに貯留したり、別の用途に利用し たりする技術の開発も必要だ。中国電力とJ-Powerは広島県に建設中のIGCCの実証設備にCO2の分離・回収設備を併設する。2019年 度から実証試験を開始する予定で、商用レベルでは日本で初めてCO2分離・回収機能を備えた石炭火力発電設備になる。 |
2015年02月03日 13時00分 更新 2030年のエネルギーミックス、火力発電を5割まで低減 >>2801 2015年06月19日 09時00分 更新 進化を続ける火力発電、燃料電池を内蔵して発電効率60%超に >>2952-2953 ![]() 図1 技術開発ロードマップの対象範囲。出典:資源エネルギー庁 2015年06月15日 09時00分 更新 転換期を迎えた火力発電、2030年に向けて総量規制を http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1506/15/news021.html 国を挙げてCO2排出量の削減に取り組む中で、火力発電の抑制が大きな課題だ。環境省は電力業界全体で新たな枠組みを構築するように要請を出しているが、 具体的な動きは進んでいない。2030年のエネルギーミックスの目標を決めた今こそ、火力発電の総量規制と高効率化の推進が求められる。 [石田雅也,スマートジャパン] 今から18年前の1997年6月に「環境影響評価法」が成立した。この法律によって出力が15万kW(キロワット)以上の火力発電設備を新設する場合に は、環境に対する影響を評価して必要な対策を講じることが義務づけられた。4段階に及ぶ手続きの各段階で、環境大臣が経済産業大臣や発電事業者に対して意 見書を出すことになっている。 最近の意見書には必ず記載される項目がある。火力発電に伴うCO2排出量を電力業界全体で削減する「枠組み」の構築を求める内容だ。その中でも6月12 日に経済産業大臣に向けて提出した意見書は従来よりも踏み込んだ厳しいものだった。山口県で計画中の石炭火力による「西沖の山発電所」に対して、「現段階 において是認しがたい」と反対を表明した。 東日本大震災が発生した2011年度から、電力会社の発電に伴うCO2排出量が大幅に増えてしまった(図1)。こうした状況の中で火力発電設備を新設す るのであれば、既存の火力発電設備と合わせて全体でCO2排出量を減らす必要がある。いわば国全体を対象にした火力発電の「総量規制」が求められる。 ![]() 図1 電源別の発電電力量とCO2排出量。出典:環境省(資源エネルギー庁などの資料をもとに作成) 環境省は電力業界を主管する経済産業省に対して、火力発電を対象にした枠組みを構築するように再三にわたって要請を出している。それでも具体的な動きが 見られないことから、石炭火力発電所の建設に反対を表明して実行を迫った。電力業界は2つの改革の波によって、早急に対策をとることが避けられない状況に ある。 発電効率の低い老朽設備から廃止へ 2つの改革の1点目は「電力システム改革」である。2016年4月の小売全面自由化に続いて、2020年4月には発送電分離を実施することが決まった。電力会社を含めて各事業者は安い電力を調達する必要があるために、燃料費の安い石炭火力発電の増強に乗り出している。 ところが国内の火力発電に伴うCO2排出量を見ると、2013年度の時点で約半分を石炭火力が占めている(図2)。このまま石炭火力の拡大が続いていく と、CO2排出量の削減は難しくなる。新たな取り組みとしてCO2を回収・貯留する「CCS(Carbon dioxide Capture & Storage)」の技術開発が進んでいるものの、当面はコストが高くて実用化までには時間がかかる。 ![]() 図2 燃料別のCO2排出量。出典:環境省(資源エネルギー庁の資料をもとに作成) 電力業界には2030年に達成しなくてならない「エネルギーミックス(電源構成)」の目標がある。これが2つ目の改革だ。2030年に国全体のCO2排 出量を2013年比で26%削減するために、火力発電の比率を震災前の63%から56%まで引き下げなくてはならない(図3)。発電効率の高い最新型の火 力発電設備を増やす一方で、老朽化した設備の廃止をどんどん進めていく必要がある。 ![]() 図3 2030年のエネルギーミックスの内訳。出典:資源エネルギー庁 2030年のエネルギーミックスに従って、電力業界全体で運転できる石油火力・石炭火力・LNG(液化天然ガス)火力の総量を決めることができる。一方 でCO2の排出量を減らすための火力発電設備のガイドラインがある。経済産業省と環境省が共同で策定した「BAT(Best Available Technology、最新鋭の発電技術の商用化及び開発状況)」と呼ぶ基準で、商用運転中・建設中・実証中の3段階に分けて発電方式や効率を規定した (図4)。 ![]() 図4 商用運転中の段階にある「BAT」(2014年4月時点、赤字部分は2013年度版からの変更点)。出典:経済産業省、環境省 BATの基準に合う発電設備を増やしながら、老朽化した発電設備を順に廃止していけば、2030年までに火力発電によるCO2排出量を大幅に減らすこと ができる。燃料・発電効率・運転開始年の3つの指標をもとに、火力発電所を数多く保有する電力会社10社とJ-POWER(電源開発)、その他の発電事業 者に分けて、発電設備の総量を規制することが求められる。 高効率の石炭火力とLNG火力を優先 BATには石油火力は含まれていない。将来の電源として石油火力を必要とする理由がないからだ。すでに世界の先進国では、石油火力をほとんど使っていない(図5)。日本だけが電力の1割以上を石油火力に依存している状況で、世界の流れに取り残されている。 http://tohazugatali.dousetsu.com/l_energymix2_sj.jpg 図5 先進国におけるエネルギーミックスの現状。出典:資源エネルギー庁(IEAなどの資料をもとに作成) 石炭火力やLNG火力よりも前に石油火力を廃止する必要があることは明らかだ。電源別の発電コストを比較すると、石油火力は圧倒的に高い。石炭火力や LNG火力の3倍にもなり、太陽光をはじめとする再生可能エネルギーさえも上回っている(図6)。2030年のエネルギーミックスの目標には石油火力が 3%だけ残っているが、離島の小規模な発電設備をLNG火力へ移行すれば全面的に廃止することも可能だろう。 http://tohazugatali.dousetsu.com/l_cost_sj.jpg 図6 2014年の電源別の発電コスト。出典:資源エネルギー庁 石炭火力とLNG火力の配分もCO2排出量の削減には重要だ。石炭火力はLNG火力と比べてCO2排出量が2倍になる(図7)。今後LNGの価格が下 がっていけば、発電コストの面でも石炭火力の優位性は薄れていく。発電効率の高い最新型を増やして従来型を廃止するルールづくりが必要だ。 thtp://tohazugatali.dousetsu.com/kankyo5_sj.jpg 図7 電源別のCO2排出係数。出典:環境省(資源エネルギー庁などの資料をもとに作成) 石炭火力とLNG火力は技術革新によって発電効率の改善が進んでいる。特に石炭火力では日本の技術が世界の最高レベルにある。今後の主流になる発電方式 は、石炭をガスに転換してから燃焼させる「IGCC(Integrated coal Gasification Combined Cycle、石炭ガス化複合発電)」である(図8)。 http://tohazugatali.dousetsu.com/kouritsu1_sj.jpg http://tohazugatali.dousetsu.com/kouritsu2_sj.jpg 図8 火力発電の熱効率の向上。石炭火力(上)、LNG火力(下)。出典:資源エネルギー庁 IGCCを採用した発電設備は従来型の石炭火力と比べて3割ほど効率が高くなり、それだけ燃料費とCO2排出量が少なくなる。LNG火力でも最新型は IGCCと同様のコンバインドサイクル(複合発電)が標準的になってきた。コンバインドサイクルはガスタービンで発電した後に、排熱を使って蒸気タービン でも発電することができるため、1つのタービンで発電する方式よりも効率が高くなる。 火力発電の方向性は明確になっている。政府が主導して総量規制のガイドラインを設けたうえで、事業者ごとの割り当てを決めれば、老朽設備の廃止と高効率 設備の新設が進んでいく。CO2排出量だけではなく化石燃料の輸入量も削減できて、日本の将来にとって望ましい状況になる。 |