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14.7.10作成

水力発電の稼働率低下に就いて

1.日本のエース級の水力発電所たち♪

先ずは日本のエース級の水発をご覧頂きたい。頼もしいエース達である。
ラ ンキング

発 電所名
出 力
(MW)
場 所
河 川など
最 大使用水量
(㎥/s)
有 効落差
(m)
年 間発電量
(kWh)
運 転開始
年月
所 有者 水 力発電方式
①種 別
②発 電形式
③発 電方式
そ の他・備考
出 力
発 電量


奥只見発 電所
最 大:560
 1~3 号機120*3
 4 号機:200
常 時:52.6
福 島県南会津郡
檜枝岐村
取 水:
袖沢→小屋場沢→本沢→只見川[奥只見 ダム]
 放水:只見川
最 大:387.00
 1~3号機:83.00*3
 4号機:138.00
170.00
 (1~3号機)
164.20
 (4号機)
6億1千万
1953/7:開発決定
1957/2:本工事開始
1960/12/2:運用開始
 (一部湛水開始)
1961/7:ダム完成・本格運用開始
2003/6/7:4号機運用開始

電源開発
①一般水力
②ダム水路式
③貯水池式
東京電力・東北電力に供給


(河川維 持流量分)
最 大:2.7
常 時:2.1

取水:
袖沢→小屋場沢→本沢→只見川[奥只見ダ ム]
放水:只見川
420.00 105.00
1959/5/30:運用開始
①一般水力
②ダム式
③貯水池式


10
田子倉発 電所
最 大:38.5
常 時:22.5
福 島県南会津郡
只見町田子倉
取 水:只見川[田子倉ダム]
放 水:只見川(只見ダム・滝ダム)
最 大:420.00 最 大:105.00 5億9千万
1959/5/30:運用開始 電源開発
①一般水力
②ダム式
③貯水池式



信濃川発 電所
最大:177
常時:112
新潟県中魚沼郡津南町三箇
取水:信濃川[西大滝ダム]
放水:信濃川

109.97
171.133
(水利使用標識、実使用量)
平均:13億
1939/11:運用開始
東京電力
①一般水力
②水路式
③調整池式



新小千谷 発電所(信濃川発電所)





8億5千万

JR東日本




千手発電 所(信濃川発電所)





7億2千万

JR東日本




佐久間発 電所
最大:350
常時:93.7
浜松市天竜区
佐久間町佐久間
取 水:
水窪川、天竜川[佐久間ダム]
放 水:
佐久間第二発電所、天竜川(秋葉ダム)
最大:306.00
常時:117.20
最大:133.49
常時:93.4
平 均:
13億7360万
最高:
18億3000万(1991年)
1953/4/16:着工
1956/4/22or23:運用開始
電源開発
 ①一般水力
②ダム水路式
③貯水池式
東京電力・中部電力に供給


佐久間第 二発電所
最 大:32
常時:11.5
浜松市天竜区
佐久間町佐久間半 場
取 水:佐久間発電所
放 水:天竜川
306.00 12.30
1982/7/1:運用開始
  ①一般水力
②水路式
③流込み式



黒部川第 四発電所
最大:335
常時:88
富山県黒部市
宇奈月温泉

取水:
黒部川[黒部ダム(黒四ダム)]
放水:
新黒部川第三発電所、黒部川第三発電所、黒部川

72.0
545.5
9億3千万
1928:日本電力により予備調査開始
1949:計画
1956:着工
1961/1/15:1,2号機運用開始(154MW)
1962/1/29:1,2号機出力増加(160MW)
1962/8/1:3号機運用開始(234MW)
1963/6/5:竣工
1963/7/16:出力増加(240MW)
1965/9/25:出力増加(252MW)
1969/7/18:出力増加(258MW)
1973/6/18:4号機運用開始(335MW)
2010/4/9:IEEEマイルストーン賞受賞

関西電力
①一般水力
②ダム水路式
③貯水池式



御母衣発 電所
最大:215
常時:49.5
岐阜県大野郡
白川村牧

取水:庄川[御母衣ダム]
放水:庄川

最大:130
常時:38.49
最大:192.10
常時:138.2
平均:5億2千万
1957/6:着工
1961/1/14:運用開始(160MW)
1961/5:出力増加(215MW)
電源開発
①一般水力
②ダム水路式
③貯水池式
奥只見・田子倉と並ぶ当時の電発の三大プロジェクト
天竜川や信濃川みたいに水量ある大河でしかも途中に殆ど無人地帯が無いとダメなようである。
東電信濃川発電所は水路式でベース電源の女王的な感じであるが他でも出来ないのかねぇ。。

2.稼働率の低下に就いて
この上表を纏めるきっかけとなったのは一部の(例えば気骨の反原発の原子力学者,小出先生辺りが云っている)水力の稼働率をわざわざ落として原発を使って いると云う表現(この辺参照)である。
実際に揚水発電が未だ殆ど無く水力発電が一般水力発電立った頃の稼働率(=発電量(定格出力*365*24h)*100)を調べてみると以下のようにな る。

1951 1952 1953 1954 1955 1956 1957 1958 1959 1960 1961 1962 1963 1964 1965 1966
稼働率
61.69% 63.64% 63.17% 62.09%  60.99% 61.65% 62.35% 63.62% 60.75% 51.50% 56.67% 49.45% 51.43% 49.32% 52.40% 53.17%

 1960年を境に稼働率がガクンと下がっているのが判る。
昨今の水力の稼働率は25%とも一般水力だけで40%とも云われるが,こいつらを上げれば良いと云うのである。

しかし調べてみるに,ピークロードをも考慮に入れた巨大ダムである奥只見や田子倉の建設・運用開始で稼働率が急速に下がったと云うのが実際の様である。水力発電は火 力発電と比べ応答性に優れ,やばいと思ったら直ぐに発電できるのが魅力なのだそうな。

从って奥只見以降の水力発電はベース電源供給ではなくピークロード電源の要素をもって建設され,それが稼働率の低さと水力発電のコスト高に繋がって云った と言えるであろう。原発を低コストという欺瞞で推進する為にも巨大のダム工事を伴う水力発電の高コストは都合のよいものだったに違いない。

兎も角つまり近年の(といっても整備されてからだいぶ経つが)水力発電所は発電能力があるが,最大出力でずっと発電できる程の水が川に流れていないようなのである。
と云う訳で,目一杯稼働させれば良いという言説もまたどちらかと言えばトンデモの類の様である。。今日本 に足 りないのはベースロード電源である(ピーク用は原発も停まってしまい殆ど使われない揚水式の能力が有り余っている。。)ので愚直に水力発電能力を増やしてゆくしかないのである。

一時期流行った脱ダムであるが,ベース電源用の安定供給対策としては両立しうるのも重要であろう。地熱発電の他,水路式の中小水力をもっと増やすべく頑 張るべきであろう。

また既存の大規模の一般水力発電所に関しても補助的な流量維持発電で増やしたり,歯車の更新等を通じて地道に出力を強化できるようである。

本総研でも地道にこつこつ妄想を重ねて水力発電のポテンシャルを検討してみた(この辺参照)