電力総研 水力あれこれ
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22.2.18分離独立

道前道後用水と電源開発

仁淀川は高知県側での呼称であり,愛媛県では面河川と呼ばれているようである。その面河川の最上流部では瀬戸内側へ導水されて道前・道後用水に利 用されている。
西条か ら郡中(伊予市)迄拡がる水路罔はなかなかにワイルド♪

越の国や毛野の国や吉備の国とは違って道なんとかと云う国が無いのに道前・道後という謎は以下の通り:
大化の改新後、今治…の辺りに伊予の国の国府が置かれたが、一般的には国府付近を 「道中」といい、それより都に近いところが「道前」、遠いところが「道後」となるのだそうだ。そして後に、今の道後温泉のあるあたりのみを指して「道後」 と称するようになったのだという。[出典:今 日の一撃

なるほど~。そうだったのか。

面河川支流の割石川の面河ダムを水源に道前道後平野に利水の巨大なシステムが形成されている。


~割石川(仁淀川水系)~

面河(おもご)ダム[便 覧][水力
河川     仁淀川水系割石川
目的/型式     AIP/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     73.5m/159m/190千m3
流域面積/湛水面積     75.8km2(76.1?) ( 直接:16.8km2 間接:59km2 ) /125ha
総貯水容量/有効貯水容量     28300千m3/26800千m3
ダム事業者     中国四国農政局
着手/竣工     1957/1967
堤高:73.5m、堤頂長:159.0m、

有効貯水容量:26,800,000立方メートル
農業用水年間使用量:32,150,000立方メートル
工業用水年間使用量:40,680,000立方メートル
 発電用水年間使用量:72,830,000立方メートル(農業用水+工業用水)
標高
 ゲート頂部標高:690.25m(機械室除く)
    堤頂標高:682.00m
 常時満水位標高:680.00m
洪水吐越流頂標高:674.98m(クレストゲート)
   低水位標高:635.00m
    基礎標高:608.50m

取水:面 河川(面河川第一承水堰)鉄 砲石川(面河川第二承水堰)坂 瀬川(坂瀬川承水堰)妙 谷川(妙谷川承水堰)→割石川[面河ダム]

~中山 川~

愛媛県公営企業管理局 道前道後第一発電所[水力
愛媛県上浮穴郡久万高原町笠方
運開:1964.1
ダム式・貯水池式
認可最大出力:3,500kW 常時出力: 0kW
最大使用水量:6.88立方メートル毎秒(現地案内版)
最大使用水量:6.90立方メートル毎秒(水力発電所データベース)
有効落差:64.30m
水車: 出力3800kW×1台
導水路:総延長9102.4m
流域面積:76.1平方キロメートル
取水:面 河川(堰堤)鉄 砲石川坂 瀬川妙 谷川(堰堤)→割石川[面河ダム](680.00m)
放水:道前道後第二発電所(614.5m)



http://www.suiryoku.com/gallery/ehime/dzendgo2/dzendgo2.html
愛媛県公営企業管理局 道前道後第二発電所
運開:1964.1
水路式・貯水池式
認可最大出力:11,000kW 常時出力:1,500kW
最大使用水量:6.88立方メートル毎秒(現地案内版)
最大使用水量:6.90立方メートル毎秒(水力発電所データベース)
有効落差:195.70m
水車:出力11700kW×1台
導水路:総延長7801.1m
流域面積:76.1km2
取水:道前道後第一発電所614.5m
放水:中山川→道前道後第三発電所406.6m


愛媛県公営企業管理局 道前道後第三発電所[水力
運開:1964.1
水路式・貯水池式
認可最大出力:10,600kW  常時出力: 1,400kW
最大使用水量:6.90m3/s
有効落差:188.60m
水車: 出力11300kW×1台
流域面積:76.1km2
取水:道前道後第二発電所→中山川406.6m
放水:中山川→灌漑、工業用水208.0m

道前道後用水 中山川逆調整池・千原取水塔[場 所208.1m
取水量:3.45m3/s
取水:中山川[道前道後第三発電所]
送水:南北分水工(3.45m3/s)[道後北部幹線水路(1.63m3/s)・道後南部幹線水路2.5m3/s]
出典:土改協?

~道前用水~

中山川取水堰[此 処?(地理院) EL82m
取水量:5.37m3/s
送水先:南北分水工

中山川逆調整池(EL202m)or面河第三発電所(EL208m)を放水された5.37m3/sを中山川取水堰(EL82m)で取水する。有効落差 120m程。鞍瀬川はサイフォンで渡る必要がありそう。
また道前道後の第一・第二・第三の全ての発電所で流域面積が76,1km2と共通していて中山川からは取水しないと云う事の様に思われるが,中山川逆調整 池地点で見て30km2近い流域がある。小雨の瀬戸内とは云へ多少の補充は出来そうである。


[私案]中山川発電所
出力:5,400kW[+5.4MW]
水量:5.5m3/s
落差:120m
取水:中山川[道前道後第三発電所]
放水:中山川[中山川取水堰]


~志河川~

志河川(しこがわ)ダム[便覧][まんまる日記][dam88
河川     中山川水系志河川
目的/堤高/堤頂長     A(道後用水0.33m3/s)P(維持流量発電?)/48.2m/117m
流域面積/湛水面積     17.2km2 ( 全て直接流域 ) /8ha
総貯水容量/有効貯水容量     130.0万m3/95.5万m3
ダム事業者     中国四国農政局
着手/竣工     1987/2010

発電所名:志河川ダム発電所 (しこがわだむ)[aika
事業者名:道前平野土地改良区
出力(kW):49.9
開始年月:2016 (H28).2

南北分水工[場所:地 理院
取水:中山川取水堰(5.37m3/s)・志河川ダム(0.33m3/s)
送水:道前右岸幹線水路・道前左岸幹線水路



~道後用水~

南北分水工[場所・][cassopedia] [地 理院(191m)
取水:中山川[中山川逆調整池・千原取水塔]
送水:道後北部 幹線水路(1.63m3/s)・道後南部幹線水路2.5m3/s

中山川取水堰(道前の両岸分水工側)と違って南北分水工と中山川との落差は10m位しか無さそうで水量も少なめで発電は一寸無理かも。。


~道後南部幹線水路~


佐古ダム[便覧
河川     重信川水系佐川川
目的/型式     A/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     31m/210m/63千m3
流域面積/湛水面積     4.1km2 ( 全て直接流域 ) /11ha
総貯水容量/有効貯水容量     1110千m3/1020千m3
ダム事業者     中国四国農政局
着手/竣工     1989/2001


通谷(とおりたに)池[場 所:砥用町・79.7m][wiki
潅漑面積:250ha(道後平 野)
給水:道後南部幹線

大谷池[場 所・伊予市・101m][wiki
潅漑面積:838ha(伊予市)
給水:道後南部幹線

1922年 (大正11年)の大旱魃、翌年の水害、1930年(昭和5年)の旱魃では稲は枯死するなど被害が続いたため、南伊予村長であった武智惣五郎が「成否はもと より天にあり、吾れ死すとも辞せず」という決意の もと、私財を投入し、大谷池築造に取り組んだ。その年「伊予郡南伊予村3ヶ町村用排水改良事業」として着工したが、室戸台風により基礎工事 が崩壊し、その上岩質がもろく、漏水防止工事は困難をきたした。着工後も、日中戦争から、第二次世界大戦での資金不足で1942年(昭和17年)に「愛媛 県営事業」に移行した。
の べ人数37万3000人の村民が奉仕的に人力作業に従事した後、1942年(昭和17年)4月に竣工した。

胸熱だなあ。