電 力総研 水 力あれこれ(九 州)
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21.7.2運開

千々石川の水力発電

天正遣欧使節の一人に未だ少年の千々石ミゲルがいたがその千々石(ちぢわ)であろう。

 二級河川なので九州が手薄な水力さんの水系一覧に もなく,先ずは[aika] さんの地図を頼りに並べておいおい水力 DBで内容を補完していく。水発は5箇所。いずれも九電である。
また二級河川なので管理は長崎県である。
大河のない九州どころか日本の西端長崎であるから発電所も小さい。場所もあんま把握してなかったけど雲仙・島原の西側で強いて云えば嘗て雲仙鉄道が走って いた小浜に近い場所にある。
新開発というよりこんな規模の小さい発電所群が現在も現役を続行出来てる所に興味がある。因みに雲仙鉄道は島原鉄道が現在迄生き延びていて観光鉄道として も可能性もありそうだったのに経営不振を極め戦後のモータリゼーションを待つ迄もなくあえなく戦時中には早くも廃止になってた様だ[wiki]。

(河口)

<空き落差92m>

発電所名:千々石第三発電所(ちぢわ3)[DB
事業者名:九州電力㈱
出力(kW):65kW  常時:65kW (最大=常時!)
水量:0.42m3/s
落差:20.30m
流域:19.4km2
開始年月:大正7年12月
取水:千々石川、飯岳川113.93m
放水:92.78m


<空き落差60m>

発電所名:千々石第四発電所(ちぢわ4)[DB] [場 所
事業者名:九州電力㈱
出力:330kW  常時:330kW (最大=常時!)
水量:0.39m3/s
落差:117.59m
流域:19.4km2
開始年月:大正12年7月
取水:千々石川298.14m
放水:173.20m

<シリーズ?>
こんな小さな水量で4mも差があるのは一寸苦しい気もするけど流石にシリーズだろう。[地 図

発電所名:千々石第二発電所(ちぢわ2)[DB
事業者名:九州電力㈱
出力:150kW  常時:150kW (最大=常時!)
水量:0.42m3/s
落差:43.93m
流域:10.5km2
開始年月:大正4年12月
取水:千々石川[千々石第二](加持川・清水川合流)340.07m
放水:千々石川[千々石第四]294.78m

<シリーズ>
~清水川~

発電所名:千々石第一発電所(ちぢわ1)[DB] [地 図
事業者名:九州電力㈱
出力:170kW 常時:kW110kW
水量:0.28m3/s
落差:83.77m
流域:3.8km2
開始年月:明治44年9月
取水:清水川433.54m
放水: 清水川[千々石第二]344.68m

<シリーズ>

発電所名:千々石第五発電所(ちぢわ5)[DB] [aika]
事業者名:九州電力㈱
出力:120kW  常時:40kW
水量:0.22m3/s
落差:72.01m
流域:2.9km2
開始年月:大正14年7月
取水:清水川、白須川、銭谷川511.37m こ の辺
放水:清水川435.42m

~加持川~

別所ダム
http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranA/All.cgi?db4=2613

河川     千々石川水系加持川
目的     AW
堤高     19.3m
流域面積/湛水面積     4.7km2 ( 全て直接流域 ) /25ha
総貯水容量/有効貯水容量     1923千m3/1837千m3
ダム事業者     長崎県
着手/竣工     1961/1968


存続の秘訣はよく判らないというのが実感だが,面積に対して水量は確り取れてる印象ではある。特に上流部。割りと安定して発電はしていて水量が少ない分災 害も無かったという感じであろうか。
小水力による河川一貫開発,九州の可能性を感じる。