鮎喰(あくい)川の利水(21.6.26逍遙)
吉野川の支流,鮎喰川である。
海から遡上してくるアユの大敵であるダムであるので,ダム推しにとって川名に鮎が付いてるだけで一寸躊躇せざるを得ないが検討してみる。
水系の様子はこんな感じだそうである。
>名西郡神山町奥屋敷に源を発し、神山町上分かみぶんから広野、徳島市入(にゅう)田た、一宮を経て徳島市の北方で吉野川に注ぐ全長約43袰、流域
面積約187裄の1級河川である。
出典:阿
波学会紀要(2000)・46号(pp.85-94)
R438は徳島市→名東郡佐那河内村(みょうどうぐんさなごうちそん)→名西郡神山町(みょうざいぐんかみやまちょう)→と走るが,川は佐那河内が園瀬
(そのせ)川,神山町が鮎喰と異なっており峠を越えている。
因みに名東は一時期徳島県が名東県となるなど地名としての重要度はあるが今は大部分が徳島市になってしまい佐那河内1村のみ所属である。名西郡も板野町や
徳島に併呑され殆どが石井町である。寛平8年(896年)に名方郡が東西に分けられて[出典:wiki]
久しいが再び統合して伝統の名方郡の復活をすべき時期に来ているだらう。名
東・名西ではなんのことかわからん。
因みに鮎喰川は吉野川最下流(EL4m)で合流する支流であるが,園瀬川は吉野川が更に海寄りの河口付近で分流する新町川に河口付近で合流するのでこれま
た吉野川水系である。園瀬川はこ
の水路で勝浦川ともつながってそうだけど勝浦川は独立した二級河川の様である。
wikiに
拠ると
>この川は雨の多い時期には上流から下流まで水が流れているが、雨の少ない時
期には中流から下流は、水の流れが無く伏流水となり、この水が下流で川
の流れとなって現れてきている。この清らかな伏流水を活用して徳島市
国府町では昔から藍染めが盛んであった。
…国府町の河川敷きには伏流水を活用した鮎の養殖場があり各地に出荷されている。
そうな。。年間を通した安定的な利水には不安がある上にその伏流水を利用して産業も興隆している様だ。。発電は無理やろか。。藍染めはまあもうそんなやっ
てないだろうけど。検索掛けてみると徳島の地酒
御殿桜様(佐古にあるようだ)が鮎
喰川の伏流水を使って酒造しているそうな。また蔵
本駅前には名水蔵清水(蔵本駅前のロータリーにある湧き水。鮎喰川水系の伏流水を水源とし、ミネラル分が比較的多く、まろやかな味がすると言われ
ている。)があるらしい。四国すげえ。四国三郎の実力の一端か。県庁所在都市の2,3駅隣りに湧水があるとか汚染とか大丈夫か心配になるけど重化学工業都
市ではないので大丈夫なのであろう。150万都市の京都だって伏見=伏水=伏流水つかって清酒造ってるしな。鮎喰の奥地から取水して一部穴吹や川田川の水
を併せて吉野川縁で発電!(+13.6MW)みたいなのも検討したけど全部却下だな。。
(河口)
~入田・行者野~
徳島市入田から神山町阿野の行者野に掛けてが山地からの出口となる。徳島刑務所なんかがあるようだ。この辺に落としていくのが第一選択になりそう。
~鬼籠野谷~
鮎
喰川EL51m(鬼籠野(おろの)谷合流)付近で取水すると150km2ある。上流・南側の多雨を期待して12.5m3/s程期待持てそう。但し
51mでは落差が大して期待持てないのも事実。。
山を越えて飯
尾川(3.8mなんて箇所も発見!)へ放水すれば割りと近い割りに落差を44m程に出来て4,500kWに出来る。このくらいだと良い感じだ。
けど同じ水系だけど飯尾川に12.5m3/s流しても大丈夫かってのはある。冒頭で見た様に伏流水への影響は結局近くをながれるとはいえ変わってしまうだ
ろうし。。伏流水を利用しているのは佐古・蔵本・府中(不忠ではなく孝=国府と読む)と連続する3駅辺りに集中してるっぽいのでやはりその十分手前迄に鮎
喰川に水は返した方が良さそうである。。
~広石谷・本名~
最下流部の吉野川本流域からはばらばらとランダムに振られたr20・r21・r31・r43が鮎喰川・神山町へ向かっている(もう一寸上流に行くと
R193・R492・R438が吉野川からばらばらと南下してくる)が,鴨島から南下するr31を選択。山越え付近は無人で田舎に良くあるくねくねの山越
え道。誰も通ってないんだからくねくねのせいで誰も通らないんだと大金掛けて長大トンネル掘ってちょっとだけクルマ通るようにしたいしないことを望む。山
を越えてやっと現れた聚落,広石付近には広
石鉱山跡の看板が立ってるが特になにがあるような感じでは無かったので通り過ぎてしまった。矢印はもう一寸進むと鉱山跡だよと云う意味かと解釈し
たけどまさにここが鉱山跡,と云うことだったらしい。焼山寺の看板は延々と出てるのにちっとも着かなかったのと対称的であった。
此処には銅鉱山があったそうな。ズリ山が残ってたけど松林に戻りつつあり,坑口も埋没している(人為的に埋め戻された?)らしい。伏流水にミネラルが豊富
なのもこの辺の鉱脈の関係だったりするのかも。
パリのユネスコの庭園にここの青石が使われたと云う看板もあった。
この広石谷川が鮎喰川に合流するのが本
名EL.71.3m付近である。ここから8.9km程落とすと鮎喰川(入田町日和田)EL18.7mとなる。落差48.6m。伏流水の準備として
は間に合うのでは無いか?行
者野付近に発電所を造って放水は徳
山刑務所付近(大久)EL.25.7mなら7.4kmで済むが7m程落差は減ってしまう。41.6m程度。流域面積は調べてみると此処で
143.7km2程ある。雨量図だと那賀川流域の
直ぐ北側なので上流域は2500mmはある。控えめに12m3/s程度にしておく。落差48.6m(日和田案)で4,800kW,落差41.6m(大久
案)で4,100kWである。
日和田案だと地下部分が長距離になりそうなおそれがあるので大久案で行く。
[私案]鮎喰川第一発電所
出力:4,100kW[+4.1MW]
水量:12.5m3/s
落差:41.6m
面積:145.7km2
導放水:7.4km
取水:鮎喰川(本名)・鬼籠野谷
放水:鮎喰川(大久)
この広石谷の二
ノ宮付近EL117m程度を水源とすると12.8km2の面積がある。0.9m3/s程度は取れそう。もし小水力やるなら本名に流すと42m程。
300kW程度は出そう。
250m程から取って下で検討する250m級から本名への発電に補助的に使うのも可能ではあるけど規模は小さい,,
~青井夫(あおえふ)谷~
青井夫(あおえふ)谷との合流部付近の橋から鮎喰川上流部を眺める。ストビュウだとこ
こ。秋なのか緑が薄くて一寸印象違うけど,,
21.6
谷は深いしダム造って水貯められそう。清流は見事ではあるのだが。。
~岩丸橋~
こ
の辺。旧橋が落ちていた。よく見ると右下の川に嘗て橋脚だったと思しきコンクリート塊が転がっている。
コンクリートで出来た吊り橋の主塔跡は田舎の川にはよくある光景だが老朽化には敵わないのか現役は流石に余り見ないがこの手のコンクリートの沈下橋はまだ
見る気がするが水害には敵わなかったのであろう。強風は兎も角,洪水には吊り橋の方が流石に強い。
聚落は県道と同水準にあるけど嘗ては坂を上り下りしていたようだ。それにしても狭い橋である。クルマは軽ぐらいなら走っていたのだろうか?
~上角谷~
次の取水ポイントは神山中心街のある盆地状の地形から鮎喰川の流
出口EL.118m付近であろう。
上角谷川が合流する。不動点定理を思い出すが読みは「かくたに」なのかな?
岩丸橋との間の谷にダム建設も可能では無いか。
102.9km2ある。8.5m3/s程度か。放水点は本
名EL.71.3m付近であるから落差は43m程。3,000kWとなる。ちと小さいが導水距離も3.7kmと近いし大丈夫だろう。
なんなら0.9m3/s程度広石谷から導水して9.4m3/sとすれば3,300kWとなる。ちと小さい。
もう一寸上,129.6mで取水すると落差が54mとなって,面積が12.17km減るので90.2km2。7.5m3/s程。3,300kW程。変わら
ずか。。一気に上から先程の本名に落とした方が良さそう。
以下250m級を掻き集めて52.0km2。4.7m3/s程期待したい。一気に本名70mに落とすと落差は176m取れる。6,800kW。これで決ま
りだな。
[私案]鮎喰川第二発電所
出力:6,800kW[+6.8MW]
水量:4.7km2
落差:176m
導水:
取水:江田谷・神通谷・鮎喰川・喜来谷・左右内谷
放水:鮎喰川
~左右内谷(と全体像)~
喜来谷252m
付近
水量に拠ってはここから鮎喰川・北谷川取水口付近に送水しても良い。
4.3km2
~江田谷~
江田谷250.9m
付近
谷の面積は狭くて足しになりそうにないが,これより東側は一寸遠くなる。
鮎喰川から北回りで本名へ送水する計画なので大回りになるが水量確保が重要なので東寄りの小さなこの江田谷川から引っ張って来ても良いかもしれぬ。
中津川(大長尾谷)・神通谷252m
付近
ここが最奥部である。R193とR438の重複区間からR193が分岐し国道193号とともに雲早山山麓を上がっていく。
すぐ鮎喰川本流を渡る。
下流方面の眺め。もう大部薄い流れに成ってて心許なくはある。。この流れから2.0m3/s程取水したいんだけど。
同じく上流の眺め。新しめの橋が架かっている!?この如何にも古そうなコンクリートの橋の老朽化は明らかだったが,新道とは何時迄経っても合流しなかっ
た。未成か別の方へ行く農道かなんかだったのか?
ストビュウでみるとこ
んな感じ。R483のバイパスかもしれない。。→調べてみると国道438号上分(かみぶん)バイパスというらしい。
出典:国
交省
さてR193に从(したが)って遡上していく。この193号,途中何故か一本の道なのに国道指定されず恐らく格上げ前の県道(r253山川海南線)のまま
に成ってる箇所がある。(goo
map)
地図に寄って多少の異同はあるが,神通谷から大中尾谷へ折れて大中尾付近でスイッチは起きている様だ。
道路標識には意味は確定では無いが県道253号を思わせるA253の文字が記載されていた。
峠付近では雲早トンネルがありそれを抜けた那賀川側には剣山スーパー林道との交点があって色々賑やかであるが,なんとR193のおにぎりが!?
もともと下手だけど最近カメラの調子が悪くてみにくい写真で失敬。
どの地図でも峠付近は県道なのに不可思議である。
さてこの神通谷川と大中尾谷川,13.7km2程ある。
13.7km2
~鮎喰川・北谷川~
両
川合流の248m
付近・風
景
この辺がメインの起点となる。調整池ぐらい造りたかったが一寸谷は狭そう。
水量の関係で東側の喜来谷から引っ張って来ても良いかも。
22.76km2
ここの合流点は無人であるし本項で検討した二発電所と鮎喰川の流量安定の為にもダムが欲しい。