https://suido-ishizue.jp/kokuei/tokai/F1/F2/Mie_Chusei%20yousui.html 3.国営かんがい排水事業「中勢用水地区」 (1)目的 近年まで、安濃川に沿って開けた水田は、わずか1,400ha程度であり、雲林院井堰をはじめとする礫、木杭等を材料とした22箇所の井堰で反復取水さ れており、井堰の維持管理に多大な労力と経費を費やしていました。また、丘陵地では、約100箇所に及ぶため池とわずかな小河川(渓流)が水源で、山間の 谷がわずかに水田となっている状況でした。(とは註:現代ではこんな言 い訳は通らない。高い米しか作れずに国民はコメ等買う気が失せパンに移行しているのである。米生産量確保は政策の正統性を担保し得ない。今重要なのは寧ろ 電源の確保である。勿論,農民の利水権は保護されねばならぬが。) 一方、畑に至っては、水利施設は皆無でありこの不安定な水利条件が、本地域の農業経営不振の原因となっていました。このため、安濃川の左右岸に広がる2 市3町(現在は津市、亀山市の2市)に跨る3,630haの受益地を対象とし、昭和43年度~45年度の3ヶ年で調査計画を行い、昭和46年度に全体実施 計画を行なった後、昭和47年10月に事業着手されています。 出典:水土の礎 (2)事業概要 安濃川の上流に有効貯水量約1,000万m3のダムを建設し安定した水源を確保するとともに、維持管理の軽減を図るために22ヶ所の井堰を4ヶ所の頭首 工に整理統合する。また、新規利水地域には、用水路約97kmを新設することにより、計画的・効率的な配水を図ることとされています。 これら施設のうち、安濃ダム及び第三頭首工については国営で、第一、第二、三泗頭首工は県営で施工され、また、用水路のうち、上流部の約20kmは国営 で、下流部の77kmは県営で施工されています。 なお、事業着手以降、受益面積の変更、安濃ダム関連の補償工事、パイプラインの管種の変更等により、平成2年度末の事業完了までに2回の計画変更が行な われています。 (とは註:ダムからはダム放流水と共に導水路で一旦南北分 水工に流し込み,其処から南北の幹線水路に分流し域内に供給する様だ。又安濃川経由で送水される水は第一(県営)・第二(県営)・第三(国営)・三泗(県 営)の4頭首工で取水される様だ。さて問題は取水量である。) (3)主要工事計画 取水量、 受益面積:
3)幹線水路 安濃ダムから南北分水工までの導水路は、自由水面をもつ供給主導型の水路であり、南北分水工以降の幹線水路は、パイプライン型式の需要主導型の水路と なっています。 したがって、その接点に南北分水工を設け、調整能力を持たせた水利システムとされています。 (水路模式図) ①導水路 トンネルを主体に、地形条件より一部区間でサイホン、暗渠が採用されています。 (導水路の概要)
②南北分水工[場 所(G)][地 理院(130.6m2) 下流パイプラインの需要変動に対して、安濃ダムからの送水を円滑にするとともに送水時における管路内への空気の混入を防止する等のために、約6,300m3の調整容量が確保され ています。 ((南北分水工断面図) http://miedoren.or.jp/home/mag/337.pdf 2.安濃ダムの概要 安濃ダムは、農業用水専用の利水ダムとして農林水産省の国営かんがい排水事業により建設され、平成元年12月から三重県が管理しています。 ダムの最大有効貯水量は 980万m3(東京ドーム約8個分)で、1年間に約2.5杯分の水を中勢用水土地改良区の受益地3,183ha に補給しています。 3.治水に配慮した水位調節 安濃ダムは「洪水調節容量」をもたないダムですが、次のような運用により洪水調節を行っています。 洪水期(6 ~10月)には、利水に支障のない範囲で、貯めることができる水位(制限水位)よりも低い水位(管理水位)で運用しています。 管理水位の設定による空き容量の確保
>特に、夏の終わりにはダムの水を使い切り、大きな空き容量ができますので、台風などの大雨の際には貯留して洪水を軽減することができます。 とのこと。是非この水を冬期渇水期の調整用の水力電源として活用したい。 |