電 力総研 水 力あれこれ 天竜川中上流
天竜川中下流域 佐久間周辺増強周遊 水窪ダム 新豊根ダム 秋葉ダム 船明ダム
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気田川光明ダムor気田川秋葉ダム+遠江横山ダム構 想

概説構想図) 気田川発電所(案)  (秋葉ダム) 気田川秋葉ダム(案) 気田川秋葉連絡導水路(案) 光明発電所(案) 遠江横山ダム(案) 横山発電所(案) (船明ダム) 北磐田発電所(案)

気田川は天竜 川の支流で,源流部は前黒法師山から黒法師岳 南斜面にあり,天竜市の千草(ぐさ)と上(あげ)島の間で天竜川と合流しています。長さは61㎞,流域面積は263km2,支流には 石切川, 杉川, 熊切 川などがあります。[静 岡県

概説    
気田川は流域面積263km2の川である。水量もそれなりにある。気田川上流の開発等は気田豊岡門桁の各項を参照。流域全体の概況はこちら

ただ流域面積263km2とはいえ,門桁堰堤があって,気田川最奥部53km2程を今でも水窪発電 所経由で佐久間ダムに送られている。とはいえ残りはそれでも210km2程残るのである。気田川流域210km2から流れ 込む水量を推定してみる。
佐久間ダムと秋葉ダムの差から推計した100km2辺り3億m3という値を 遣ってみると概ね年間6億トン程度のダム地点通過水量と想定される。

実際の数値と後の推定する私の妄想ベースの諸元を纏めて先ずは提示

2015 年(静岡県取り纏め資料)こちら の妄想
ダム・発電所 最大使用水量 有効貯水量 流域面積
年間使用水量 年間ダム放水量 年間通過水量
水利用率
貯水量に拠る発電時間
摘要
佐久間ダム・佐久間発電所 306.0m3/s 2億0,544.4万m3

55億1,580万m3
5億8,710万m3 61.0億m3
90.4%
186.5h(7.7日)
新豊根・水窪流域を含む。
秋葉ダム・秋葉1~3発電所
336.0m3/s
775.0万m3
58億2,340万m3
16億0840万m3
74.3億m3
78.4%
6.4h
振草以遠を除く
船明ダム・船明発電所
270.0m3/s
360.0万m3
53億7,690万m3
24億7710万m3
78.5億m3
68.5%
3.7h

[妄]相川ダム








[妄]大千瀬ダム・佐久間川合発電所








[妄]西渡(久根)ダム・久根発電所








[妄]京丸 ダム豊岡発電所
5.1m3/s
170万m3程
36.4km2


1.1億トン程度?



[妄]気田ダム・気田発電所
20.0m3/s
110万m3程?
86.5km2※
2億 9000万m3?
2億 9,000万m3?
7億3500万トン程度?

20h
門桁を除く
[妄]平木堰堤・気田川発電所








[妄]気田川秋葉ダム・光明発電所
50.0m3/s
650万m3程
210km2※





門桁を除く・天竜川を除く
[妄]遠江横山ダム・横山発電所
413万m3程








佐久間ダムが概ね水を使い切ってる(利用率88%)に対して,船明のパフォーマンスはそれほど良好とは云えない64%である。秋葉はその中間という感じで ある。
また割合ではなく水量で考えた時,佐久間が放流して(発電し損ねて逃して)いる水は年間7億トンなのに対して秋葉と船明はそれぞれ12億トン・27億トン もあるのである。

こうやって並べて見ると秋葉ダムの貯水量は僅少で完全に佐久間発電所の逆調整池でそれに更に船明が被さった(追加された)感じである(子どもの目から見た 船明も秋葉もでっかいダムという印象だったんだけどなあ。。)。秋葉ダムは佐久間発 電所の逆調整をしているのであって大千瀬川や水窪川から流れ込んでくる分の逆調整は仕事ではないよと云ってる感じである。天竜川中流域貯留量を欲してる所以である。
これに関しては小口川と小俣川で見た経験法則(有峰・常願寺の法則)が参考になって,上流の尖頭放流1m3/s辺り概ね 2万m3の逆調整池が下流に必要というものである。今,佐久間発電所の306m3/sに対して秋葉ダムの775万m3ってのはだいたい法則 通りという事になる♪(昔は船明もなかった。)
一方で秋葉の放流量336m3/sに対して船明の貯水量360万m3は過少に見えるが,尖頭用(常時出力が0kW)は第一(110m3/s)・第二 (110m3/s)であり,(第三だけ稼働率が高い)合計220m3/s,440万m3となってまあまあ近づく。更には莫大な天竜川の流下能力もあり,第 一の稼働率は50%で第三は 20%である。第一の一定部分は常時発電的に使ってそう。そうこう計算に入れていくうちに360万m3が適合的な感じにはなるのであろう。

一方,水窪・大千瀬をメインとする663km2,実際は間接流域330km2は佐久間に流れ込むので残りの330km2に対して洪水時の変動を抑える機能 が弱いとなる。佐久間ダムからの逆調整で600万m3使うとすると残る170万m3程しか貯 水能力が無い?今では船明もあって,600万トン中36o万は船明で貯められるし,そもそも鹿島地点で維持流量が80m3/sもあるので佐久間発電所 300m3/sの内調整が必要なのは220m3/s程度なのかも知れない。220m3/s中,180m3/sは船明のV=360万m3で貯めるとすると秋 葉で使う逆調整量は40m3/s・80万m3程度で700万m3近くは洪水の安定化に使えてるのかも。秋葉は佐久間とほぼ同じ使用水量で3億トンがその増 分である。700万トンで3億トン程度水を使いこなれるのかも。

ところがここで,上の数値から秋葉と船明の過水量が4.2億トンしか増えないので冒頭での気 田川からの流入量6億トンの推計値は多すぎる様である。その分なんか取水してる?こちらの 推計が誤ってる?
船明取水の磐田用水も浜名用水も発電所を経由しているのでその分は計上されているはずであり,三方原用水は秋葉ダムの上(湖畔)から取っているので使用水量には関係しな い筈である。しかし流出の可能性は三方原用水への放流というか取水ぐらいしか思い当たらず,三方原取水もダム放水量カウントしているのかもしれな い。。
また水窪発電所(水窪蓋渠)や水窪ダム(有本堰堤)の取扱(両施設が余りしっかり取水して居らず水がダダ漏れの可能性も)で秋葉ダムの流域面積が過少に見 積もられて いる可能性もある(こっちも結構可能性高そう[→この辺で推論]・・例えば 水窪蓋渠以遠(上流方面)の22.3km2・白倉川流域45.9km2等は佐久間ダムの間接流域にカウントされて秋葉ダムの直接流域にカウントしてないけ どカウントすべきかも知れない)。


また処理可能水量が少なくて水を漏らしているのは秋葉だけでは無く,秋葉の下に後に潅漑・工業・都市用水取水用に建設された船明ダムも引きずっていて,使 用水量が少ないこともあって更に使い切れていない(放水量年間24億8千万トン弱!)。


21.8秋葉
 

21.8船明
こんな奔流のエネルギーを目の当たりにすると宝の山にしか見えず,日本がエネルギー的に成るべく自立していく為にもなん とか使い切り たい ものである。
番号 ダム
河川
目的
総貯水容量 (10^3 m3 )
(1')有効貯水容量(万m3)
(2) 湛水面積(ha)
(3) 深度 (m) 堤高 (m)
集水面積(増分) (km2) (8) 年平均流入量 (万m3 )
年間取扱量(万m3)
年間放流量(万m3)
(9') 回転率(/年 )(8)*1000/(1) (10') 貯留時間 (月>)
(8)/(1>')貯留力
(8)/(7)平均流域降水量
年間水利用率
その他・備考
  佐久間 天竜川 P 326,848.0 20,544.4 715 155.5 3,827[直] 591,149 522,451.3 68,697.5 28.77 0.42 3.48 154.47 0.88 [間]330km2
  秋葉 AWIP 34,703.0 775.0 190 89 4,490(+663) 677,796 554,652.5 123,143.8 874.58 0.01 0.11 150.96 0.82
  船明 AWIP 14,578.0 415.7 190 2.2 24.5 4,895(+405) 756,197 480,620.0 275,577.0 1819.09 0.01 0.05 154.48 0.64

新豊根 大入川 PF 53,500.0 4,040.0 156 34 116.5 136.3 84,000 82,000.0 1,000.0 20.79 0.58 4.81 198.09 0.98

水窪 水窪川 P 29,981.0 2,283.6 84.1 105 241.8 61,903 59,988.6 1,914.3 27.11 0.44 3.69 256.01 0.97

大千瀬
大千瀬川



162.3
4












京丸川
京丸川
P

170
8.9
20

36.4[合]










気田
気田川


165.1 19.2













気田川秋葉
気田川


620.0 151.6













遠江横山
天竜川
















上図で秋葉と船明と比較して面積増は405km2(恐らくこの増分に門桁は含まれるのでそれを除くと352km2)。年平均流入量増は78,401万m3 (7.8億トン)である。従って気田川の流域面積210km2(263km2)から流入する分は4.8億トンと計算出来る(門桁を入れても抜いても大差は なかった)。先程の7.3億トンには届かないが概ねこんな感じであろうか。

三方原用水の取水量は
>取水量は1日144万トン。うち農業用水107万トン、工業用水27万トン、上水道用水10万トンを供給している。[ニッ ポニカ
とのことだが,単純に360掛けて年間5億トンということはないであろう。。冬期はもっと少ない筈である。例えば浜名用水は最大38m3/s弱が半年間は11m3/s強と1/3以下になる。半年 間30万トンとすると一日平均70万トンで年間2億5000万トン。
このくらい三方原が取水してくれてると数字の整合性は可成り合う。ここではその想定で行く(気田川からは7億トン超流入とする。)

【気田川秋葉ダム(案)】(ダム諸元概 要図湛水域周辺図湛水域拡大図流域図発電所諸元)    
先ずは佐久間ダムの容量を空けるべく水窪ダムへの導水で10.1km2((天 竜)河内川・小沢川)を貯留する。まあ大した量ではないが少しでも佐久間の柔軟性が増えればそれで良しとする。
一方で秋葉へ流れ込む使い切れない水の内,佐久間ダムに翁川下流17.4km2,水窪ダ ムに翁川上流9.0km2から導水,大千瀬ダム(と相川ダム)で 貯水等。
で,最後の船明に臨む訳で有るが,使い切れないからと安易に船明の発電容量を増やす訳には行かないであろう(船明の増強は必要[→増強案]だとは考えて居る。)。
経済効率を考えて今の規模になってる訳であり,安定して発電出来る水量確保が重要である。
秋葉~船明で新規に流入する河川は小さいもので白倉川があり,これは秋葉に流し込む 発電所を構想済みである。残るは大きい気田川で ある。最下流では現行気田発電所下流で取水して秋葉ダム湖で発電する気田川発電所を構想した所(→この辺参照)
更に気田川本流も最後に堰止めてみる。秋葉ダムと一体的に運用することで貯水量のデカいダムとして運用出来る。

[私案]気田川秋葉ダム
満水位:108m[秋葉ダム満水位が基準]
湛水面積:1.63km2(163.3ha)
使用水深:3m
有効貯水量:650万m3
流域:263km2弱(門桁含む)

秋葉第二の放流水や気田川の水を併せて横山や上述の西渡を踏まえて上野部などを既に構想しているがこれらと併せて気田川本流最下流に秋葉ダムとの兄弟ダム を構想して完成としたい。

(概要図)    
こんな感じ(橙線)か?横山ダムがある場合は赤線。磐田用水では高度が足りないので船明ダムから天竜川最下流へが現時点では有力。

最後に船明より下で発電するとして磐田用水のここらだと船明放水位より3mぐらいしか下がらないので不可。天竜川への放流となろう。
気田川秋葉ダムから取水して横山ダムへ放水する発電所を光明発電所と呼称することにする。この発電所の利用水量は全体との関係で決める必要があるので一旦 保留。


気田川秋葉ダム(湛水域・周辺図)
この辺で堰止め。連絡導水路を建設という感じ♪

秋葉第二は廃止してサイフォン化して気田川と結んだりすると連絡水路の建設費が抑えられるかも。その場合秋葉第二の発電機は光明1Gに転用出来る。
転用費用なんか考えたら連絡水路を一部並行するけど建設した方が早いか。
気田川210km2程の水が新に秋葉発電所群で対処することになるのでピーク電源用に20~30m3/sの発電所を新設したい。
新に調整電源の水量が増えるので船明ダムをその調整池として利用するが,その間に逆調整池も欲しいとなる。遠江横山ダム案である。
秋葉第二110m3/sと光明(案)30m3/s程度の発電用水を横山ダム(雲名ダム)で受け止めてどの程度の規模(水量)で船明に渡すかが検討課題であ る。

立ち退きを最低限とする為に防水壁で対応するとこんな感じ(拡大図)。
そのままだと満水位以下の3聚落(和田之谷・神社前・笹合)を囲むor迂回する形で排水溝を設置して更に排水ポンプも設置するなどして出水に対処したい。


ここから磐田用水に直結するか船明ダムを経由するかであるが,水の融通を効かす為には一旦船明ダムを経由した方が良さそうだが船明ダムでも42.00m迄 落とせるのである。延々設置しても磐田用水では想定放水位39m程度で+3mしか落差を稼げない。。
やるなら余剰水で天竜川本流迄だな。。

(流域図)     
とまれこの秋葉気田川ダムの諸元を確定させていく。
気田発電所下部の平木堰堤から取水して秋葉ダム湖畔で発電するとしてその下流が先ずは一次流域(直接流域的ななにか)となる。
調べて見ると61.3km2,長沢(地名)の水をこ こらで取水する導水域を含めると+4.36km2で65.7km2①。(その上流の平木堰堤より上流の面積(詰まり気田川発電所(案)の隆起面積)は200km2 弱②)

また大千瀬川流域124km2③から均された最大 30m3/sの水供給,久根ダム(案)で水窪川・相川等 からの69.5km2④の水を均し,①~④の合計455km2程の水を均した上で利用出来るようにしたので,まあ最低50m3/s程度の最大使用水量は欲 しいし,ピーク時も睨んで秋葉第三と一緒に横山ダムをいっぱいに出来る最大90m3/s程度の水で発電をしたい(光明発電所(案))。


[私案]光明発電所
出力:14,000~22,400~25,200kW [+14.0~22.4~25.2MW]
水量:50~80~90m3/s
落差:33m
取水:気田川[気田川秋葉ダム]108m
放水:気田川[遠江横山ダム]70m



【遠江横山ダム・横山発電所】      
ほぼ満水に見えた船明ダム湖を遡って行くと国道から岐れた先辺りで中州が見え始めてバックウォーター部となるようだった。
写真はこ の辺[地理院]遠江横山ダムはこの直下に作るイメージ。
22.8
遠江横山ダム。気田川秋葉ダム,秋葉ダムの下流で逆調整機能を付加。直接流域は22.3km2程。

そして逆調整池としての横山は建設した方がいいだろう。現在V=775万m3の秋葉ダムとV=360万m3の船明ダムの合計V=1135万m3で佐久間ダ ムQ=306m3/sの逆調整を受け持っている。上でも見た有峰・常願寺の法則からV=612万m3の逆調整池 が必要となる。
船明ダムが後補で出来たお陰で秋葉ダムの逆調整機能に余裕が出来て一部は尖頭的に船明に向けて発電出来てるようである(船明運開前からというか秋葉ダム竣 工時から秋葉第二は設置されてたから逆調整池は無いまま尖頭運用が可能であったとはいえるが。)
今,大千瀬ダム(30m3/s)やら気田川(8m3/s)やらで私が勝手に開発妄想した尖頭用水が38m3/sあるので合 計344m3/s。V=700万トン弱は欲しいが横山の貯水量400万トンは船明と併せると760万と可成りピッタリなのである。

で,常願寺の法則を適応すると400万m3を使い切るには200m3/sで水を叩き込めるので秋葉第二の使用水量が110m3/sなので結果的に光明発電 所の使用水量は90m3/sというそこそこデカいものになる。秋葉第一も第三もあるのでもう一寸小さくても良いのだけど,船明には二俣川や阿多古川から取 水して上流で確保した水(大千瀬・久根からの20m3/s・気田からの20m3/s等)と併せて最後に上野部辺りへ向けて発電したいので空けときたいので ある(→こちらで検討する)
とはいえこの場合は流石に大きすぎるので50m3/s程度に抑えて代わりに秋葉ダムでの逆調整や船明発電所(Q=270m3/s)の大容量を活かした放流 などの組み合わせになろうか。天竜川の河道は秋葉第二が最終の放水だった事もあるし110m3/s程の放流も大したことないのかも。(鹿島地点の正常流量 を概ね86m3/sとするのだそうな=ソース:国 交省)

整理するとこんな感じか:

[新設私案]遠江横山ダム
満水位:70m[秋葉第二発電所放水位が基準]
湛水面積:1.38km2(138ha)
使用水深:3m
有効貯水量:413万m3

さて,この貯めた水を安定化(逆調整)して下流に送る際にどんな水量にして送るか,である。
今,佐久間発電所の306m3/sに加えて,大千瀬・水窪・気田の455km2からの水を最終的に船明ダム360万m3・横山ダム410万m3の合計 770万m3に貯めて逆調整する。有峰の法則から概ね380m3/s程逆調整出来そう。
で,その辺踏まえて,横山の400万トンを安定化するとどの程度の水量を吐けば良いのかだが,小口川ダム・小俣ダム合計220万トンで30m3/sであ る。400万トンだと55m3/s程度は欲しいかも。

[新設私案]横山発電所
ダム放水路式・調整池式
出力:5,100~7,000kW[+5.1~7.0MW]
水量:40~55m3/s程 度 (久根・大千瀬で安定化する193km2程度の水と気田川の210km2,直接水域22.3kmの合計425km2程度からの 水)
落差:12m
取水:天竜川[横山ダム]70m
放水:天竜川[船明ダム]55m

上流で確保した水と二俣川を併せて横山ダム取水から一気に上野部というプランもあり得ることはある。
その場合は落差は70→29mと40m近く取れ,導水距離は10kmを越える感じになる。とはいえ一旦船明に集めた方がなにかと良さそうかな。。

船明ダム[→船明ダム(現況・諸元)
有効貯水容量: 360.0万m3
満水位:57m

[新設私案](北)磐田発電所or上野部発電所[→船明ダム(開発)
出力:13,800~16,100kW
水量:60~70m3/s
落差:27m
導水:
取水:天竜川[船明ダム]・二俣川57m
放水:天竜川27m