戻る
20/09/07運開
大野川の利水と水力発電開発
~大蘇ダム・稲葉ダム篇~

大蘇(おおそ)ダム[便 覧
目的/型式     A/ロックフィル
堤高:     69.9m
流域面積/湛水面積     26km2 ( 直接:13.5km2 間接:12km2 [山鹿川:年間180万m3]) /28ha
総貯水容量/有効貯水容量     430万m3/389万m3
ダム事業者     九州農政局
着手/竣工     1975/2019


大蘇ダム漏水、地元反発 原因見通せず「不完全なら国管理を」
https://kumanichi.com/articles/22256
熊本日日新聞 | 2020年12月14日 06:58

 4月に供用開始した国営大蘇ダム(熊本県産山村)で、再び想定を大きく上回る水漏れが判明した。…

 国の対策工事は専門家の助言も得て、2013~19年度に実施。水が常時たまるダム堤から1キロ 上流までは、壁面に厚さ10センチのコンクリートを吹き 付け、底部にセメントを混ぜた粘土質の改良土など(厚さ2メートル)を敷いた。ダム堤から1~1・3キロ部分は水位の増減で流れが発生するため、壁面と底 部をいずれも厚さ10センチのコンクリートで覆った。

 さらに上流の500 メートル部分は、水位の低下で露出して補修しやすいため、壁面は耐久性で劣るモルタル吹き付け(厚さ8センチ)を採用。底部は厚さ30センチの改良土と遮 水シートで対策した。

 施工面積は貯水池の8割に当たる25万3千平方メートル(= 25.3ha)。工事費は計126億円で、ダム事業全体の2割近くに上った。九州農政局は「区間の特性に応じて 割高なコンクリートをなるべく減らした。コンクリートと比べて遮水能力が低い改良土の面積も広く、浸透は完全には防げない」と説明。対策はあくまで「浸透 の抑制」と強調する。

 19年度の試験湛水では、最大で1日2万8千トンの浸透が発生したものの、9月に目安とした2千トン程度に 落ち着いた。このため国は「対策の効果が確認された」として供用を開始したが、現在の浸透量は約1万5千トンから 減らない事態が続く。

 漏水問題の再燃に受益地の自治体が神経をとがらす背景には、ダムの維持コストがかさむことへの警戒感がある。供用開始前に阿蘇市と産山村、大分県竹田市 は、国の直轄管理を要望したが、国は「規模が小さく要件を満たさない」と認めなかった。ただ、ダムの監視については国が引き受け、再度補修が必要になった 時は「地元負担の軽減を検討する」との“条件”で、2市1村が矛を収めた経緯がある。

 国は「管理は引き続き地元」との考えだ。しかし、産山村の市原正文村長は「ダムが完全な状態になるまで、維持管理は国の責任でやってほしい」と訴える。 阿蘇市の佐藤義興市長は「追加の費用負担が生じても応じられない」とけん制しており、県議会も「地元の追加負担は認めない」とする決議を委員会で可決し、 歩調を合わせる。(内田裕之、東誉晃)

◆国「利水に影響ない」

 国営大蘇ダムは、阿蘇市と産山村、大分県竹田市の計1865ヘクタールに農業用水を供給する利水事業を目的に建設された。水漏れが再び判明したが、九州 農政局は「当面、利水への影響はない」としている。

 受益地の2市1村と大分側の3土地改良区でつくる大野川上流地域維持管理協議会によると、冬は水を使う作物が少なく、現在は1日千トン前後を使用してい る。

 最近は雨も少なくダムへの流入がほとんどない状態で、7日時点の貯水量は約197万トン(貯水率46%)。ただ、大蘇ダムは流域以外の山鹿川(産山 村)から導水路で年間180万トンまで取水できる取り決めもある。貯水量が足りない場合は、こちらで補える仕組みだ。

 稲作が本格化する5月ごろには、多い日で1日約3万トンが必要という。竹田市農林整備課は「国は大丈夫というが、浸透量がさらに増える恐れもある。少雨 の時も心配だ」と話している。(内田裕之)

流域面積26km2,内,直接面積13.5km2,間接面積12.5km2であるが,直接面積は大蘇川の上流,間接面積は玉来川上流(地元では山鹿川と呼 ぶらしい)である。

玉来川の取水工は平川頭首工と云ってこ の辺にあるようだ。上の地図はまっさらの時の様で,はやくも落ち着いた色合いになっている。国 土地理院に拠ると概ね標高681m程度の様だ。

今,玉来川上流域に田尻という場所があり,そこでは年間降雨量を観測している。田尻で40年間平均値で年間降水量2500mmを超える様だ。なかなかの降 水量である。

田尻流域年間総降雨量
出典:大分県

漏水はまあ基本的に阿蘇 山の火山灰がよく水を吸うということに尽きるのであろう。

阿蘇山周りのダムでは同じ事起きなかったのかね?例えば大 谷ダム(EL675m)とかどうだったのであろうか?神の領域[DAMLAB]として地元では大 事にされてるそうなwただし堆砂で貯水量が半分程度になってて大変らしい。
 またご近所の稲 葉ダム「ダ ム堤体の左右岸に弱い地層があったため、大規模な造成アバットメントを構築することによって地盤の安定を図」[便覧]ったとのこと。造成アバット メントとは要するに人工地盤の斜面の事らしい。

稲葉ダム[便覧][場 所
ダム事業者:大分県 / 目的: FN
堤高     56m / サーチャージ水位:455.3m / 常時満水位:437.8m / 最低水位:434.0m
流域面積/湛水面積     km2 /48ha
総貯水容量/有効貯水容量     727万m3/619万m3
着手/竣工     1985/2010


今,ダムの集水量が26km2=26百万平米であるから,この地域の年間降水量は田尻程度の2500mm(詰まり各点2.5m)として26*2.5=65 百万立米となる。
勿論,平川頭首工での取水量以上は下流に流さざる得ないのでそんなにとれないけど4,000万立米ぐらいダムに入ってくるとすると,ダムの貯水量が 4300千m3=430万m3であるから貯水量の10回分ぐらいの雨が降ることになる。

<大野川上流域→大蘇ダム→稲葉ダム利水開発案>
今,全体図と計画(とは妄想)を提示すると以下の如く成る。
出典:農 水省

先ずは大蘇ダムから取水の玉来川発電所である。

●集水計画
まずは乙 宮川[場 所]691m産山 川[場 所]687m 南谷 [場 所]684m(無人の谷の様なので此処にも調整池造れそう)田尻[場 所]680mに取水 堰を作って平川頭首工に繋ぎ(3.2km),そこから大蘇ダムへ導水する。平川から大蘇への導水管の増強は必要となろう。
此処迄で10km2程度。1m3/s程度か。小せえ。。


更に,奥地,久住高原の方迄導水管を延ばし,潤 島川[場 所]698m稲葉川 [場 所]692m辺り迄延ばせば(追加で3.0km)更に一定量確保できそうである。
こちらで12km2程。大きくは無いな。。


常時利用量は2m2/sとしても大蘇ダムへ貯める量を考慮して各川2m3/s,合計10m3/sぐらいの余裕を持った作りにしておけば増水時に大蘇ダムに それなりに溜め込める→まあ大蘇ダム貯水になんありなんじゃがのぉ(;´Д`)

■発電計画
○大蘇ダム[場 所]667m→ 上部水槽[場 所]658m→■(仮称)玉来川発電所[場 所]537m
大蘇ダムからどんだけ取水出来るかが鍵になる。
冒頭に出した様に漏水でとても何かを期待出来る感じはしない。下手すると漏水対策費のババを引かされそうである。。
とのことで,上記導水路の分で2m3/s程度かねえ。
農水官僚が農水省予算で作ったからと目的外利用を全力で沮止しに来るかもと思ったけど寧ろ欣喜雀躍して譲渡しますとか言い出しそう。まあ県営ダムに既に押 しつけ済みなのだけど。

(仮称)玉来川発電所
出力:2,500kW
水量:2.5m3/s
落差:125m
導水:
取水:大蘇ダム667m
放水:玉来川537m

取り合えずこんな感じか。
そもそも発電量僅少だし大蘇ダムが厄介者な以上触らぬ方が良さそうww

次は稲葉湖での発電。
△取水工[大 利川合流部]529m・
△稲葉川取水工[場 所]529m─産山川取水工[場 所]528m・
△玉 来川取水工[大 利川合流部]529m・→上部水槽[場 所]528m→■(仮称)稲葉発電所[○稲 葉ダム湖畔]438m→ <稲葉ダムルートへ>
こんなイメージ

大利川・大蘇川合流部玉来川,稲葉川,産山川から取水,77.6km2もある。


(仮称)稲葉発電所
出力:4,900kW[+4.9MW]→5,500kW[+5.5MW]
水量:7.0m3/s
落差:85m→95m
面積:77.6km2→76km2
導水:未計算→7.3km+0.8km=8.2km(0.66)
取水:大利取水工[大利川合流部] 529m・△稲葉川取水 工 529m・産山飛瀬(産山川)取水工528m
放水:稲葉川[稲葉ダム]438m

この529mってのは大蘇川と大利川の合流部って事で決めた標高なんだけどもう一寸標高上げた方が良いかも。
540mにしても1.6km2しか減らない。まあこちらで。

次は此処から玉来ダムへ送水して発電する。